家政婦は蜜尻女子大生 初恋の君と恋人の甘いご奉仕

(に、握り返して、みようかな……)

映画のなかの男女たちはとっくにキスを終え、より濃厚な恋人同士の淫戯に耽り始めていた。あくまでも恋愛映画なので描写はソフトだ。決して遥香には言えないが、こっそり目にしたことのあるAVに比べたらたいしたものではない。

だが、それなりに交際が進みつつある恋人とのデートの場で目にすると、やはり刺激的だった。ヒロインの女優が上げる艶めかしいあえぎ声も、裕のドキドキ感に拍車をかける。裕は甘酸っぱく股間を疼かせつつ、勇気を出して遥香の手を握り返した。

(──えっ!?)

すると、思ってもみなかったことが起きた。待ちかねていたように遥香の指がさらに強く裕の手を握り、誘うように引っ張ったかと思うとおもむろに顔を近づけてくる。

(えっ。えっえっ。もしかして……キス!?)

全身を駆けめぐる血液が沸騰しそうな緊張と興奮に包まれた。見るたびにうっとりとその美しさに見とれた凛々しい小顔が、今までにない近さに接近してくる。

(とうとう僕、先輩と)

感激した裕は目を閉じた。次の瞬間、甘い吐息が顔を撫で、柔らかな唇がぐにゃりとつぶれながら裕の口に重なった。

「んっ、裕君……」

「むあぁ、遥香先輩……」

ちゅっ。ちゅぱ。ぴちゃ。ぢゅるぱ。んぢゅ。ぢゅぱ、んぢゅぴちゃ。

どちらからともなく舌が伸び、相手の舌に絡みつく。

(舌と舌をネチョネチョ擦りつけあうって、こんなに気持ちいいんだ……)

生まれて初めて知る淫靡な知識。どこかエロチックなナメクジを思わせるヌメッとした遥香の舌に自分の舌を舐められるたび、甘酸っぱい痺れが股間に走る。

裕は鼻息を荒らげ、自らも身を乗り出して、さらに遥香の舌を求めた。

「あん、裕君」

裕の行為に熱が入ってきたことに気づいたのだろう。遥香は形のいい鼻孔から熱い息を漏らし、甘い声を上げて首を伸ばすと、裕との接吻を続けた。

(ううっ。僕たち、初めてなのにすごいベロチューしてる)

周囲に他の観客の姿はないとはいえ、大胆な行為であることは間違いない。

熱烈にむさぼりあう二人の口から漏れる汁音が、闇のなかに響く。

「私のファーストキスなの。裕君にもらってもらえて嬉しい」

口から耳元に朱唇を移し、色っぽい声で囁かれた。薄闇のなかでも、美貌がほんのりと紅潮しているのが分かる。美麗な瞳が妖しい光を放って煌めいていた。

(遥香先輩、キスの経験なかったんだ。あぁ僕、先輩の唇を奪った初めての男に!)

あまりの嬉しさに背筋が震え、裕のペニスは完全に臨戦態勢になってしまう。

「ぼ、僕もファーストキス……あの、先輩にもらってもらえて……あぁ、先輩!」

もう自制が利かなかった。裕は鼻息を荒らげて遥香の胸に手を伸ばす。鷲掴みにしたたわわな乳房が、いやらしく形を変えた。

「あっ、裕君。だ、だめ……」

「先輩、僕我慢できない」

戸惑ったように身をよじる遥香に、甘えた声でせがんだ。一度乳房を掴んだ手はそこから離れない。それどころかねちっこく指を開閉させて、グニグニと揉み込む。

「裕君、いや。恥ずかしい。ああぁ」

(な、何これ。すごく柔らかい。女の人のおっぱいって、こんなに柔らかいんだ)

キスの気持ちよさに続き、生涯初体験の乳房の手触りに感激と興奮を覚えた。

しかも、揉めば揉むほど感激よりも興奮が上回り、獰猛な気持ちが肥大する。衣服越しだったが、とろけるような感触は淫蕩な熱とともに裕の指と脳髄を痺れさせた。

「先輩、僕、すごくドキドキしちゃって。んっ」

すくい上げるように乳房を揉みこね、今度は自分から朱唇を求めた。

「んっんっ。あふん、裕君。だめよ、お願い。アン……」

「先輩。先輩……」

息苦しくなるほど、淫らな劣情が高まってくる。指を伸ばして乳首をえぐった。

「アン、いやん。こら、あふう、だめ。あぁん」

遥香の乳首はブラカップの下で卑猥な力を漲らせ始めていた。

「先輩。乳首、勃起してきました」

「ば、馬鹿。勃起なんて言わないで。恥ずかしい。いやん、あふう」

擦れば擦るほど淫猥なしこりを増す乳首の感触に発情した裕はジンジンとペニスを疼かせ、艶麗な乳肉をまさぐりながらしつこく乳首をなぶり倒す。

牡の本能に憑かれ、柔らかな乳房を直接揉みしだきたくなった。乳肉から手を放す。チュニックの裾から指を潜らせようとした。

「待って」

そんな裕の手を遥香が掴んだ。潤んだ瞳に見つめられ、裕は我に返る。

「今日は……ここまでにして。お願い。心臓がドキドキしちゃって」

羞恥を押し殺した囁き声で言われた。はにかんだ笑みを浮かべるとそっと手を放し、困ったように凛々しい美貌をうつむかせる。

「す、すみません」

慌てて謝った。エロチックな気分が高まり、つい暴走しかけそうになった己を恥じる。遥香は口元に笑みを浮かべたまま、裕の方も見ずにかぶりを振った。

裕は深く大きな吐息を漏らし、シートに座り直した。映画のなかのラブシーンはとっくに終わり、二人を残して物語は先に進んでしまっていた。

途中で拒まれてしまったが、それでもとても幸せだった。

(何となく、遥香先輩との初体験の瞬間が一気に近づいてきた気がする)

何ごともなかったように隣の席でスクリーンに見入る遥香を意識しながら、裕は改めて胸を高鳴らせ、勃起したままのペニスをひりつかせた。