家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

繭の言葉に、優也は内心で首をかしげる。

(それは褒め言葉なんだろうか)

坂田早紀は長いストレートの黒髪が輝かしい美熟女だ。

いたずらっ子じみた口調とは対照的に、名家のお嬢様がそのまま大人になったような気品のある美貌。派手な黒いスーツよりも、楚々とした和服を着て、和室で生け花をしているのが似合う空気をまとっている。

体形が出ないスーツの上からでも、バストは上品とは言い難い大きなサイズだ。

胸を揺らして、早紀はとなりに立つ赤いスーツの美女を紹介する。

「仁志乃先生も、彼女に会うのははじめてよね。わたしが今、つきあっているあささんよ」

優也よりも繭のほうが驚いて、聞き返した。

「ちょっと待って。坂田先生は男性の恋人がいたはずでは」

「彼とは三か月前に別れたわ。わたしがバイセクシャルだと、仁志乃先生はご存じなかったのね」

奈緒美が頭を下げる。

「はじめまして。麻木です」

それだけを告げた奈緒美は、栗色の短髪。聡明で意志が強そうな美貌は、大会社の社長秘書という雰囲気。まさにできる女という印象だ。

名前以外の自己紹介をしないので、優也も繭も、雰囲気が全然違う早紀と奈緒美の出会いを想像できなかった。

ただ二人には、唯一の共通点がある。奈緒美もまた、真紅のスーツの上からでもわかる立派なバストの持ち主だ。

(部屋に巨乳で美人の熟女が三人も集まってる!)

ついつい感動する優也の肩に、繭が両手を置いた。

「藤倉優也くんです。坂田先生にお話しした、わたしの恋人です」

紹介された男子大学生を、早紀はじっとにらむ。

「十年ぶりに恋をしていると思ったら、そんなに若い男の子だなんて、なにそれ。犯罪じゃないの。仁志乃先生の本当の年齢を、優也くんはちゃんと聞いてる? 大きな娘もいるのよ?」

「聞いてます。安心してください。ぼくは繭さんの娘の家庭教師だから、家族のこともよく知ってます」

「ひえー、娘の家庭教師に手を出したの! 仁志乃先生に十年も思いつづけていた旦那さんを忘れさせるなんて、優也くんはすごい男の子なのね」

「違います。繭さんは、健治さんを忘れていません」

「あら?」

「ぼくは健治さんと会ったことがないけど、繭さんと健治さんの関係をたいせつにしたいと思ってます。健治さんとの思い出をふくめて、繭さんが好きなんです」

早紀と奈緒美は目を丸くして、優也を凝視する。そして同時に叫んだ。

「かっこいいっ!」

「男前ですっ!」

優也の両腕に、二人がしがみついた。黒と赤の巨乳がパジャマの袖に押しつけられて、柔らかくたわむ。左右の頬に、息もぴったりにキスをされた。

「うわっ、なにをするんですか!?」

右の腕に抱きつく早紀が、あでやかに笑う。あきらかに妖しい欲望を浮かべているが、もって生まれたらしい気品は消えない。

「優也くん、わたしたちとセックスしましょう」

左腕にしがみつく奈緒美が、優也の下半身に手を伸ばす。

「優也くんのたくましいモノを、奈緒美にちょうだいな」

優也はあわてて両腕をふりほどき、繭の背後へ移動した。

「な、なにを言ってるんですか! ぼくは繭さんと来てるんです。他の女の人とできるわけがない!」

早紀が意外そうな顔になる。

「ホテル新月はスワッピングや乱交を楽しむための場所なのよ。もちろん、お互いの同意が必要だけど、優也くんは一度に二人の女とできるのよ。仁志乃先生も入れたら、同時に三人とできるわ」

早紀の両手が、奈緒美と繭を指し示し、それからスーツの上から自分の胸をねっとりとなでさすった。

「自分の目の前に、わたしたち三人が並んで裸になって、女性器やお尻を広げているところを想像してみて。優也くんが同意すれば、それが現実のものになるのよ!」

優也は首を左右に振った。

「同意しません。ぼくは繭さん以外の人としたくない。繭さんが他の人とするのもいやだ。二人で勝手にしてください」

「すがすがしい断言ぶり。ますますかっこいいわ! 仁志乃先生、すばらしい恋人を見つけたのね。うらやましいわ」

そう言いながら、早紀は黒いスーツの黒いボタンをはずしはじめる。

奈緒美も赤いスーツの赤いボタンをはずしていく。

たちまち黒と赤のスーツが床に落ちて、ともに白いブラウスの胸の隆起が現れる。

「二人とも、なにしてるんですか。ぼくは繭さん以外の人とはしないと」

「ええ、わたしも奈緒美も、優也くんと仁志乃先生には触れないわ。わたしたちが勝手に楽しむところを、優也くんに見て欲しいだけ」

いそいそと脱いでいく早紀と奈緒美を、優也は止められなかった。勝手にしろ、と言ったからではなく、二人の堂々とした態度に気圧されている。それ以上に、早紀と奈緒美の肉体を見てみたい、という男の本能に逆らえない。

ブラウスを脱ぎ去り、スカートを落とすと、強烈な光景が優也の目の前に出現した。

繭が先に口を開いた。

「まあ、すごいわ」

数秒遅れて、優也もおなじ言葉を唇に上らせる。

「……すごい」

スーツとスカートの中は、下着ではなく、水着。

しかし、とても水着として用をなさない、極小のマイクロビキニだ。

早紀のビキニは、つやつやした黒いビニール製。

奈緒美の水着は、キラキラする真紅のビニール製。

二人とも確実にFカップはある満々とした白い乳房の先端で、乳輪周辺だけしか隠せない二つの三角形を、細いストラップでつなげたデザインだ。