家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

「本当だ。ブラジャーをしてない! 繭さん、ノーブラノーパンで外の廊下を歩いてきたんですか!」

優也の叫びに、繭は得意げに豊乳を揺らす。

「うちの部屋のドアから優也くんのドアまで、ほんの数歩よ。誰かに会っても気づかれないわ」

「それはそうだけど、うんっ!」

いきなり優也の唇がふさがれ、言葉を奪われる。繭が見事な俊敏さで抱きついてきて、キスをした。

優也は驚いたが、すぐにキスを受け入れ、舌を繭の口の中へ差し入れた。繭の舌が迎えて、二枚が舐め合う。

二人の腕が相手の背中にまわり、互いの肩甲骨や背骨をまさぐる。

優也が二日ぶりに味わう繭の舌は、記憶以上に汁気がたっぷりだ。優也の五感が甘いと認識する唾液が、とろとろとあふれて喉を潤してくれる。

同じ感覚を、繭も感じていた。昨日は娘にゆずってがまんした年下の男の舌が、おいしくてたまらない。

(あああ、優也くんのキス、たまらなくすてき! このキスを失いたくない。失ったら、身体も心も干からびて、わたしは死んでしまうわ)

キスを貪る繭の視線が、母親と優也を見つめる茉莉の視線とぶつかった。娘の瞳に伝えるように、繭は強く決意する。

(相手が娘でも、絶対に優也くんを失うのはいや!)

「んん、んふ」

「はんん、うん」

重なり合う繭と優也の甘い息づかいが、すぐそばで見つめる茉莉の鼓膜をビリビリと震わせる。あらためて見る母親のディープキスは、どう表現すればいいのかわからない感情を呼び起こす。

(わたしがこれを見てて、いいものなの?)

脳裏に何度も疑問が浮かぶが、目をそらせない。母親がうっとりとして、舌を先生とからませる姿を見つめつづけてしまう。

さらに母親は動いた。優也の背中にあった両手が、ランニングシャツの表面に沿って下へ移動して、ハーフパンツの中に潜りこむ。

「ふあっ」

優也が声をあげる。トランクスの中で、ペニスを握られた。やわらかい十本の指に、すでに勃起をはじめた亀頭をなでさすられる。

「繭さん、気持ちいいです」

快感に顔を染めて、優也は左手を繭の胸にまわした。ワンピースのボタンを上からはずしていく。

へその上までボタンがはずされて、レモンイエローの布が左右にはだけられた。中からノーブラの胸があふれ出る。

「大きい!」

と、声に出したのは、目の前の優也ではなく、横から見つめる茉莉のほうだ。

昨日、母親の全裸をたっぷりと見たはずなのに、恋する男のすぐ前にある乳房のボリュームに驚かされる。自分の胸が成長しても、あらためて大きさも、形の美しさも、母にはかなわないと感じる。

(わたしにあるのは、若さだけかもしれない)

そう思ってしまうと、ますます母親の艶めかしい姿態から目を離せなくなる。

娘に見つめられる前で、繭は重なる唇の隙間から、くぐもった喘ぎをこぼした。

「ふっ! んんんん、あふ」

ディープキスをつづける優也の左手が、露出した豊満乳房を揉みはじめる。密着する唇とからみ合う舌の下で、Gカップの片方が柔軟に形を変える。

「んむう、くっ、ふんんん」

揉まれる右乳房の先端では、すでに勃起した肉筒が、優也の指の動きに乗って上下左右に首を振っている。

まだ触られていない左乳房でも、乳首が高くそそり勃って、愛撫を待ちわびていた。

踊る巨乳のさらに下では、優也のハーフパンツの前面の布が妖しく蠢いている。パンツの中で、繭の両手が熱心に働いているのがよくわかる動きだ。

優也の左手が乳房の表面を滑り上がり、右乳首をつまむ。

「あふんっ!」

繭の首が背後にのけぞり、ディープキスがほどけた。離れた唇の奥から、歓喜の声が噴き上がる。

「そこっ、いいわっ!」

繭の嬌声に押されて、優也は乳首を強くしごきたてる。

「繭さん、もう乳首がカチカチになってます!」

「優也くんの指、気持ちいい! 乳首、いいの!」

よがりながら、繭もパンツの中の手の動きを激しくしていく。優也の顔が蕩けて、尻が躍った。

繭は顔を前へもどして、潤む瞳で若い男の顔を見つめる。

「お願いよ、優也くん、下のほうもいじって!」

優也は、繭の視線が自分の言葉責めを求めている気がして、わかりきっている質問を、目の前の甘く上気した美貌へぶつけた。

「下のほうって、繭さんのどこなんですか?」

繭が返答する前に、茉莉が黄色い声を放った。

「先生!? 母さんに、そんなことを聞くの!」

娘の抗議の声を聞きながら、繭は明言した。娘に聞かせるために。

「オマ○コよ。繭のオマ○コをいじって!」

母の口から出た単語に、茉莉は全身が痺れる衝撃を受けた。言葉が出ず、胸の内側でくりかえす。

(母さんが、あんな言葉を平気で口にするなんて、信じられない)

茉莉は、母親を品行方正な人間だと主張するつもりはない。

読者から『西の魔女』とあだ名される繭が書く小説は、恐ろしいことがよく起こる幻想小説だ。書評やネット通販で、ホラー小説とカテゴリーされることも多い。もっともイギリス文学のアマチュア研究家である繭本人は、ホラーではなく、怪奇小説やゴーストストーリーという呼び方を好んでいる。

とにかくやたらと人が死ぬ、それも凄惨に死ぬ話を書いているが、文章はいたって上品だ。間違っても登場人物が卑語を叫ぶような描写は、一冊たりとも出てこない。