家庭教師と隣の母娘 誘惑の個人授業

ただバストサイズは今ほど大きくはなかった。おそらく充分にDカップはあっただろうが、身長があるので、それほど目立たない。

それが一年あまりで、ぐんぐんと大きくなった。茉莉は自身が太りやすい体質だと考えて、食事と運動で体形維持に努めていたが、結果として胸に脂肪が集中したようだ。

「先生、よく見てください。わたしの胸をどう思いますか?」

茉莉がもともと真面目そうな顔に、さらなる強い意志の力を表して、胸を動かした。胸全体をしっかりとつかむブラジャーをものともせず、大きな乳房が上下にふるふると揺れて、柔軟な女の肉体の魅力を優也に見せつける。

「どう思うって……」

優也は誘われるままに、弾む胸を見つめながら、口ごもってしまう。

「わたしの胸が一年でこんなに大きくなったのは、先生のせいです!」

「ええっ!?」

「わたしはバストを大きくしたいなんて思っていなかった。Dカップでよかった。でも、先生が母さんの大きな胸ばかり見てるから、わたしも大きくなりたいと思ってしまったんです!」

繭の胸を盗み見ていたのは本当だ。男なら目の前に巨乳があれば、目が行ってしまうのはしかたがない。ましてや繭は、優也がどれだけ見つめていても、なにも咎めなかったのだ。

「でも、茉莉ちゃんの胸が成長したのは遺伝で、ぼくのせいと言われても困るよ」

「母さんには負けるけど、先生が大きくなったわたしの胸も見てくれるようになって、すごくうれしかった」

茉莉の顔に、変化が起きた。

今まで年上の優也を詰問していたきびしい表情が、ふわりとやわらぐ。眉が下がり、頬の筋肉がゆるんで、色白の肌が朱色に染まる。

両脚がもじもじと動いて、左右の内腿がこすり合わされる。

両手が太腿の側面から離れて、ビクンと跳ね上がりそうになり、またもとの位置にもどる動作をくりかえした。

さっきは茉莉の意志で能動的に大きく揺らしていた乳房が、今は無意識に震える身体に合わせて、小刻みにわなないている。

茉莉のボディランゲージが伝えることは、優也にもわかった。

「恥ずかしいんだろう、茉莉ちゃん。言おうと思っていたことを全部言いきったら、恥ずかしさが出てきたんだね」

指摘されて、茉莉の顔の羞恥の色はいっそう濃くなった。一年以上の間に、茉莉の様々な表情を見てきたが、こんなにせつなげな顔つきははじめてだ。

大きく開いた口から、震える声がほとばしる。

「恥ずかしいに決まってます!」

「無理して、そんなことをしなくても」

「恥ずかしくても無理をしないと、母さんに負けちゃう! 母さんに、先生を取られちゃうもの!」

「茉莉ちゃん……」

優也の胸が強く締めつけられる。恥ずかしさに耐えて、母親に対抗して、自分を求めてくれる若い教え子の言動が、いじらしくて、愛らしくて、たまらなくなる。

衝動的に左腕が伸び、茉莉の背中にまわった。男とは違うきめ細やかな肌を、指先に感じて、一気に教え子を抱き寄せる。白いブラジャーのカップが、緑のランニングシャツに押しつけられて平たくたわむ。

若いバストの圧力を、優也は強く意識した。ブラジャーのカップを通して、乳房が柔軟に形を変えるのがわかる。同時に反発する弾力も伝わってくる。女子高生の青春のエネルギーを生々しく味わうようだ。

「先生……」

茉莉も両手で優也の胴体にしがみつき、自分の唇を差し出した。昨日の繭に比べると、すべてが不慣れで、焦ったぎこちない動きだ。

(茉莉ちゃんのファーストキスなんだ)

優也自身も、昨日、熟女にうながされて人生で最初のキスをしたばかり。それでも、いや、それだからこそ、強く思う。

(今度は、男のぼくがリードしなくちゃ)

自分の役割を意識して、優也は茉莉に唇に重ねる。

「んっ……」

「うぅん……」

若い二人の吐息が、性急にからみ合った。母親は自分から舌を出さず、優也の舌を待っていたが、娘は違う。

茉莉は喉が渇いた子犬のように、積極的に舌を前へ伸ばす。優也の舌先に触れると、激しくからませた。母親よりも大きな濡れ音をたてて、恋しい先生の舌をしゃぶりつくそうとする。

「んちゅ、はむっ、んくううん」

(うわ、茉莉ちゃん、すごい!)

三歳年下の少女の猛攻に、優也はたじろがされる。羞恥に染まっている女子高生の懸命さに、感動を覚えた。

人生でようやく二人目のキスを経験する優也には、舌や唾液の個人差などわからない。茉莉の舌も、繭と同じように熟れた果肉のごとくやわらかい。茉莉の唾液も、果汁さながらに甘く感じる。

息苦しくなり、先に口を離したのは、優也のほうだ。

「んんっ、くはあああ!」

「はふぅぅぅ」

ディープキスをほどいて、大きく息をつく二人の唇の間に、唾液の糸がつながった。

「うれしいっ!」

茉莉が歓声を発すると、透明な糸がふつふつとちぎれる。

「先生とキスができました! ずっと、ずっと、先生とキスをするところを想像していたんです!」

優也の腕の中で、茉莉が瞳を明るく輝かせる。湧き上がる感情のままにくるくると変化する表情が、見慣れているはずの教え子の顔に、新たな魅力を加えていく。

(茉莉ちゃん、こんなにきれいで、かわいいんだな)

優也を魅了するかわいい口が、とんでもないことを告げた。赤い頬に恥ずかしさをにじませながら、普通なら絶対に口に出さないような言葉を紡ぐ。