「ふあああっ! ダメっ! 気持ちよすぎるう!」
叫びながら、繭は助けを求めるように右手の指を蠢かせ、意識しないまま亀頭を強く刺激する。
精液を飲むエクスタシーと巨乳絶頂の連続で、繭の全身に官能のエネルギーが充満していた。十年ぶりに女の急所をしゃぶられ、陰核を強く吸われて、わずかな時間でエネルギーが爆発する。
「イッちゃう! 優也くんに舐められて、イッちゃうの!」
空いている左手が、優也の頭をなでまわし、髪をクシャクシャにする。
「イクッ!!」
繭の手から力が抜けて、亀頭から離れた。身体が背後に傾き、優也の胴体の上に倒れる。優也の裸身の上で、繭の汗に濡れた裸体が何度も痙攣した。
優也は全身に感じる熟女の体重を、心地よく感じた。まるで生きた掛布団のよう。このままじっとして女体の重みを堪能したい、という欲望も頭をかすめたが、下半身で渦巻くマグマが許してくれない。左手で繭の脇腹をさすって、声をかけてみる。
「あの、繭さん、大丈夫ですか? ぼくは、その、まだ」
「ごめんなさい」
繭の身体がむくりと起き上がり、また優也の胴体をまたぐ位置を変えた。
今度は腰の位置。今にも暴発しそうな勃起ペニスの上に、唾液に濡れた女性器が来る。その光景を目にしただけで、優也の全身に電流が走った。
「優也くんのおちんちんを、わたしにオマ○コに挿入してください」
そうお願いする繭の美貌は、女の欲望をありありと映し出していた。まるで空腹の犬が餌を前にして、主人の命令を待っているように見える。そんな露骨な顔でありながら、品のある魅力は少しも失われていない。
優也は声にならない歓声をあげる。
(本当の意味で、童貞を卒業するときが来たんだ!)
「繭さん! ぼくとセックスしてくださいっ!」
優也が声を大にした直後に、別の聞き慣れた音色が響いた。
玄関のインターホンのチャイムだ。
そしてスピーカーから、もっと聞き慣れた声が流れる。
「先生、もどってきちゃいました。友達の家族に大変なことがあって、集会は途中で中止になったんです」
茉莉の声を聞いて、優也と繭は無言で顔を見合わせる。一瞬後にあわてて裸身を離した。二人ともに箪笥から出したタオルで急いで汗を拭き、猛烈なスピードで脱ぎ散らかした服を着直す。
どうにか見た目を整えると、優也は玄関のドアを開けた。夏の日差しの中に、茉莉が額に汗を浮かべて立っている。
「おかえり、茉莉ちゃん」
優也は顔をやや引きつらせて、家族を迎えるように言った。
視線は茉莉へ向けながら、意識は自分の下半身に集中している。穿き直したハーフパンツとトランクスの内側では、童貞を脱する寸前でおあずけをくらった男根が、今もやるかたないエネルギーを保持したまま、不満のうめきをあげている。自分でもどうにもならない肉欲のフラストレーションを、茉莉に気づかれはしないかと気が気ではない。
部屋に入った茉莉の背中を、優也はひやひやしながらながめていると、背後に立つ繭が耳もとでそっとささやいた。
「明日、つづきをしましょう。明日こそ、優也くんのはじめてが欲しいわ」
「はい! よろしくお願いします!」
優也は期待に小声を弾ませた。
「だから、明日のそのときまで、オナニーをしないでね」
繭のささやきは、さらに甘さを増量する。年上美女の声で、耳孔に『オナニー』という言葉を流しこまれて、トランクスの中でますますペニスが暴れまわった。
自分の分身の喚き声を無視して、優也はうなずいた。
「は、はい。約束します。オナニーは絶対にしません!」
第二章 家庭教師とねだる教え娘
優也は午前七時よりも前に、寝室の敷布団の上で目を覚ました。
目覚まし時計が鳴ったわけではない。そもそも夏休みに、目覚ましなどセットしない。ただもう気分が昂っているのだ。ちょっと動いただけで、盛大に朝勃ちしていると実感する。
トランクスの中に左手を突っこみ、中をまさぐって、優也は安堵の息を吐いた。
「よかった。夢精してない。かなりやばい夢を見ちゃったからなあ」
左手だけで布団をしまうと、歯と顔を洗い、ライトグリーンのランニングシャツと黒いカーキ色のハーフパンツを着て、朝食の用意をはじめた。
タイマーをセットした炊飯器で、米は炊きあがっている。おかずは冷蔵庫から出して、レンジで温め、テーブルに並べるだけ。すべて昨夜のうちに繭と茉莉が用意しておいてくれたものだ。
母娘に感謝して朝食を食べると、碗と皿を洗った。
いつもの夏休みなら、どこかへ出かけるところだが、今日は人生最大の重大事が待っている。脳内の思考が、自然と口から言葉になってだだ洩れした。
「昨日のつづきをするんだ。今日こそ、繭さんとひとつになって、童貞とおさらばしてやるぞ!」
繭は午前十一時に、昼食を作りにやってくる。昨日聞いた話では、茉莉は用事があり、うちに来るのは繭だけだ。
「そうなったら、昼飯なんか食ってる場合じゃないな」
昨日の繭の全裸の記憶が、頭の中に充満して、勃起が納まろうとしなかった。
ついに時計が午前十一時を示し、一分の遅れもなくインターホンのチャイムが鳴った。優也は声を聞くまでもなく、玄関のドアを勢いよく開ける。
「あれ!?」
目の前に立っているのは、茉莉だ。