パンパンパンッ! パンパンパンパンパンッ!
柔らかな尻肉に股間を叩きつけるたび、艶麗な臀肉が波打って震え、生肉同士がぶつかりあう湿った爆ぜ音が響く。
ベビードールのなかで、釣り鐘みたいに伸張した乳房がブランブランと派手に揺れ踊り、勃起乳首をナイティの裏布に擦りつけた。
「あぁん、裕。か、感じちゃう。お尻なのに……裕を悦ばせてあげようって思っただけなのに、私まで一緒に……いっぱい感じちゃう。あああぁ!」
「くううぅ、遥香……」
自分で自分が分からなかった。菊穴をほじられて恥じらいつつも肉悦にむせぶ遥香も可愛ければ、そんな遥香や裕を見ながらはしたない自慰に耽る千尋への想いも時を追うごとに高まる。同時に、どちらの女性に対しても「罪悪感」があった。
「ぁっ……ぅぅっ……ぁぁ……ぁぁぁ……」
(ち、千尋お姉ちゃん。すごく興奮してる。熱い喘ぎ声がどんどん大きく……)
遥香自身も絶え間なく淫らなよがり声を上げているため彼女の耳には届かなかった可能性もあるが、裕はたしかに耳にした。
千尋は裕たちを──裕に肛門を犯される千尋を、気持ちよさそうに恋人を犯す裕を、二人の肛門とペニスが一つに繋がってヌチョヌチョと粘着音を響かせあう眺めを潤んだ瞳で見つめながら乳首を擦り、股間を掻き毟るように愛撫する。
(あぁ、たまらない!)
「遥香。もうダメ。僕射精する。もう射精するよ」
身体の奥から恍惚のマグマがせり上がってきた。
視界の片隅に千尋の姿を意識しつつ、息を止めてカクカクと腰を振る。股間を打ちつける遥香の尻肉は、闇のなかでも分かるほど赤く変色していた。
パンパンパンッ! パンパンパンパンパンッ!
「ぁぁ……っ……ぅぁぁっ……ぁぁ……ぁぁぁっ……」
「あはぁ、裕。気持ちいい。私感じちゃう。お尻の穴、気持ちいいの。ああぁ!」
(あぁ、遥香……千尋お姉ちゃん)
「ううっ、だめだ。我慢できない。射精する。うあぁ……」
「ああん、裕! ああああぁ!」
初めてのアナルセックスだったにもかかわらず、どうやら遥香も軽いアクメに達したようだ。天に向かって突き上げた豊臀ばかりか全身をビクビクと痙攣させ、「あっ……あっ……」と切れ切れの声を漏らして陶酔した顔つきになる。
「遥香。あぁ……」
裕はそんな遥香の肛肉にズブリと根元までペニスを挿入し、天にも昇るような吐精の悦びに酔い痴れた。
肛門の肉環で締めつけられるせいか、精液の勢いはいつもより派手だった。
さりげなく、細く開かれた闇のなかのドアの方を見る。
廊下では、一緒に絶頂に突き抜けたらしい千尋がうっとりと目を閉じ、唇を半開きにして小刻みに女体を震わせていた。
「は、入ってくる。あはぁ……裕の……温かい、精液が……お尻に……」
なおも四つん這いの身体を不規則に痙攣させ、甘い口調で遥香が言った。もっと出してとせがむように、肛肉がムギュッと陰茎を締めつける。
「うっ、ううっ。遥香」
裕はあまりの気持ちよさに天を仰いだ。首筋が引きつるのが分かる。
陰茎の肉ポンプは十回近くも脈動し、大量の子種を年上の美少女の尻奥深くにたっぷりと飛び散らせた。
アクメのあとの多幸感が裕の身体を痺れさせる。
乱れた息を鎮めながら、もう一度ドアの方を見た。
ドアは何ごともなかったかのように、ピッタリと閉じられていた。
第六章 初恋の君の蜜尻顔面騎乗
「それではご主人様。短い間でしたが、お世話になりました」
家政婦としての千尋の最後の仕事は、裕と遥香の朝食の用意だった。
「できれば紬さんも一緒に」という裕の希望で千尋も席をともにしたが、話が弾むはずもなく、まるでお通夜のような雰囲気で食事は終わった。
食器やダイニングの後片付けをした千尋は、前日にはほとんどまとめてあったらしい荷物を手に、今こうして玄関の三和土で、裕に最後の挨拶をしていた。
千尋を迎え入れた翌日に着ていた、花柄のワンピースに身を包んでいる。
「こ、こちらこそ。いろいろと、その……ありがとうございました」
他人行儀な挨拶だったが、上がりがまちに立ち尽くす裕の隣には遥香もいた。
千尋に言いたいことはいっぱいあったし、このまま別れなければならないと思うと胸を引き裂かれるような悲しみを覚えたが、言葉にも態度にもできなかった。
昨夜、自分たちの卑猥なセックスを盗み見て自慰に耽りながら、千尋の脳裏をよぎったものはいったい何だったろう。もしかしたら自分は最後の最後まで、千尋に残酷な仕打ちを重ね続けただけではなかったろうか──。
「遥香さん。ご主人様を、どうぞよろしくお願いします」
千尋は遥香の方を向き、裕にしたのと同じように深々と腰を折って挨拶をした。
「こっちの都合で振り回してしまってごめんなさい。ありがとうございました」
応対する遥香の表情や態度も、明らかにぎくしゃくと硬かった。
本当は仲のよい先輩と後輩である二人は、裕の前ではそんな事実をおくびにも出さず、あくまでも家政婦と裕の恋人という形で別れの挨拶をする。
「では、失礼します」
千尋はもう一度裕に頭を下げるときびすを返し、ドアを開けて姿を消した。
ばたん、とドアが閉まり、足音が遠ざかっていく。
「今日も暑くなりそうね。冷たいものでも飲む? アイスコーヒー作ってあげるわ」