放課後の蜜肌教室 人妻女教師と優等生

「おはよう、幸太くん」

百合が楚々としながらも上品な微笑を浮かべている。陽光を反射してボブカットにした漆黒の髪が綺麗な光沢を放った。

「まだ始業まで時間があるから、一緒に歩きましょ」

百合が遠慮がちな態度で誘い、二人は下駄箱には向かわずに中庭へ入った。指を絡めるようにして手をつなぎ、人気のない中庭を二人で歩く。木漏れ日が肌に気持ちよかった。

二人のようすは若々しい恋人同士そのものだ。

「あら、どうしてまっすぐ下駄箱に向かわないのかしら?」

まるで彼らの行動を見透かしたかのように、濃紺のスーツをまとった美女が立ちはだかる。もう一人の恋人の登場だった。

「真弓先生……」

真弓は勝気な相貌を凛と燃やし、両手を腰に当てて二人を見据える。

こうして三人で向かい合うのはこの間の休日以来のことだ。平日は真弓が忙しいため、どうしても百合との付き合いが中心になる。その分、休みの日になると(といっても真弓は人妻なので、そう頻繁に逢瀬を繰り返すことはできないのだが)真弓は百合以上に熱烈に幸太を求めてくる。

二日前の日曜日には昼間から夕方まで休みなく3Pをした。百合と真弓に三度ずつ、穴という穴にスペルマを放ち、甘美な官能に浸ったものだ。

──などと、感慨にふけっていると、

「今日はあたしと付き合ってもらおうかしら」

真弓が右側から幸太の腕に絡みついてきた。むっちりと張った乳房が二の腕あたりに密着し、扁平に押しつぶされる。柔らかくも煽情的な感触に幸太の下腹は早くも迅速な反応を示しだす。

(わわっ、相変わらず真弓先生はムチムチだな)

「あ、ちょっと、真弓先生」

「ふふ、固くなってきてるわよ。君のここ──」

しなやかな指先がスラックスの股間を軽く撫でた。男性の生理を知り尽くした指使いに、びくん、とブリーフの下で若い肉茎が立ち上がっていく。

「わ、私だって……」

百合が頬を林檎色に染めて憤然と近づいた。真弓とは反対側から幸太の腕に絡みつくと、控えめな膨らみを押しつけるようにして左腕をギュッと抱きしめた。

(真弓先生みたいなムチムチさはないけど、これはこれで──)

瑞々しい弾力にあふれた乳房の感触に、幸太は心地よさを覚える。

「浅野くんのすごさは、この間の日曜日で身に染みたでしょう? あたしみたいな大人の女じゃないと、彼は受け止めきれないわよ」

「に、日曜日のことなら、真弓先生だって最後、幸太くんにイカされっぱなしだったじゃないですか。私だってがんばります。ま、真弓先生には負けませんから」

「あ、あらそうだったかしら……」

いつものおとなしさが嘘のように百合は一歩も退かない。

(ひええ……なんか百合ちゃんもけっこう気が強いところあるんだな)

品行方正な優等生らしからぬ勝気な台詞に、幸太は内心でおののいてしまう。

「ま、選ぶのは浅野くんだしね。あたしを恋人にしたほうがいろいろと満足できると思うわよ。新藤さんの知らないテクニックをいっぱい味わわせてあげる」

(真弓先生は真弓先生で、けっこう健気なところもあるんだよな)

幸太が今度は真弓に視線を向ける。真弓と百合──二人と同時に接するようになってから初めて気づいたこともたくさんあった。彼女たちそれぞれの魅力を再発見できたことで、愛おしさは募るばかりだ。

「わ、私だってこれからいろいろなことを覚えます。覚えて、ちゃんと恋人にしてもらうんです。幸太くんのためならどんな恥ずかしいことだって……」

妖艶に誘う真弓と健気に宣言する百合。

幸太にとってはどちらも大切な女性だった。今は──少なくとも今だけは自分にできる限りのことをして二人を悦ばせたい。満足してもらいたい。

それはきっと真弓と百合も同じだろう。

魅惑の学園生活の予感に幸太は胸を熱くした。