放課後の蜜肌教室 人妻女教師と優等生

「ご、ごめんなさい、こんなことをしてしまって。私ったら」

我に返ったのか、百合は身を震わせながら後ずさった。わなわなと右手の指で唇を押さえる。あきらかにみずからの行為に戸惑っているようすだった。

「ごめんなさい……」

もう一度短く告げて、そのまま逃げていこうとする。今にも泣き出しそうな顔で。

百合が謝罪したのは、幸太に真弓という相手がいるからこそだろう。二人の仲を裂くわけにはいかないと遠慮しているのだ。

(たしかに僕には真弓先生がいる。だけど!)

悲しげに顔を歪める百合をこのまま放ってはおけない。泣かしたままではいられない。そんなのは男として最低だと思った。

「待って、新藤さん! まだ終わりにしないで」

幸太が百合の肩に手をかけて引き止める。女教師に惹かれる気持ちと同じくらい強く、同級生の健気さに打たれたのだ。

「行かないで、新藤さん」

「でも、浅野くんは真弓先生と……」

百合はその先の言葉を飲みこんだ。か細い両肩を震わせる。つぶらな黒瞳にみるみる涙が溜まっていく。

「やだ、私……嫉妬してる……いや、こんなの」

両手で顔を覆い、百合は嗚咽をこぼした。手のひらの間から透明な涙のしずくがこぼれ落ちる。後から後から……それを見つめ、幸太は拳を握り締めた。

(ごめん、真弓先生)

恋しい女教師に心の中で謝ると、覚悟を決めて一歩踏み出した。

「もう泣かないで。ね?」

幸太はささやきながら百合を抱き寄せた。身体が触れあった部分から彼女の温かな体温がつたわってくる。か細いあごに手をかけ、幸太はなかば無理やりに唇を奪った。

「んうっ」

百合はつぶらな瞳を見開き、動きを硬直させた。

「んんっ……むっ」

キスを続けながら、幸太は相手の胸元へと手を伸ばしていく。

「胸、触りたい……」

「えっ……んくっ……は、恥ずかしいけど……浅野くんに、なら」

百合は頬を赤く上気させながらうなずいた。

幸太は控えめな膨らみに手を添え、遠慮がちにまさぐりはじめる。ゴム鞠にも似た弾力がつたわってきた。手のひらに収まるくらいの小ぶりな乳房をギュッとつかみとった。

同い年の少女の身体に触れているんだ、という感覚が幸太の呼吸を荒くする。気持ちが高ぶり胸を熱くする。

「……脱がせても、いい?」

耳元でささやくと百合は一瞬きょとんとしたものの、その意味するところを悟ったのだろう、呆然とした顔で幸太を見返した。

「……真弓先生にしたみたいなことを、私にもするの?」

百合がうわずった声でつぶやく。眉を寄せて逡巡するようなそぶりを見せた。喜びと戸惑い、そして不安が混在した複雑な表情。

が、決断は意外なほど早かった。

「──いいよ。私、浅野くんとだったら、いい」

先ほどまでの震えた声音とは一転して力強く響く言葉。百合の固い決意を示す言葉。

もしかしたら百合は、幸太とこういう関係になることを前々から覚悟していたのかもしれない。望んでいたのかもしれない。

おとなしい少女の、内に秘めた芯の強さを目の当たりにした思いだった。

赤いリボンタイはそのままにベージュ色のベストをまくる。さらに白いブラウスのボタンに手をかけ、一番下のボタンから順番に外していった。

ベストをまくりあげているため一番上のボタンが外せない。二番目のボタンまでをすべて外し、ブラウスを左右に開いた。

「や、やっぱり恥ずかしい」

いかにも清楚な百合らしい純白のブラジャーに包まれた胸があらわになった。真弓の豊満な乳房に比べるとまだまだ発育途上という感じで、その膨らみは控えめだ。

裾野から持ち上げるようにしてギュッとつかむと、百合は眉を険しく寄せた。

「痛い、新藤さん?」

「ち、ちょっとだけ……もう少し力を抜いてくれたほうが」

固い芯を残したような乳房にはあまり力をこめず、ゆさゆさと揺さぶってみた。

「これなら大丈夫?」

「平気よ……ありがとう」

幸太の気遣いに、百合は薄く涙を浮かべた顔で微笑む。

「わ、私も触ってみたい」

百合がおそるおそるといった感じで幸太の胸元に手を伸ばした。シャツの上から胸板に指を這わせる。今度はシャツのボタンをひとつひとつ外していった。やがてシャツを左右にはだけると、無駄な肉のないすべすべとした胸板があらわになった。

「綺麗な身体……」

百合がうっとりとした顔でつぶやき、ふたたび指先を這わせる。固く引き締まった筋肉を指の腹でたどり、乳首を軽くはじく。

「うっ」

微妙な強さの刺激に幸太は思わず身体を震わせた。くすぐったいような気持ちよさに背筋がジンとなる。

「はあ、はあ。こっちも触って」

幸太は我慢ならずにスラックスを指し示した。

処女とはいえ、さすがにその意図はつたわったのだろう。百合はびくっと身体を引きつらせて硬直してしまう。

「そ、そんなところまで……でも、浅野くんが言うなら触ってみる」

その言葉を免罪符のようにつぶやき、百合がこわごわと手を伸ばした。スラックスの前はすでに大きくテントを張っている。

はっきりと勃起状態を示す股間を目の当たりにして百合は大きく息を呑んだ。指先でスラックスの中心線……ジッパーのあたりに触れる。

「ううっ」

幸太がうめいた。技巧もなにもなくただ軽く圧迫されただけだ。それでも、男を知らない美少女に触れられたのだと思うと幸太の興奮はいやが上にも高まった。