ハーレムマンション 僕と美人妻たちの秘蜜な昼下がり

ついに洋介は、自制のくびきを振りほどき、己が欲求を満たすため、激しい抜き挿しをはじめた。

「おうぅっ……最高に気持ちいいよ……僕もう!」

「あん、射精ちゃいそうなのね……な、菜緒も、気持ちいい……。どうにかなっちゃいそう」

遠慮も技巧もない荒々しい抜き挿しに、ぐんぐん射精衝動の潮位が増していく。自分の肉塊が、漬け込んだ肉壷の中でひときわ体積を増すのを知覚した。

「もっと、もっと突いていいのよ。私が、菜緒が受け止めてあげるぅっ」

激烈なるストレートの打ち込みで、女体を官能の渦に巻き沿いにする。

じゅぶん、じゅちゅん、くちゅん、ぱんぱんぱん——。

肉襞を裏返しにせんばかりの勢いが、淫靡な水音を呼ぶ。打ち付ける乾いた肉音は、スパンキングにも似て、男が本能的にもつ加虐的嗜好を存分に満たしてくれる。

「あん、あん……あっ、はあんっ……」

ソプラノが艶めかしく掠れ、甘ったるい吐息が断続的に漏れ出している。あるいは、めいっぱい感じている艶姿を、洋介の目に焼きつけておきたいと願うかのように。

奔放に振る舞うことで、より女体が燃えあがり、ぐんぐん性感が増しているようでもあった。

「あん……ガマンできない……もっと……もっと激しくしてぇ」

タガが外れたかのように、菜緒が艶尻を揺さぶりはじめた。洋介のストロークにあわせて、クネクネと細腰を揺さぶり、どっぷりと我が身を悦楽に浸していくのだ。

「うわあ、菜緒が淫らだ。ああ、でも、素敵だよっ!」

昂る洋介の声で、ようやく自分の恥知らずな腰つきに気がついたようだ。けれど、いったん堰を切った官能を、留めることは難しいらしく、むしろ腰運動は積極性を増すばかり。

「いいよ、菜緒の腰つき、気持ちいい……ああ、だめだっ、もう射精る!」

パンと張った臀部のうねりに、さらに興奮を煽られ、洋介はいよいよ射精態勢に入った。

細身の身体に両腕を回し、紡錘形に容をかえている幾分小ぶりの乳房を再び掌にすっぽりと収めた。人差し指を頂点に、掌の付け根までを艶肉でいっぱいに満たして、むにゅん、ぐにゅんと揉み潰す。さらには、その乳房を後方に引っ張るようにしながら、引き締まった腰では、振幅を小さくさせた抜き挿しを絶えず繰り返す。

抽迭は、自らの快楽を追う特急列車となった。けれど、同乗者の菜緒も淫靡な体臭をムンッと立ち昇らせ、小さなアクメの漣を幾度も迎えている。背筋が撓み、艶やかな肉のあちこちがヒクついている。肉襞さえもが、みっしりと洋介を咥えこみながら、ひくひくとさざなみにそよぐのだ。

「射精してぇ……菜緒の子宮を、洋介の精子でいっぱいにしてぇ」

怒濤のごとく突きあげ、結合部からネチャネチャ、ピチャピチャと粘着質な水音を部屋中に響かせる。

振り向いた菜緒の美貌が切なげにゆがむ。眉間に刻まれた皺の官能美。わななく唇の風情。その表情のすべてが、洋介の激情をどこまでも煽り立てる。

美肌に滲む艶汗の匂いさえもが、洋介の射精を促した。

「うがああぁっ菜緒……ああ、なおぉっ!」

牝の本能が洋介の暴発を受け、膣を膨らませ子宮口を開かせた。あれほどきつかった締めつけが、いっきに緩む。射精衝動に肉傘をいっそう硬く大きく膨れ上がらせても、受精態勢を整えた肉孔はやさしく包み込むばかりで、喰い締めてこようとはしない。

「ああっ射精して……はあっ、わたし、もうだめぇっ……ひんっ! イクぅっっ!」

根本まで埋め込んでの深突き。子宮口を切っ先でグイッと押し込みながら、引き絞っていた菊座をぶわっと解放させた。濃い樹液が、しわ袋から尿道を一気に遡り、鈴口からどぴゅんと飛び出す。

「っくわあああああああぁ」

「きゃううう! ああ、イッてる~~。おま〇こイッてるのぉ……いいっ……気持ちいい~~~っ!」

牡牝二匹の獣が、喜悦の咆哮を同時に上げた。最絶頂のタイミングも見事にシンクロしている。

ドクンドクンと三度に渡りおびただしい量の精液を放出すると、その度に菜緒は喘ぎ、ビクンビクンと尻肉を痙攣させた。

「人妻に中出しするのって、ぞくぞくするほど興奮しちゃうよ」

「もう、いやな洋介……でも、またいっぱい射精したね」

蕩けそうな表情で振り向いた菜緒の唇を、ちゅちゅっとかすめ取ると、洋介は名残を惜しむように、力を失いつつある肉棒で二度三度と擦りつけてから、ゆっくりと膣孔から抜き取った。

力尽きた二人は、そのままその場に崩れ落ちた。

キッチンの硬い床も、気にならない。むしろ、硬質な冷たさが心地よいほどだ。

甘えるように、菜緒が洋介の腕の中に滑り込んでくる。

「もう、洋介ったら邪魔ばっかり……」

何を咎められたのか知らん顔で、再び彼女の唇をかすめ取った。

ピンポン、ピンポン——。

一度しか押していなくとも、このタイプのインターホンは二度鳴る仕掛けになっている。

悪戯したわけではないが、洋介には、それが何となく気忙しく二度押したように思われそうで落ち着かない。

「ところで、洋介、703号室のかみさんには、ご挨拶した?」

熱い情事のあと、恋人同士の甘い空気をまといながら、思い出したように菜緒が尋ねた。

言われてみれば、ここに越してきて、かれこれ二週間近くなるが、未だ菜緒以外の隣人とは顔を合わせていない。