「き、気持ちいいです。気持ちよすぎです。あぁ、先輩……」
もっともっと性器同士を擦りあわせていたいのに、そうもできそうもないという切迫感が、裕のなかの野性をいっそういきり立たせた。
あまりに激しく股間を叩きつけたせいでうっすらと赤くなった尻肉をまたも左右に割り、剥き出しになった尻毛を摘んで引っ張る。
「あはぁ、またお尻の毛。それいや。それいやあぁ……ああんあんあん」
「ううっ、先輩、こ、興奮する……」
尻毛を引っ張りながら媚肉をペニスで掻き回すと、遥香の淫声はさらに取り乱し、けたたましく跳ね上がった。射精感が一気に高まり、耳の奥でノイズが響く。
シャワーがスコールのような音を立て、絶頂寸前の裕と遥香の裸体を叩いた。
真っ赤な血と白濁した愛蜜が混じりあった汁が媚肉から溢れ、遥香のむちむちした色白の内股をゆっくりと伝い流れていく。
「あん、だめ、恥ずかしい。そんなことされたら私……あっあっ、ふはあぁ……」
(な、何て可愛い喘ぎ声……)
遥香の艶やかなよがり声を耳にし、裕の我慢はとうとう臨界点を越えた。
「あぁ、先輩。気持ちいい。射精する!」
「ふわあぁ、裕君! なかに……なかに出して!」
「えっ。い、いいんですか? あっ、あっあっ……」
「あふぅ、へ、平気……今日安全日なの。あっあっ、あん、裕くぅぅん!」
「せ、先輩!」
遥香の思わぬ言葉に、絶頂寸前の裕はいっそう感激し、興奮した。全身に鳥肌が立ち、陰嚢のなかで煮立った精液が出口を求めて尿道をせり上がってくる。
「遥香先輩! あぁ、出ちゃう! 精子出ちゃうううぅ!」
「ああぁ、裕君! あはあぁ! ああああぁぁぁッ!!」
稲妻に貫かれたような衝撃が身体を震撼させた。目の裏で白い光が閃き、頭のなかまでもが白濁して何も考えられなくなる。
ペニスは、根元までズッポリと遥香の媚肉に突き刺さっていた。
ドクンドクンと逞しく脈動して精液を飛び散らせるたびに、陰茎を飲み込んだ陰肉の丸い輪が一緒になって大きくなったり小さくなったりする。
「あぁ、裕君……は、入ってくる……お腹の底に……裕君の……あ、温かくて……ドロドロした……精液が……」
「くうぅ、先輩……」
陰茎の肉ポンプは何度脈打っても衰えることを知らず、十回近く雄々しく痙攣して、ようやく射精をやめる。
裕も遥香も、あとはもう言葉もなく、はぁはぁと乱れた息を鎮めあった。
もしかしたら遥香も、軽いアクメぐらいには達してくれたのかも知れなかった。
裕が処女を奪った牝穴が、言うに言えない想いを伝えるように蠕動し、射精を終えたばかりのペニスを甘酸っぱく絞りこむ。
「あぁ、先輩……」
裕はどぴゅっと、精液の残滓を牝穴の奥深くに噴き出させた。
「あぁん、ゆ、裕君……」
「あっ」
遥香は脱力したようにガラス壁を下降し始めた。ちゅぽんと淫靡な音を立てて膣から抜けた肉棹がしなり、赤や白や透明の体液を、糸を引いて飛び散らせる。
「せ、先輩。大丈夫ですか?」
床にくずおれた遥香に、膝を突いて訊いた。遥香は肩を上下させてなおも新鮮な空気を貪り吸いつつ、そんな裕に抱きついてくる。
「先輩……」
「やっと……一つになれたね」
首筋に頬ずりをし、甘えた声で言われた。たわわな乳房が裕の身体に圧迫され、むぎゅっと艶めかしくひしゃげる。
「はい……」
裕はずぶ濡れの遥香を渾身の力で抱き返した。遥香は「あぁ」と嘆声を漏らす。
「先輩、僕なんかにたいせつなものを……ありがとうございました」
「私こそ……もらってくれてありがとう」
「……大好きです」
「裕君……」
二人は互いの身体を抱擁し、シャワーの雨などものともせずに、初体験の感激と余韻にうっとりと浸り続けた。
第三章 美人家政婦のいやらしすぎる手コキ
「裕君、浮気なんかしちゃダメなんだからね。しっかり勉強するのよ」
翌日の夕方──裕はデイパックを背負って家路を辿りながら、昨日別れ際に遥香から言われた言葉を思い出していた。
今日から遥香は、女子大の吹奏楽部の合宿で数日間東京を離れることになっていた。
はっきりそうとは言われなかったものの、裕は遥香の言葉のなかに、住み込みで働くようになった年若い家政婦を意識したものを感じた。
(それにしても、どうして僕は紬さんに、こんなに惹かれてしまうんだろう)
勉強のためにと出かけた公立図書館からの帰り道だった。自分で自分が分からなくなり、思わず首をひねる。
たしかに紬も人目を引く相当な美人であり、男心を虜にする魅力に溢れていることは間違いなかった。だが自分には遥香というたいせつな恋人がいるではないか。
初セックスの後遥香を抱きしめ、「……大好きです」と言った気持ちに嘘はなかった。
本来の裕の性格からしたら、もう遥香のこと以外何も考えられなくなるぐらいのぼせ上がってもおかしくない。ところが遥香への想いを改めて募らせ、「自分は何て幸せ者なんだ」と甘酸っぱい恋心に浸っていられたのは、昨日家に戻るまでだった。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
折り目正しい挙措で頭を下げて出迎えた紬をひと目見るなり、またも胸がときめいた。
遥香への冒涜以外の何ものでもないと、自分をなじった。
だが、紬の姿を盗み見ながらキッチンで夕飯を食べ、その横顔や後ろ姿に目をやるたびにそれまで以上に心臓が躍り、股間に血が集まりそうになった。