「ぶちゅるるっるっ……いいのよ……ぐちゅちゅずるるん……私のお口の中で果てても……じゅちゅちゅ……くちゅるるるん……我慢しないでぇ!」
菜緒の舌腹がエラ部に巻きつき、肉竿に滑り落ちていく。かと思うと、頬を窪ませるほどの強いバキュームで、洋介の精を搾り取ろうとさえしてくる。
んっぷ、んっぷ、くちゅ、ぶちゅちゅっ、くぷっ、んぷっ、んんっぷ──。
悩ましい息遣いを小鼻から洩らしながら、菜緒の口淫はよりリズミカルに、より大胆さを増して洋介を快楽の淵に没入させていく。そのあまりの気持ちよさに切羽詰まった洋介は、腹筋の力で頭を大きく持ち上げて、彼女の股間部に顔をめり込ませた。
途端に、甘酸っぱくも、もわっとした臭気が押し寄せた。洋介の勃起を咥えるうちに、興奮した彼女も、すでに女陰を濡らしているらしい。
「ふぬううううんんっ!」
悩ましくもくぐもった悲鳴が上がった。
ほっこりしたお尻が左右に振られ、洋介の顔から逃れようと抗う。けれど、両脇に、ほこほこした温もりを放つ美脚を挟み込んでいるため、逃げられることはなかった。
焼きたての食パンのようなふかふかの尻朶に顔を擦りつけ、下半身から湧き上がるやるせなさを存分にぶつけるのだ。
「ああん…洋介ぇっ……らめよ……じゅちゅりゅりゅりゅ……そんなところひ、顔をおひちゅけちゃらめええ……ぶちゅるるるっ」
肉塊を咥えたまま抗いを漏らすため、言葉が明確な輪郭をなさない。舌足らずのような、ろれつが回らない響きが、彼女の可愛さを増幅している。
嫌がるお尻を腕の力で押さえつけ、鼻でほじくるようにして股間部に擦りつけた。
女陰があるはずのあたりをしきりにほじり、掌では尻朶を強く揉み解す。レギンスに覆われている上に、菜緒のふかふかの尻朶は、強いくらいに愛撫しても大丈夫という安心感を与えてくれる。
「ひうっ! やあああっ、だめえ、ああそんなのだめええっ!」
菜緒はたまらずに咥えこんでいたものを吐き出すと、ぎゅんと背筋を弓なりに撓めた。
ふりまかれる牝臭が、その濃厚さを一気に増した。
興奮のあまり洋介は、そのレギンスの股間部を唇に咥えこみ、舌先でレロレロと舐めまわした。そこに湿気を与えることで、菜緒の淫汁が滲みだしてくるのを促そうというのだ。
「あふんっ……やああっ、そんなにしないでえ! ねえ洋介、私もシャワー浴びてないのよ……ねえったらあ」
見る見るうちにレギンスに黒い濡れ染みが増していく。心なしか甘酸っぱい臭気も増した気がする。
「でも菜緒のここ、Hな匂いがする。ここの匂いを嗅いでいると、頭の中がくらくらしてきちゃうんだ」
「やだ、洋介のH! 女性の恥ずかしいところの匂いを嗅ぐなんて最低っ!」
拗ねたような表情を見せる菜緒だったが、その瞳は淫情に燻っている。
「あれ? 怒らせちゃった? ごめんごめん。たまらない気持ちになるほど興奮しちゃったから……ねえ、そんな怒らないでよ」
「別に怒ってないわよ……ちょっと恥ずかしかっただけ……ねえ、洋介、一緒にシャワー浴びようか?」
「そのあとだったら、菜緒の恥ずかしいところ舐めさせてくれる?」
「うふふ。洋介がそうしたいのなら……」
頬を赤らめながらも頷くその姿は、最高に可愛らしくもあり、ふるいつきたくなるほど妖艶でもあった。
3
菜緒に手を引かれ導かれたバスルームは、当たり前のことながら洋介のところと寸分造りは違っていない。それでも、どこか雰囲気が違って見えるのは、脱衣所の壁一面を独占する大きな洗面台の前に置かれた化粧道具やフレグランスなどの小瓶のせいであろうか。
きょろきょろと見回す洋介に、菜緒があわてたように洗濯籠の上にバスタオルをかぶせた。洗濯前の下着でも入っているのだろう。
「そんなにあちこち見ないの。散らかしていて恥ずかしい」
菜緒はそう言うが、洋介の感覚からはそれほど散らかっているように思えない。
洋介が挙動不審にあちこち視線を飛ばすのは、物珍しいからばかりではない。いざバスルームに連れられても、照れくささと気恥ずかしさに、どうすれば良いのか判らなくなっているのだ。それは菜緒も同様のようで、頬を色っぽく上気させながら、何をどうしようかと躊躇っている。なんだかんだ言っても、やはり彼女は女性であり、自分よりも年下なのだ。そんな彼女が愛おしくて、その美貌に見とれていると、こちらの表情を窺うような視線とぶつかった。
「あははは……な、なんだか照れくさいね」
互いに笑いあいはしたものの、ぎこちない空気が流れている。
「うふふ。いざとなると、やっぱり恥ずかしいわね。それに、そんなふうに見られていると脱ぎにくいし……。ねえ洋介、脱がせっこしようか。その方が、愉しいよね」
言いながら洋介のジーンズのファスナーに菜緒が手を伸ばしてくる。
(なぜこうなった? 知り合って間もないのに、しかも人妻さんと……良いのか?)
こんな美味しい目に遭っていては罰があたりそうだと思いながらも、洋介は菜緒にされるがままジーンズを脱がされていく。
膝を交互に上げて両足を抜き取ると、今度は洋介が菜緒の春らしい浅黄色のサマーセーターに手をかけた。
恥じらうような上目づかいが、悩ましくもあり可愛らしくもあり、いやが上にもテンションが上がる。