家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

自分のためだけにささやかれるよがり声に誘われて、優也は片手で尻を揺さぶりつづける。

繭の尻が動かされるとともに、膣肉と肉棒がこすれた。あいかわらず茉莉とのはじめての肉交とは大違いの、ゆるやかな刺激でペニスをねっとりと愛撫される。男根全体をやさしく包むやわらかい粘膜が、おだやかに対流を起こし、優也を溶かそうとしているようだ。

目の前では、繭の眉毛が上下に跳ね、小鼻がふくらんだ。開いた唇の奥で、舌が心地よさげにのたうつ。繭の美貌は、自身が感じる快楽に対して鋭敏に反応を見せた。

優也は悩ましい表情を見るだけでなく、茉莉の処女喪失のときと同じように、繭の言葉を直接聞きたいという欲望に駆られる。

「繭さん、お尻を揺さぶられて、気持ちいい?」

目の前で、朱に染まった美貌がコクコクと何度もうなずく。

「気持ちいい、あんっ」

甘いささやきとともに、繭の両腕が優也の背中にまわされた。

「優也くんのおちんちんで、ああ、かきまわされて、とっても気持ちいいの。うっんん、つづけて。もっとつづけて」

両脚も、優也の腰にまわされる。繭は四肢で若い身体を抱きしめて告げた。

「また、イク」

甘い言葉とともに、膣が男根を強く締め、またとろりとゆるんだ。優也に身体を揺すられて、熟女は娘の前でエクスタシーの小さい声を何度もくりかえす。

優也は亀頭から肉幹の根もとまで締めつけられてはゆるむ愛撫を、何度も味わう。

「母さん……」

茉莉も予想もしなかった母親の恥態に唖然とした。

(これが、母さんの言っていた大人の女のセックスなの)

茉莉がイメージしていたのは、大人の女のテクニックで、童貞を卒業したばかりの優也を翻弄する光景だ。

現実に目の前で起きていることは、まったく逆。

まるでうぶな少女のように優也にしがみつくだけで、されるがままに小刻みな絶頂をくりかえしている。責めている優也も、自由にふるまってはいない。昨日まで処女だった茉莉の目から見ても、二人ともぎこちない。

(でも、母さんが先生を好きなのは本気だって、強く伝わってくる。くやしいけど、わたしまで胸がキュンキュンしちゃう)

娘にじっと見つめられる前で、繭は両手で男の背中の筋肉をなぞって、何度も名前を呼んだ。

「あああ、優也くん、好きよ」

「優也くん、大好き」

「優也くん、あっんん、本当に好きなの、イク」

そして優也は違和感を持った。自分の名前を呼ぶ繭のイントネーションが、いつもとは微妙に違っている。

(この言い方は、繭さんが健治さんの名前を言うときのイントネーションだ! ぼくの名前と、亡くなった夫の名前を重ねてる!)

これは男として屈辱的なことなのかもしれない、と優也は思う。理屈ではそうかもしれないが、怒りも失望も感じない。逆に、繭に本当に愛する男として認められた、と喜びが増し、膣内で男根の勢いが強くなる。

即座に繭が反応して、悩乱する声を発した。

「ああああ、イク」

またペニスが舐めるように締めつけられ、また溶けるようにゆるんだ。

優也が射精のときを迎えるまでに、繭が何度、イクと告げたのか、本人にも、他の二人にも、わからなかった。

ゆるやかな刺激と快感が、優也の中に積み重なり、蓄積されていく。このまま春の日差しで雪が溶かされるような快感を、ずっと味わっていたいとも思う。だが男の生理として、早く射精したい欲求にも焦らされる。

優也は繭の尻を動かす左腕に力をこめて、膣粘膜にさすられる勢いを強くして、自身の快感をより高めた。

ついに優也の脳の奥で射精のスイッチが押される。自慰よりもおだやかで、それでいて自慰ではけっして味わえない深みのある男の絶頂に到達できた。

左手の指をひときわ強く、繭の尻肉に食い入らせる。

「繭さん、出します!」

「はい」

答える繭の顔は、男の精髄を受け入れる悦びに輝く。これほど美しい顔を、優也は十九年間の人生ではじめて目にした。茉莉には悪いが、この瞬間は繭のほうが魅力的だ。

「ください。優也くんの熱い精液を、繭にたくさん、そそいでくだ」

懇願の言葉が終わる前に、繭は顔を突き出し、唇を優也と密着させる。

「んっ、んんう」

「はうっ、んんん」

舌をからませながら、優也は精を放った。膣肉に包まれた尿道の中を精液が走る快感は、言葉につくせない。

亀頭から噴出した高熱の奔流が、繭の膣内に沁みこむ。全身の神経を溶かして、身体のすみずみにまで広がっていく。

繭の顔が横へずれて、キスが剥がれる。深い喘ぎが、優也の耳に流しこまれた。

「くううんっ!!」

その短いひと声だけが、細かい絶頂の連続の末に、最高の頂点に到達した祝砲だった。繭は顎を優也の肩に乗せて、後は沈黙する。

そして、沈黙がつづく。

優也と茉莉はがまんできずに、声をかけた。

「繭さん?」

「母さん?」

返事のない繭の顔を、二人が覗きこむ。まぶたを閉じたおだやかな顔から、すーすーと規則正しい呼吸の音が聞こえてきた。

「眠ってる!?」

「眠ってます、先生!」

二人はけっこうな音量で声をあげたが、繭のまぶたは開かない。寝息をたてながら、唇の両端を上げて、幸福な笑顔を形作っている。優也と茉莉にも、充足しきった女の表情だとよくわかった。

茉莉も大きく息をついて、安堵の表情になる。