家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

結果として、外から人に見られてしまう可能性が増えたが、茉莉も優也も気にする余裕はない。

光を浴びる乳房が、優也にはテレビで見た白磁の壺のように輝いて見える。茉莉の好きな現代芸術はわからないが、白磁のやきものの美しさには強く惹かれる。

美しい壺の形を指でこねあげて、自分で作り替えるイメージで、巨乳を揉みたてることに没頭した。揉めば揉むほどに、指に伝わる弾力が心地よくなっていく。どれだけ揉んでも揉みきれない。

「茉莉ちゃんのおっぱい、最高に最高だ!」

「うんっ、はああ、おっぱいと呼ばれるのは、恥ずかしいです」

「なにが恥ずかしいの?」

「語感が、なんだか、恥ずかしくて」

乳房の快楽に身悶えながら抗う茉莉の顔が、優也を悦ばせる。もっと恥ずかしがらせたいという欲望が盛り上がった。

「でも茉莉ちゃんの巨乳のぷりぷりした柔らかさは、おっぱいと呼ぶのがふさわしいよ。茉莉ちゃんも、もっとおっぱいと言ってみて」

「恥ずかしいです、あんんっ!」

乳房の根もと部分を強く握られて、乳肉が前に押し出された。ピンとそそり勃った乳首が、わなわなと震える。

パンパンに張りつめた乳肉の内側で、快感がグルグルと渦巻き、全身に放出される。コントロールできない喜悦に押し流される茉莉の耳に、優也の命令が響いた。

「おっぱいが気持ちいい、と言って」

「は、恥ずかしいです」

しかし乳悦に痺れる身体は、羞恥心も快楽に変換してしまう。もっと恥ずかしさを味わいたいという異常な欲望に支配された。

(先生が望んでいるんだから、言わなくちゃ)

自分自身をごまかすように、そう言い聞かせる。さらに別の本音もつづいた。

(言わないと、母さんに負けちゃう)

おずおずと言葉をつむぐ。

「お、おっぱいが気持ちいいです。先生に揉まれて、茉莉のおっぱいが気持ちいい!」

口にした途端に、さらに快感の勢いが跳ねあがった。その衝撃が、茉莉の声帯と舌を操る。

「茉莉のおっぱいが、あああっ、すごく気持ちいいですうっ!」

「茉莉ちゃん、声が大きすぎるよ」

なおもおっぱいと発しようとする茉莉の口を、優也がキスでふさいだ。

「んくうっ! むっうっんんんん!」

うめく茉莉の舌に、優也は舌を強くからませる。ディープキスで責めつつ、両手の指で二つの勃起乳首をしごきたてた。

二本の肉筒から、同時に鮮烈な電撃がほとばしる。

(イクっ! イックううううっっ!!)

周囲の人型が、高熱に煽られたようにいっせいに動いた。人型の向きが次々と変わり、茉莉と優也の身体の表面で光と影のまだら模様がうねうねと踊る。

喉からせり上がるエクスタシーの叫びが、外へ出る前に、優也の口にふさがれた。声という形でエルネギーを発散できないために、体内にこもった絶頂の快感がより大きな圧力となって、茉莉を翻弄する。

(イクイクイクッ! イッちゃううううっっ!!)

「んくううう! むっんんん! くふうっっ!!」

ガクン、と茉莉の首が後ろへのけぞり、キスがほどけた。二つの唇の間に唾液の糸が飛び散る。

「あぁぁぁぁ…………」

茉莉の身体から力が抜けて、すとんとショートパンツの尻を地面に落とした。

乳首をつままれたままの乳房が伸びて、優也はあわてて指を離す。もとにもどったバストが大きく弾み、随喜の汗を散らした。

「…………はああ、おっぱいでイッちゃいました」

「おっぱいだけで果てるなんて、茉莉ちゃんはエッチでかわいいよ」

優也は茉莉の蕩けた美貌を見下ろして、もっと巨乳をじっくりと責めて、もっと絶頂を極めさせたいと考える。

だが、ふいに声が耳に入った。がやがやした数人の声だ。

「これこれ。この新作を見たかったんだ」

「うちの芸大の先輩の作品よね」

「おお、力作だなあ」

優也は息を呑んで、茉莉を抱き上げて立たせた。

茉莉も蕩けていた顔を引きつらせて、猛スピードでブラウスのボタンをはめる。ショートパンツのポケットにねじこんだブラジャーをつける余裕はない。

なんとか服装を整えて、二人は人型の間から外へ出ると、男女の若者のグループと目が合う。予想外の人の出現に目を丸くする芸大生たちへ、優也は言わなくてもいいことを告げた。

「お先に」

言った後で、自分につっこんだ。

(って、銭湯か!)

茉莉は若者たちの顔を見て、すぐに顔を伏せ、自分の足もとを見つめる。自分の赤く染まった絶頂の顔を見られるのが恥ずかしい。

(わたしと先生がなにをしていたのか、気づかれたらどうしよう)

そう考えると、身体中が炎に包まれ、いてもたってもいられない。

羞恥に耐える茉莉の右手を、優也は左手で握ると、足早に広場を出た。

町の中を歩いていた茉莉は、がまんできなくなった。

口から出した声が震える。

「あ、あの、先生」

茉莉は足を止めて、つないだ優也の左手を引っぱる。

優也も半歩先で足を止めて、茉莉の顔を覗きこんだ。

「どうしたの?」

よく見ると、茉莉の顔が赤く、息が荒い。広場の人型を出て、次の作品を目指して歩きだしたときから上気した肌の色だが、呼吸は鎮まったはずだ。

「そ、それは……」

もじもじと口ごもる茉莉の顔の下に存在するものに、優也の目が留まる。汗に濡れて身体に貼りつく白いブラウスの表面に、勃ち上がった乳首の形状がくっきりと浮かんでいる。