家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

「母さんのこんな顔を見るのは、はじめて。父さんが生きていたころは、父さんに抱かれて、こんなに満ち足りた顔をしていたのね。母さんはライバルなのに、うれしくなっちゃいました」

眠れる母親を貫いたままの優也へ、茉莉は頭を下げた。

「先生、ありがとうございます」

「えっ、ええ、いやいや、そんなごていねいに」

「今日は、わたしは帰ります。明日まで、母さんをよろしくお願いします」

また礼をして、茉莉は寝室を出ていった。

「ちょっと、茉莉ちゃん!」

眠る繭の身体を乗せているので、優也は移動することもできない。部屋の奥を向いている優也の視界からはずれて、茉莉の姿が消えた。背後からドアを開けて閉める音が聞こえて、静かになる。

耳に入るのは、肩に乗せた繭の顔の寝息だけ。

「えーと、どうすればいいんだろう……」

しばし考えたのちに、左手だけを使って、繭の両脚をそろそろと自分の胴体からほどいた。繭が目を覚まさないように気をつけて、密着する下半身を離す。

今もしっかりとペニスを咥える膣内から、亀頭が抜けた。

「本当は、繭さんに入れたままいっしょに寝たかったけど、ギプスのままじゃ無理だもんなあ」

全裸の繭を畳に横たわらせ、優也はかたわらに座る。

「繭さん、起きたら、もっといろんなことをしよう」

眠れる繭の手を握った。

上体を起こすなり、繭は叫んだ。

「ええっ! 寝ちゃった!」

優也は目の前で揺れる巨乳をながめて答える。

「ほんの一時間くらい」

「信じられない! 健治さんとのときには、先に眠るなんてなかったわ。あああ、もう年なのね」

肩を落とす繭の手を取って、優也は立ち上がった。

「とりあえず、一度、身体を洗いましょう」

浴室に入ると、優也は昨日の茉莉にしたように、左手でシャワーヘッドをつかんで、繭の身体から汗を洗い落とした。

繭もシャワーヘッドを受け取り、優也の下半身をきれいにして、濡れタオルで胸を拭く。

シャワーの湯を止めると、繭は優也の前で、ユニットバスのクリーム色の床に両膝をついた。

「どうしたんですか?」

優也の問いに、繭は動作で応える。両手を背後の床について、身体を支えると、両脚を大きく開いた。ほとんど百八十度の大開脚。運動が得意な雰囲気のない繭が、これほどの柔軟さを発揮するのは驚きだ。

つま先立ちになった両脚の踵に、裸の尻が乗る。グラビアでいうM字開脚ではなく、相撲のそんきょの姿勢に近いが、両手を背後の床につけて、上体を後ろに傾けているので、股間を前へ突き出すポーズになった。

一時間ほど前に、若い男根を深々と呑みこんでいた女性器は、今はぴったりと閉じている。

「優也くんの足の指で、わたしのココを」

器用に腰をしゃくり上げて、恥丘を上下に動かす。秘唇もわずかに開閉したように見えた。

「オマ○コをかわいがって」

「足の指なんて! そんなことは、ぼくは」

優也の困惑の顔を、繭が見上げて微笑む。

「誤解をしないでね。これはSMとか、性的な虐待とか、そういう意味ではないのよ。優也くんの身体のすべてで、わたしを愛撫して欲しいの。優也くんの身体のすべてを、わたしは感じたいのよ」

「健治さんとも、こういうことをしたんですか?」

「もちろんよ。わたしがセックスで知っていることは、すべて健治さんから教えられたわ。健治さんが亡くなって、このポーズをするのも十年ぶりだから、ちょっときついけれどね」

亡き夫の名前を口にすると同時に、また繭の股間が揺らめいた。優也へ向けて突き出す恥丘が、物欲しげにくねる。今度は優也に見せるためではなく、過去の幸福な記憶を再生しているようだ。

「わたしは、健治さんにすっかり調教されたわ。ただ健治さんは、わたしにセックスの高度なテクニックを教えたりしなかった。ただ敏感で悦びに貪欲になるように教えられたわ。だから」

あられもなさすぎる強烈なポーズを見せつけながら、恥じらう少女のように頬を赤らめた。顔だけ見れば、処女だと言われても信じられそうだ。

「さっきも優也くんに責められて感じるばかりで、なにもできなかったでしょう。本当にいい年をして、恥ずかしいったらないわ」

「でも、繭さんはフェラチオをしてくれました」

「口でおちんちんを舐めるのも、テクニックではなくて、ただわたしが優也くんのすてきなモノを味わいたかっただけよ。だから、お願い、優也くんの足で気持ちよくして欲しいの」

優也は視線を縦に動かして、繭のおねだりの顔と、差し出された恥丘、そして自分の足の指を見つめた。幸いにも指の爪は、昨夜のうちに茉莉が短く切ってくれた。汚れもついていない。

「わかりました。やります! やらせてください!」

優也は右足を上げて、そろそろと親指の先端を恥丘へ近づけた。繭も疑似蹲踞の姿勢のまま器用に手足を動かして、自分から股間を近づける。

無意識に反りかえらせていた親指の腹が、閉じた縦の溝に当たった。

くちゅり、とかわいい音色を鳴らして、親指が肉唇を押し開き、内側へ潜りこんだ。

「ああっ」

ユニットバスの湿った狭い空間に、甘い声が反響する。

優也の装飾のない率直な言葉が、反響に加わる。

「気持ちいい!」

さすがにペニスのように膣の中に入ったりしないが、肉襞が左右から包みこんでくる。鋭敏な亀頭に比べれば、足の親指の感覚は鈍いが、女性器に触れるのは心地よい。