家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

なにより考えもしなかった足先で愛撫をするという行為が、不思議な興奮をかきたてる。

「繭さんも気持ちいいですか?」

「あんんっ、気持ちいいわ。ありがとう、優也くん」

親指を上下に動かすと、左右から挟みこむ濡れ襞の狭間を、ぬるぬると移動する。優也も気持ちいいが、繭の反応はもっと鮮烈だ。

「あうっ、んん、すてきよ、優也くん!」

繭の上体が背中に強く反りかえり、左右の豊満乳房が小刻みに弾む。今にも後ろに倒れるか、尻もちをつきそうに見えるのに、尻は左右の踵に乗ったまま。

またまた予想外の身体能力を発揮しながら、繭は熱い懇願の声を浴室にゆらゆらと響かせる。

「そのまま、指をもっと上に向けて!」

繭がなにを求めているのか、優也にもすぐにわかった。

(クリトリスだ。繭さんはクリトリスをいじってもらいたがってる!)

直感にしたがって、右足の角度を変え、親指をもたげる。ぬめる女肉をまさぐる指先に、他とは異なる硬さの粒が当たった。

「ひゃん」

と、繭が子犬のように鳴き、豊乳を震わせる。

(クリトリスに触った!)

わかっていても、優也は繭本人の口から聞きたくて、親指を慎重に動かし、肉粒をていねいにこすりながら問いただす。

「繭さん、どうしたんですか?」

「あっ、ああっ!」

熟女の美貌が引きつっては蕩ける。優也の親指に刺激される小さな真珠から発する電流に、何度も感電しているようだ。

「クっ、クリトリスを、ゆ、優也さんの指でこすられてるの! あっ、あおお、たまらない!」

「このまま、ぼくの親指でイキたいですか?」

ほとんど無意識に口から出た言葉に、優也は仰天した。

(うわ、すごくエッチなことを言ってる気がする!?)

優也本人が自分らしくないと感じる言葉を、繭は全身で受け止めて、コクコクとうなずいた。美貌に、艶然として柔和な笑みが現れる。

「イキたい。あああ、イキたいの。優也くんの足の指で、繭のオマ○コをイカせてください」

繭の言葉が、優也の全身を熱く燃え上がらせる。気がつけば、男根は腹筋にくっつくほどそそり勃ち、亀頭が赤く燃え盛っている。

今すぐペニスを愛撫してほしい、という欲望が湧き起こった。同時に、自分の足で繭が果てるさまをじっくりと見たいという欲望も強くなる。童貞のときならば、自分の快楽を優先したはずだ。繭との交わりを体験した今は、優先順位が変わっていた。

(繭さんのエッチな姿をもっと見たい!)

足の先に、いっそうの力をこめる。同時に女の繊細な部分を傷つけないように、慎重にコントロールする。

(うわ、足がつりそう!)

心配になるが、今さら欲望に駆られる身体を止められない。くちゅくちゅ、と淫猥な音色を奏でて、クリトリスを刺激しつづける。

「あっ、あっはあ! 優也くん、いいっ! 優也くんの足の指、んんう、すごく気持ちいいのうっ!」

繭は顔を左右に振りたくり、手足の指で濡れた床をこすりたてて、キュッキュッと何度も音をたてる。

「いいっ! 気持ちいいっ!」

同じ言葉をくりかえして、自ら股間を前へ突き出し、最も感じる部分を親指に押しつけた。

優也は思わず右足を引く。繭はさらに前へ進み出て、親指を求める。

「ちょっと、繭さん、前へ出すぎです」

反射的に左足だけで背後へ移動しようとして、優也の足が滑った。

「うわっ!」

その場で尻もちをついた優也の右足が跳ね上がり、繭のクリトリスだけでなく軽く腹を蹴り上げてしまう。

「きゃおうぅぅっ!」

悲鳴と歓声が混じった大声をあげて、繭の蹲踞のポーズが崩れた。絶頂のスイッチが入った尻を床に落とす。ぶつかった衝撃が、快感を倍増する。

「おっ、おおおん、イク」

繭はエクスタシーの波に痺れて、裸体をわななかせる。

熟女の全裸身からあふれる淫らな空気を浴びて、優也は爆発的に叫んだ。

「繭さんっ! ぼくのを触ってくださいっ! もうがまんできないっ!」

「はい、優也さん」

イントネーションが変化する。また亡夫の名前と同じ抑揚で呼ばれることが、優也はうれしかった。

繭は絶頂に蕩けた顔で四つん這いになり、優也の股間に顔を差し入れた。両腕を男の尻にまわして抱えこみ、口に亀頭を含む。

舌に触れる若々しい亀頭の味と、鼻腔に満ちる亀頭の匂いに、熟した裸身がピリピリと疼いた。

「たまらない!」

優也は喘ぎながら、射精までごくわずかの時間しかないことを予感した。

繭が運転する白いワゴン車が道路をはずれて、駐車場に停まった。

最近流行りの立派な店舗が並んだサービスエリアではなく、山の斜面に沿って走る道路にくっついた駐車場と展望スペースだ。ただガードレールにかこまれて舗装された狭い土地があるだけ。

ワゴン車の助手席から降りた優也は、展望スペースから広がる光景に目を見張った。遠くの地平線に沈みかけた夕日に照らされて、山裾に繁茂する様々な植物が、優也が知る言葉では表せない複雑で精妙な色のグラデーションを生み出している。

遠くに見える知らない街のたくさんの人工物も、鮮やかな夕日に染まり、手前の自然と一体に感じる。

浴室を出てから、繭にドライブに誘われた。

繭は取材の道具を運ぶために、ワゴンを愛用している。マンションの駐車場を発車してから、さほど時間はたっていないのに、これほどの山奥に来られるとは思わなかった。故郷から今のマンションが建つ町に引っ越して、一年あまりになる。それでも、まだまだ知らないことがたくさんある、と感心させられた。