家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

「ごめん。ぼくには茉莉ちゃんと繭さんのどちらがきれいかなんて、言えないよ。二人とも、本当にすばらしいから」

見上げる茉莉の唇が微笑み、身体を起こした。

「先生のそういうところが好きです。だから、先生の童貞をください。かわりに、わたしの処女をプレゼントします」

(あっ、そうか!)

今さらながら、優也は思い至った。茉莉を相手にして童貞を卒業するということは、茉莉の処女を奪うということだ。ついつい質問してしまった。

「本当に、ぼくがはじめての相手でいいの?」

「今さら、そんなことを聞くんですか!」

とろんと下がっていた眉が、しゅっと跳ね上がる。数学を教えているときでも、優也が考えもなしに時事問題にいいかげんなことを言うと、たちまち鋭く咎める表情になる。

「その顔。茉莉ちゃんらしくていいよ」

「あの、先生はどういう体位がいいですか?」

「そんなことまで、高校のガールズトークで話してるの!?」

「だって先生は右手が使えないから、正常位が難しそうでしょう」

「でも、茉莉ちゃんははじめてだから、普通の体位のほうがいいだろう」

茉莉がクスクスと笑いかける。

「この状況で、今さら普通だなんて言うほうが変です」

「うーん、そうか。それなら、後ろからしていいかな」

「はい、先生」

茉莉は快活に答えた。とはいえ内心はまたザワザワと浮き立っている。『今さら普通だなんて』と言ったのも強がりだ。

(今は、なにをしても恥ずかしい)

(先生にどんなことでもしたい)

という矛盾した思いが、発育のよい裸体のなかで複雑にからみ合っている。

わずかなためらいの後に、茉莉は四つん這いになり、優也へ尻を向ける。若さが張りつめる尻たぶのまろやかな表面と、尻の谷間の深い奥底に視線を感じた。それだけで、尻だけでなく、全身が熱したキャンディのごとく溶けていく思いがする。

羞恥と歓喜が溶け合い、混じり合って、結局はパイズリや女性器を舐められたときと同じ思いになった。

(先生にエッチなことをするのは、なんでも気持ちいい!)

教え子から四つん這いの尻を見せつけられた優也も、新たな感動に打たれていた。

きわどいグラビアではよく見るポーズだが、実際に目の前にすると、予想以上の迫力だ。服を着ているとスマートに見える茉莉だが、差し出されたヒップはたっぷりと量感をたたえている。

「すごいよ、茉莉ちゃんのお尻」

言葉とともに、左手を左の尻たぶに置いた。みすみずしい肉に、指を食いこませる。

茉莉が声をこぼした。

「ああ、先生……」

見下ろせば、尻の谷間の奥に小さな蕾がある。

(見えた! 茉莉ちゃんの肛門が見える!)

ひそやかにすぼまる肛門の下には、愛らしい十六歳の花が咲く。

優也は手のひらで尻の曲面を何度もなでまわしてから、左手で勃起ペニスをつかんだ。亀頭の向きを調整して、処女孔に狙いをつける。ついに女の中に突入するかと思うと、期待で亀頭がズキズキしてはち切れそうだ。

「茉莉ちゃん、行くよ!」

声をかけ、腰を突き出そうとする寸前。

居間とキッチンを仕切る引き戸が勢いよく開き、壁にぶつかる音が轟く。

水色のワンピースを着た繭が、ドカドカと居間に入ってきて、優也がはじめて聞く怒声をまき散らした。

「優也くん! 茉莉! なにをしているのよっ!」

「うわあああっ!」

「きゃあああっ!」

二つの全裸の身体が、居間の天井近くまで跳び上がった。

第三章 家庭教師と熟女と処女

「二人とも、そこに座りなさい」

繭が引き戸を背にして、居間の入口で仁王立ちしている。

繭の前には、優也と茉莉が正座している。

「もう、座ってます」

つぶやく優也は、全裸の腰に脱いだランニングを乗せて、申し訳なさそうに股間を隠している。

右どなりに並ぶ茉莉も、下着をつけない裸身に直接ブラウスとスカートを着ていた。突然の繭の出現で、あわてて服をかき集めた結果の格好だ。

「母さん、どうしてもどってきたの? 仕事は?」

「出版差し止めになる大ごとだと聞いて、編集部に飛んでいったけれど、関係者の勘違いだとわかって、帰ってこられたのよ。ああ、もう、そんなことはどうでもいいわ! 優也くん、わたしがいない間に、娘に手を出すなんて、信じられない!」

優也が口を開く前に、茉莉のけわしい声が母親へ向かって挑んだ。

「手を出したのは、わたしのほうよ!」

優也は、茉莉の反論は嘘だと決めつけられると思った。普通の母親なら、十六歳の娘が、年上の男を誘惑するとは考えないだろう。そして娘にそう言わせた優也に、烈火のごとき怒りの矢が飛んでくる。

なにより優也自身も、この責任は自分にあると考えている。

(甘んじて、繭さんの怒りを受け止めよう)

そう決意して繭の顔を見ると、意外な表情が現れた。

怒り、ではない。衝撃を受けた顔。予想はしていたが、現実にならなければいいと願っていたものが、目の前に突きつけられたようなショック。

「茉莉が、優也くんを好きなのは知っているわ。でも、茉莉はまだ十六歳なのよ」

「母さんこそ、わたしが先生を好きだと知っていて、昨日、先生を誘惑したじゃない。ひどいわ!」

娘の言葉に、母親は肩を落とし、自分も畳に正座した。

「見ていたのね」

「見てたわ! どうして、誘惑したのよ!?」