遥香も、女子大の友人にこの場所を教えられたらしかった。
宿泊専門だという認識しかなかった一般のホテルに「デイサービス」という、数時間単位で部屋を借りられるサービスがあることを、今日初めて裕は知った。
「えっ。シャワー?」
いよいよ来たかと心臓をバクバクさせつつ、遥香を振り返る。開放的な窓から見える雄大な眺めに見とれているふりをしていたけれど、さっきから頭のなかを占めていたのは「いよいよ遥香先輩と……」という、ただその一事だけだった。
「あとからおいで。先に入って待ってるね」
遥香は言うと、笑顔をほんのりと上気させたままバスルームに消えた。
「は、遥香先輩と……混浴シャワー」
ポッと身体が過熱し、またも股間に血が集まる。バスルームからは、遥香が服を脱いでいるらしき衣ずれの音が響いた。今この瞬間、壁で隔てられた浴室のコーナーで、愛しい美少女が裸になっていると思うと浮き足立つような気持ちにかられた。
やがて、扉らしきものが開閉される音に続いて、飛沫音が聞こえ始めた。
とうとうシャワーを浴び始めたらしい。
「な、何だか、嬉しいような、緊張するような」
裕はとくとくと心臓を脈打たせ、着ているものを脱ぎ始めた。
観覧車のゴンドラですでに勃起しきった肉棒を見られてしまっているという事実が裕を開き直らせた。一度射精させてもらったというのに、怒張は天を向いて隆々と反り返っていた。亀頭もぷっくりと肥大し、暗紫色の肉肌をてからせている。
あまりの勃起ぶりが気恥ずかしかったが、羞恥より淫靡な期待が勝った。全裸になった裕は浴室の前まで行き、大きく深呼吸をしてからドアを開けた。
「あぁ……」
バスルームは広々としていた。洗面所と脱衣のコーナーの奥に三方をガラスで仕切られたシャワールームがあり、最奥部にバスタブと洋式トイレがある。
遥香の姿は湯気に煙ったシャワールームにあった。薄桃色に上気したみずみずしい美肌と、艶めかしく盛りあがったお尻を晒してシャワーを浴びている。
壁にあるフックにシャワーをかけて顔を上向け、目を閉じて熱いお湯を浴びる全裸の遥香は、想像していた以上に魅惑的だった。
(ううっ、遥香先輩、やっぱりお尻も大きくていやらしい)
プリプリとおいしそうな豊臀を目にしただけで、凶暴な力を漲らせたペニスがヒクンと脈動した。鼻息が荒くなる。洗面所を横切り、シャワールームの扉を開けた。
「あっ、裕君」
遥香は後ろを振り向き、慌てて片手で乳房を、片手で股間を隠した。そんな遥香の髪や背中を、シャワーの飛沫が叩く。
艶々した黒髪がお湯に濡れ、額や頬、首筋や肩、背中に張りついていた。
初めて見る濡れ髪。初々しくも豊満な裸体をお湯の雫で光らせた遥香の色っぽさは、ふだんより軽く五割増しになっていた。
「何か、やっぱり恥ずかしいね」
アーモンド形をした瞳がちらっと裕の股間を見て、弾かれたようにあらぬ方を向いた。凛々しい美貌が火照っているのは、シャワーの熱のせいだけではないはずだ。
「遥香先輩」
裕は恋人の裸体にむしゃぶりつきたい衝動を必死に抑えた。
だが、今にも自分を見失いそうだ。大事なところは隠されているとはいえ、長いこと憧れ続け、オナニーの対象にし続けた美少女が、薄桃色に上気したむちむちの裸を晒して目の前で色っぽくうなだれているのである。
「でも、ここまで来たら恥ずかしがってもしかたないか」
自分に言い聞かせるように遥香が言い、二本の手を乳房と股間から放した。
「たいしたものじゃないけど、よかったら見て。私の裸」
いたたまれなさそうに横を向いて下唇を噛み、震える声で言った。
「あぁ、先輩」
たいしたものではないどころの騒ぎではない。裕は背中にシャワーを浴び続ける官能的な裸体に、息が止まるほどの興奮を覚えながら目を見張った。
(すごい。色白のおっぱいが薄桃色に染まって震えてる。大きくて形もいい)
衣服越しに何度も盗み見、昨日初めて衣服越しに触ることのできた巨乳を、ようやく生で見た。できたてのプリンのようにフルフルと震える柔らかそうな乳房。服の上から見るよりも大きく感じられる。
乳輪は淡い鳶色をし、やや大きめだった。乳首は乳輪よりさらに濃いめの鳶色だ。
(乳輪に粒々が浮かんでる。ううっ、いやらしい)
射精盛りの年頃相応に、いろいろな女性の乳房をオカズに精を吐いてきた。
しかし、生で見るのは初めてだ。しかもどこにでもある乳房ではない。
小玉スイカのようにダイナミックに盛りあがり、半勃ちの乳首を震わせる年上の恋人の生乳房。これで発奮しなかったら男ではない。しかも──、
(えっ、ええっ? 遥香先輩の陰毛……)
視線を乳房からむっちりした股間に転じた裕は声を上げそうになった。
色白の恥丘に、驚くほど豪快に漆黒の恥毛が生え茂っている。
きめ細やかな色白の美肌や、近づきがたい高嶺の花的な美貌からは想像もできない、野性味溢れる密林の眺めに、裕の痴情はとうとう爆発した。
「あぁ、先輩!」
「アン、裕君……」
ずぶ濡れの裸体に我慢できずにむしゃぶりつく。遥香の女体は発熱でもしたように熱かった。鼻息を漏らしながら柔らかな裸体を掻き抱き、またも熱烈な接吻に耽る。
「あはぁ、裕君。好き、大好き。んっ」