家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

「きゃうううんっ!」

「おわあっ、この感触!」

優也の身体の背面に、土が押しつけられる。ついさっき土に寝転がったときとは、また肌触りが違う。もっと土とひとつになれる不思議な心持ちだ。地面から得たエネルギーが全身に行き渡り、勃起をより強靭にした。

優也の変化を、茉莉が敏感に吸収して、土のついた尻をくねらせる。

「先生のが、あああっ、熱くなってます! はっんん、わたしも燃えちゃう!」

優也は両手で尻をつかみ、大きくゆさぶる。右手がギプスだったときにはできない大技だ。

茉莉は腹の中をかき乱されて、甘い愉悦の渦が体内に起こる。

「あ、あふっ」

快楽に痺れる茉莉の腰から、力が抜けた。上半身を支えられず、胴体が前に倒れる。

優也の胸板と茉莉の巨乳がぶつかり、柔肉が強くひしゃげた。勃起乳首が曲がり、熱い火花が咲く。

「おおうっ!」

「はううっ!」

一度声をあげて、二人は間近に顔を見合わせる。なにも言葉を交わさないまま、唇を寄せ合い、舌をからめ合った。キスをつづけながら、優也は再び両手で茉莉の尻を動かす。

二人は互いに裸身を揺らし、相手と自分に快感を送りつづけて、次第に昇りつめていく。

「先生、ずっとこのままでいたいです」

「ぼくも。でも」

限界は迫っていた。優也は自分の最後のスイッチが入るのを感じ取り、素直に告げる。

「出すよ」

待たされつづけていた精巣が、放出を開始する。

「うっ、んんんっ!」

女肉に包まれた尿道を、熱い悦びが走り抜ける。女体の奥で亀頭がわななき、白い力を噴出した。優也の上で、茉莉の全身が大きく震える。

「あっおおうんっ!」

茉莉はひと声あげると、頭で意識するよりも早く、自分からまた優也の唇を求めた。キスをする間に、射精される快感が体内でふくらみ、絶頂の爆発となる。唇を愛する男に押しつけて、エクスタシーに燃える吐息を、相手の口内へ送りこんでいた。

(イクッ!)

吐息とともに、声にならない叫びを送る。

(イクうっ! イクイクイクイッちゃうううっ!!)

続々と体内から生まれる絶頂の言葉を、優也へ流しこむ。

優也は限界まで、茉莉の息を呑んだ。もう窒息すると思って、顔を横へずらして、新鮮な草いきれ混じりの空気を吸う。

「ふわああああ」

「はふうううう」

自分からキスをしていた茉莉も、大きく呼吸をして、自分の頬を優也の頬に触れさせる。

キスは終わったが、二人の性器はまだつながったまま。膣が埋まった充実感を、こうしてずっと味わっていたい。

「先生、このまま」

「茉莉ちゃん、このまま」

「ブラボーッ!」

若い男女の甘い睦言を、家の中に轟く大音声がかき消した。

「げえっ!?」

「ひいっ!?」

はじめて聞く大声に心臓をわしづかみにされ、あわてて立ち上がろうとジタバタする二人の斜め後ろの藪の中から、人影がすっくと立ち上がり、歩み寄ってくる。

見たこともない中年の美女。

きついウェーブのかかった長い髪は真っ黒だが、日本人ではない。顔は彫りの深い白人。ラフなシャツの胸は、盛大に盛り上がって、深い谷間を見せつけてくる。イタリア映画の迫力あるベテラン女優という雰囲気だ。

「すばらしいデス! ワタシの夢がかないました!」

茉莉はまだつながったまま叫ぶ。

「アリダ・サバチーニさん!」

「え、この家の作者!?」

唖然とする二人の前で、イタリアの女芸術家は見事な巨乳を派手に揺らして、両腕を広げ、抑揚のおかしい日本語をペラペラとしゃべる。

「この作品のテーマは生命力。そして繁殖デス。たくさんの植物と動物が、作品の中で受粉して、交尾してマス。つまりセックスデスッ!」

本場の発音のセックスが、家中に響き渡った。

「中で生物がセックスして繁殖することが、作品の真の完成デス。ワタシの希望では、作品の中で人間もセックスさせたかった。でも青葉里の町長サンに言ったら、ムチャクチャ叱られました。まことに残念デス」

作者が演説する間に、優也と茉莉は離れて、箪笥から出した自分の服をあたふたと着た。

「今夜、ワタシが作品の中でくつろいでいることに気づかないで、セックスする男女が現れました。すばらしいデス! 大感謝しマス! これで作品が完成に近づきました。あとは真の完成のために、あなたたちがここで出産してくれるだけデスッ!」

優也は首を横に振る。

「それは絶対に無理!」

となりの茉莉はうっとりした瞳で、イタリア美女を見つめる。

「サバチーニさんの作品になれるなんて、これほど光栄なことはありません! ぜひ、ここで産みたいです!」

「ええーっ!」

優也は目を丸くして、茉莉を見つめた。

身体中が土や草にまみれた優也と茉莉は、アリダが作品の裏に駐車していたワゴン車に乗せてもらった。

アリダが滞在する家に連れられ、バスルームを借りて、シャワーで身体の土を洗う。

優也は茉莉に湯をかけながら、反省の言葉を告げた。

「サバチーニさんがいなかったら、どうやって旅館に帰ればいいのか、わからなかったよ。本当に後先を考えないで、茉莉ちゃんに迷惑をかけるところだった。ごめんね」

茉莉はシャワーヘッドを受け取り、優也へ湯を向ける。

「わたしも作品の中ですることに賛成したから、先生は気にしないで。そのおかげで、わたし自身が尊敬するアーチストの作品の一部になれました」