「先生の大きいペニスで、あっひいいい、かきまわされてますう!」
「ぼくも気持ちいい。茉莉ちゃんのお尻が、ぼくのをしごいてるっ!」
優也の言葉が、繭の性感をいよいよかきたてる。
「あああ、お尻が気持ちよすぎて、壊れちゃううっ! おっんんっ」
部屋に反響する嬌声を、優也のキスで押しとどめられる。愛する人に貫かれる喜悦を表現する言葉を、愛する人に奪われて、快感の大渦が体内で暴れまわった。
猛烈なエネルギーを少しでも散らそうと、自分の舌を優也の舌にからませ、強く吸引する。しかし、ディープキスはただ悦びを増すだけだ。
噴き上がる快楽のマグマとともに、まばゆい白光が、茉莉の視界を塗りつぶした。ただ優也の顔だけははっきりと見える。
愛しい顔へ向けて、茉莉は叫ぶ。
「イキますうううううううっっ!!」
叫びは優也のキスの中にそそぎこまれ、くぐもった音となって、密着する唇の隙間から洩れた。美しいメロディを聞くように、繭が耳を傾ける。
茉莉から口移しに絶頂を贈られて、優也も射精へ向かってスパートをかける。今まで動かさないでいた腰を上に突き上げ、茉莉の身体を浮かせた。
「ひいっ! まだイッてるのに! もっとおかしくなっちゃう!」
茉莉の言葉はクレームだが、声に非難の色はない。優也はつづけて二度三度と連続して茉莉の尻を突き上げる。
「おかしくなってよ、茉莉ちゃん! 何度でもイッていいからね!」
「あっ、やあっ! 先生っ、はひいいっ!」
悲鳴をあげながら、茉莉は両手の指を優也の肩に食いこませる。恋人の肩を支えにして、自らも腰を跳ねさせる。
茉莉のリアクションに対抗して、優也も懸命に腰をうねらせ、男根の動きに変化をつけた。腸の内側とこすれて新たな快感が生まれ、いよいよ腰に力がみなぎる。
はじめはバラバラだった優也の腰の突き上げと、茉莉の腰の動きが、やがてタイミングを合致させていく。今日が二人の結婚を決めた日なら、これが夫婦の最初の共同作業だ。
自分たちがなかよく生みだすリズムに乗って、デュエットのように激しい愛の言葉を呼び交わした。
「茉莉ちゃん、好きだよ! 大好きだあっ!」
「いいっ! 先生っ、大好きっ! 愛してます!」
二人の間で交感される愛情のエネルギーが爆発的に高まり、互いの絶頂のスイッチを入れた。優也は両腕で茉莉の尻を強く抱きしめ、その内奥で亀頭を爆発させる。
「出るっ!」
最大限の量の精液が、奔流となって茉莉の体内にあふれかえる。
「大好きな茉莉ちゃんに、おおおお、出るうっっ!!」
熱い精液をそそぎこまれた茉莉も、今日最高の頂点へ向けて、ロケットのごとく打ち上げられた。
「イクッ! 先生の熱い精液が、わたしのお尻に染みこんで、イッちゃううっ! 大好きいっ、イッちゃうううううっ!!」
熱い言葉と精液を体内にそそがれて、茉莉は深い深い充足の中で、本当に意識が遠のいていく。エクスタシーの白光の彼方から、母親と恋人の声がぼんやりと聞こえてくる。
「次は、わたしに射精して」
「どこがいいですか」
「今度は前のほうがいいわ」
意識が、完全に光の中に溶けた。
*
茉莉がまぶたを開けると、目の前に優也の顔があった。
優也の顔の向こうに、上体を起こした繭の顔がある。
優也を中心にして、右に茉莉、左に繭。三人で川の字になって、二枚をくっつけた布団に寝ている。場所は優也の寝室。もともとは押入れに布団が一組しかなかったが、茉莉と繭がよく泊まるので、仁志乃家の布団の一部が運びこまれていた。
「わたし、眠っちゃったの?」
「そうよ。優也くんのおちんちんをお尻に入れたままね」
くすくす笑う母の言葉に、茉莉は寝起きの顔を赤く染める。
「ひゃあ」
「ねえ、優也くん。気が早いけれど、三人で婚前旅行へ行きましょうよ。旅先でたっぷりと楽しむのよ」
優也は頭を枕に乗せたまま、繭を見上げて答える。
「いいですね。あ、でも、心霊スポットめぐりは勘弁してください」
「えー、残念。いいわ。みんなで計画を立てる前に、予行演習をしましょう」
繭が自分たちの胴体にかかるシーツをめくり上げ、優也のトランクスを引き下ろした。現れたペニスにキスして、遠慮なく舐めまわす。
「あっ、母さん、ずるい!」
茉莉も、優也の下半身に飛びつき、ためらいなく亀頭をしゃぶる。
優也はなにか言おうと口を開いたが、下半身から立ち昇る舌音の二重奏と快感に身をまかせた。
そして三人で幸せになる人生設計に、思いをめぐらせるのだった。