「ああん。やっぱり恥ずかしい……」
くなくなと身を捩らせるものの、抵抗する素振りは見られない。それを良いことに洋介は、ゆったりしたセーターの裾を掴み、一気にまくり上げた。
両手を天に挙げ、脱がせるのを手伝ってさえくれる菜緒。露わになった細身の上半身には、腰骨あたりまで丈のある白いチューブトップの下着がつけられている。コットン地のチューブトップは、伸び縮み自在に作られているらしく、細身にぴったりとフィットしているのだった。
「あのね。私、普段からノーブラなの……。締めつけられるのあまり好きじゃないし、それにほら、私ってあまりおっぱい大きくないから……」
何に対する言い訳なのか、菜緒が恥ずかしそうにそう言った。
細身の割に、胸元だけが前に膨らんでいる。艶光しているデコルテラインがなんともセクシーだった。
「はい。今度は洋介が万歳して」
真っ赤な顔で促してくる菜緒に応え、やや膝をかがませて万歳をする。
はぎ取ったTシャツを丸めた彼女は、すぐに下半身にへばりつくパンツにも手を伸ばし、ずるんと脱がされてしまった。
「うふふ。やっぱり大きい……」
脱がせっこに興奮しているため、肉塊はとうに勃起している。先ほどすでに、菜緒の目に晒していたので、見られることにもさほどの抵抗を感じない。それよりも、彼女を裸に剥くことに、気が向いているのだ。
「今度は、僕の番!」
しゃがんだままの菜緒の背中に手を伸ばし、コットン地の真っ白いチューブトップをたくし上げていく。
チューブトップの内側には、背中までぐるりと一周したブラカップが内蔵されていて、ずれにくい構造になっている。上に引っ張ると、自然、菜緒の乳房も一緒に持ち上げられて、その限界でずるんと膨らみから剥けていった。
「あん……」
すぽっとチューブトップが脱げた反動で、白い膨らみがやわらかく上下している。
まろび出た乳房は、白桃のようだった。
比較的小ぶりではあるものの、十代らしいぷりぷりの張りのお陰で、ぼんと前に突き出している印象だ。
春霞のような薄紅の乳暈に、可憐な乳首が恥じらっているかのような佇まいだった。
どちらかと言えば、大きな乳房を好む洋介だったが、色つやといい形といいそのあまりの美しさに、声も出せずに見とれてしまった。
「いやぁだあ。何とか言ってよ。そんなに見られちゃ恥ずかしいよぉ!」
菜緒が身をよじると、いかにもやわらかそうに乳房もふるんと揺れた。
「き、きれいだぁ。こんなきれいなおっぱい見たことない」
「うふふ、それで、よし。お上手も言えるじゃない」
「お上手なんかじゃないよ。本心だよ」
「うふふ。ありがとう。でもそんなに見ないでよ。恥ずかしいってば……」
ぺたんと床にとんび座りをしながらまたしても細腰をよじり、洋介のぶしつけな視姦に耐えてくれている。決して胸元を隠そうとしないあたりが、いかにも健気で、若くとも人妻らしさなのかもしれない。
「さあ、立ち上がって、下も脱がせてあげるから」
菜緒の腕をやさしく捕まえて、ゆっくりと立ち上がらせる。
「あん。洋介のH! なんだか急に積極的になってきたぁ」
脛丈の黒いレギンスを脱がせようと、彼女の腰骨に手を伸ばした。
あらためて観察すると、菜緒は小柄ながらも腰高で、すらりとした美脚の持ち主であることが判る。
間違っても彼女の肌に傷などつけぬよう慎重に、その腰骨にへばりついているゴム状の生地の内側に手指をくぐらせた。
ぐいっと横に広げると、下方へとゆっくりずり下げていく。パンと張った尻朶を抜けると、洋介の目前に黒いローライズタイプのパンティが露わになった。
細かい模様のレースは、その下の肌をうっすら覗かせている。
「これも、良いよね?」
「もう、いやな洋介。いちいち確認しないで……」
手中の彼女の温もりでほこほこのレギンスを投げ出し、先ほどと同じ慎重さで、レースのローライズも脱がせる。十代のぴちぴちした尻朶から、つるんと剥けるのがなんとも愉しい。
しかも、薄布を下げるに従い、目と鼻の先に彼女の下腹部が露わになっていくのだ。
白く眩しい下腹部を若萌えの黒い陰りがやわらかく覆っている。まるでアゲハチョウのような形に、丁寧に整えられていた。
繊細な毛先には、蜜液の残滓が妖しく光り輝いている。
ちろりとはみ出した薄紅の肉花びらも、滑るように露を含んでいた。
ふんわりと甘い匂いが漂う中に、先ほども感じた酸性の臭気が入り混じり、艶めかしく洋介の鼻腔をくすぐってくる。
「あん。やあよ。またそんなところの匂いを嗅いでぇ!」
鼻をひくつかせたところを、菜緒に見咎められてしまった。
よほど恥ずかしいのだろう。あわてて腰を引く菜緒。胸元まで、ぱあっと上気させている。
「だって、やっぱり、ここ悩ましい匂いがするから……。でもすごく良い匂いだよ。舐めちゃいたい誘惑に駆られるんだ」
「うふふ。じゃあ本当に舐めてもらっちゃおうかなあ。でも、それはシャワーを浴びてから。ほら、入ろう!」
菜緒がまた大胆なセリフを吐いた。けれど、その表情は愛くるしいほど羞恥の表情に満ちている。つまりは、洋介の優柔不断を見定めて、挑発してくれているだけで、口ほどふしだらなわけではないようだ。