家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

茉莉は母親へ向かって身を乗り出し、畳の上をにじり寄っていく。

娘の接近を迎え撃つかのごとく、繭も正座のまま滑るように前へ移動する。

「優也くんを好きだからよ。優也くんを好きでたまらなくなったから。そもそも、わたしが最初に優也くんに会ったのよ」

「なにそれ! 自分が先に先生に会ったなんて、母さんは子供? 小学生? そんなこと、意味ないわ」

「健治さんが亡くなって、十年も機会がなかったのよ」

「わたしは一度もないわ。今が生まれてはじめての体験なんだから!」

母娘は声を高くしながら、互いに接近していく。

「茉莉ちゃんは若いから、これからいくらでも素敵な人が現れるわ」

「母さんが新しい恋人を見つけることには、わたしも賛成よ。でも先生だけは、絶対にダメ!」

互いに威嚇するように、茉莉と繭は正面からにらみ合う。どちらも視線をはずしたら負けだと言わんばかりに、相手の瞳をじっと見据えている。

優也も目をそらせなかった。自分が気を抜けば、母と娘が取っ組み合いをはじめるのではないか、と心配になる。

「あ、あの、茉莉ちゃん、繭さん、ここは冷静に」

優也の声に、大きなため息が重なった。

「はああ……」

身を乗り出して娘をにらんでいた眉が、顔から力を抜く。

「……これは、我が家の呪いかしら」

「えっ?」

いきなり対抗する力をはずされて、茉莉も力を失う。

「呪いって、どういうこと?」

「もう、こうなったら言っちゃうけど、健治さんをめぐって、わたしとわたしの母も争ったのよ」

お祖母ちゃんが!」

その名前は、優也も知っていた。アルバムで顔も見た。茉莉が生まれたときの写真に映る万紗子は、まだ四十代で、美熟女と呼ぶにふさわしかった。

「あのときも、健治さんと最初に会ったのはわたしだったわ。当時、母は未亡人になっていて、わたしを訪ねてくる健治さんに、喜々として手を出してきた。優也くんと違って、健治さんは年上の女のあつかいにも慣れていたけれどね」

繭の瞳が遠くのどこかを見る。唇の端が少し上がっているのは、笑っているのか、怒っているのか、茉莉と優也にもわからない。

「わたしも、母も、健治さんを本気で愛したわ。いろいろあって、わたしが健治さんと結婚したのよ」

繭はにっこりと笑って、優也と茉莉の顔をながめる。

「同じことを、今度は娘とくりかえすなんて、ああ、信じられない」

「信じられないのは、わたしのほうよ! 今になって、そんなことを聞かされて、どうすればいいの」

茉莉は困惑の叫びをあげた後で、一転して不敵な笑みを母親へ向けた。

「でも、これではっきりした。因果はめぐるのよ。今度は、娘であるわたしの番ね」

「そんなの関係なあい!」

繭の叫びが、思わず少し前に流行した芸人のギャグのリズムになってしまう。

「デジャヴに囚われて、つい話しちゃったけれど、昔のことは関係ないわ。あのころの母は恋人がいっぱいいたけれど、わたしには優也くんだけなのよ」

「ますますお祖母ちゃんのイメージが壊れることを聞かされても困るわ。わたしだって、先生しかいないんだから」

タイミングを計ったかのように、にらみ合う母と娘がそろって顔を優也へ向けた。

まばゆいほどの視線を浴びせられて、優也は頬が引きつるのを感じる。

「優也くん、わたしと童貞を卒業したいわよね」

「先生、わたしといっしょに大人になってください」

「あ、あの」

優也がなにかを言おうとするが、何倍もの言葉の洪水が母娘から押し寄せてくる。繭も、茉莉も、懸命に自己主張するが、優也はどちらかにうなずくことはできない。

無言になった優也に痺れをきらして、繭が立ち上がった。両手を背後にまわしたかと思うと、マジックショーの早変わりかと見紛うスピードで、ワンピースだけてなく、ブラジャーとショーツも脱ぎ捨てる。

瞬きする間もなく、優也の前に全裸の美熟女が立つ。

茉莉も眉をキリッと吊り上げ、弾けるように立ち上がる。母親の後を追って、素肌に着直したブラウスとスカートを、剥ぎ取るように脱いだ。

全裸熟女の左に、全裸の女子高生が立つ。

「うわ……」

優也の感歎の声は、途中でかすれて消える。

抱きしめ、キスをして、巨乳を堪能し、女性器を味わった二つの女体が、目の前に並んでいる。

重々しいGカップが迫力の、完熟の艶めかしい肉体。

みずみずしいFカップが輝かしい、溌剌とした美しい身体。

年齢や体形の差はあるが、魅力に差はない。

ついさっき絶頂を迎えたばかりの茉莉の乳首は、左右ともに著しく屹立して、ピンクの色を濃くしている。

繭の乳首も、今日はまだ一度も優也が触れていないのにもかかわらず、娘に対抗して激しくしこり勃った。

二人がならんだおかげで、バストサイズだけでなく、桃色の勃起肉筒の高さと太さも、繭のほうがわずかに勝っていると、優也にも見て取れた。

母と娘は恋する男に自分の肉体を見せつけると、またもタイミングぴったりにしゃがむ。四つの豊かな乳房が、盛大に上下に踊る。

膝を畳について、両手を伸ばした。優也の腰に乗せたランニングシャツが二人に取り払われ、裸の股間が露出する。

こんな事態になっても、挿入寸前で止められたペニスは、硬く、高く、そそり勃っていた。欲望を吐き出したくてズキズキと疼く肉幹と亀頭に、左右から四本の手の二十本の指が、隙間なくからみつく。