「まなみさん、見られるのが、お仕事でしょう……。復帰するのなら、早く、それに慣れなくっちゃ」
「洋介くんの意地悪。若い頃と違って、お肉がついてしまったから、余計に恥ずかしいのよ」
確かに、グラビアアイドルの頃とは違い、いかにも、ふっくらとした爛漫な肉付きに変わっている。けれど、昔の衣装が着られるくらいなのだから、体形が変わっているわけではないのだろう。身体の線が崩れるほど肥え太っているわけでもない。にもかかわらず、つくべきところに豊かに熟肉がつき、十代の娘にはない官能美を漂わせ、どこまでも淫靡なのだ。まなみの恥じらいの源泉も、そこにあるらしい。
「恥ずかしがることなんてありません。最高に、きれいですよ。僕もうたまりません。触らせてください……。まなみさんのおっぱいに」
下乳の外周を、大きく開いた掌でそっと覆う。ぴくんと女体は蠢くも、抗う様子は見られない。
白い膨らみに掌が触れた途端、感動のあまり洋介の全身に震えが起きた。しっとりと肌に吸いつくような乳房は、驚くほどにやわらかく、しかも弾力性たっぷり。
すぐにでも、その乳房に激情の全てをぶつけたい欲求に晒された。けれど、洋介は、ありったけの自制心を発揮して、滑らかな肌触りを堪能することだけに集中し、乳房の中に手指を埋めようとはしなかった。
「あん、どうして? わたしのおっぱい、気に入ってもらえないの? 洋介くん、大きなおっぱいは嫌いだった?」
「そんなことありません。まなみさんのおっぱいは、僕の理想通りです。この大きさと言い、色つやと言い、そしてこのふるんふるんの柔らかさと言い、もう最高です」
「じゃあ、どうして……えっ、何これ? おっぱいがじんわり温かくなってきたわ……洋介くんの掌の熱が伝わってきて、身体が火照ってきちゃう……」
洋介の狙い通りの効果が、じわじわと現れはじめた。皮下に内包する乳脂肪が、断熱材のような働きを担い、女体全体が熱を帯びるのをじっくりと待っていたのだ。
「ああ、うそっ……まるで埋み火をされたみたいに、全身が火照ってきたわ……」
すべやかな乳肌がじっとりと汗ばみはじめ、谷間には汗が筋をなしている。
清楚な胡蝶蘭を想わせる美貌が、せいろで蒸し上げられたようにしっとりと紅潮し、官能味溢れる唇も息苦しそうにわなないて熱い吐息を漏らしていた。
やわらかな柳眉が悩ましく八の字を描き、深く寄せられた眉間の皺を妖しく飾る。ぼーっと白霧に煙らせた双眸を、泣き濡れるかのようにジュンジュンと潤ませて、目覚めはじめたおんなのサガを露わにしていた。
「まなみさんの乳肌すごいです。こんなに滑らかで、すべすべふるふるで、掌が蕩けちゃいそうです」
まなみに負けないくらい額に汗を滲ませて、手指の熱を乳房に伝える。
「ああ、切なくなってきちゃう……お願い、洋介くん、まなみのおっぱいを揉んでぇ」
じっとりと濡れた瞳でも「お願いだから」と訴えかけてくる。
洋介は、下乳から少しずつ掌の位置をずらし、中腹のあたりにあてがった。そしてついに、ゆっくりと開いては閉じの運動を加えはじめた。
「ああ、すごい弾力っ! ぷにょんとした手触りが、僕の掌にまとわりつきます」
感極まったような声で、感想を述べると、まなみが女体をぶるぶるっと震わせた。
下半身を、はしたなくもじもじさせて、その太ももで甘く熟れた果肉をぐじゅぐじゅと擦りつけている。
「あうんっ……いいわっ……気持ちいいっ……この感覚久しぶり、洋介くんわたし……っ!」
丸い稜線にあてがった手指を、連続して肉房に食い込ませる。その圧迫は、洋介の昂りと比例し、乳脂肪を隔てて、親指の先と人差し指の先がくっつくかと思うほど強く潰していた。
「ほむうううっ……あ、ああ……くふう…うぅっ、うあああん……」
行き場を失った遊離脂肪が、乳肌をぱんぱんに張りつめさせる。まなみの大きな乳房は、洋介がまともにその劣情をぶつけても、受け止めてくれる安心感に満ちていた。
事実、強すぎる圧迫に痛みもあるはずだが、乳房をぐいっと洋介に突き出すようにして、それを上回る快い電流に身を任せてくれている。
「すごいっ……すべすべしていて、ずっしりふわふわで、僕、おっぱいだけでこんなに興奮するの初めてですっ!!」
肉房の大きさの割に、控えめだった乳頭が、むくむくっと鎌首をもたげ、物欲しげに膨らんだ。「ここも触って」と自己主張しているのだ。
「極上のおっぱいに、僕やられちゃいました。それにまなみさんって、こんなにすけべだったんですね」
「ああん、いや~ん。すけべなんて嘘よぉ」
「嘘じゃありません。だって、ほらまなみさんの乳首、こんなにこりこりに尖っている。やらしいけど綺麗だぁ」
ふたつの薄茶色の乳頭を、親指と人差し指に挟み込み、外側にやさしくねじるように、くりっくりっとひねる。
「ふひっ! ああぁ……ち…くびぃっ…そんなにしないでぇ……くりくりって触っちゃだめぇん……」
「それじゃあ、吸っちゃいます!」
唇をタコのようにすぼめて、ちゅうちゅうと吸いつけた。
「あん、そんな、いやああっ、そ、そんなに吸わないでぇ」
唇の及ばない方の乳頭は、相変わらず指先で甘く潰してやる。