人妻フルコース~熟れ頃・食べ頃・味見頃~

(彼のは、いかにも女を征服してやるっていう雰囲気が立ち昇っていて、苦手だったけど、秋山くんのは、威圧感もなにもない、まっさらな印象だわ)

「あっ、あの、あまりジロジロ見られると、はっ、恥ずかしいんですけど」

腰をもじもじさせながら、消え入りそうな言葉を発する拓実に、悠里の中に眠るかすかな嗜虐心がくすぐられた。両手で淫茎を隠したいのだろうが、辛うじて我慢している姿がたまらなく可愛い。腰が震え、背筋にさざなみが駆けのぼっていく。

「市民会館内っていう公共の場であんな大胆なことしていたのに、恥ずかしがるなんておかしいわよ」

「そっ、それは……」

「ねえ、ちょっと触ってみても、いいかしら? いいわよね」

「はい。どっ、どうぞ」

向かい合って座っていた悠里もソファから立ちあがり、少年の前に膝立ちになると、悪戯っぽい目で拓実を見上げた。小刻みに身体を震わせながら、男子高校生は小さく頷き返してくる。

(なんか緊張するわ。いけないことをしているっていう思いが、そうさせるのかしら。それとも、いつもは求められるままに触っている男性器に、自分から積極的に触ろうとしているから……)

コクッ、若妻の喉が再び上下に動く。心臓が口から飛び出しそうな緊張の中、悠里は右手をペニスにのばした。鎌首をさげている淫茎、その竿の中ほどをそっと握ってやる。フニュッと頼りなく、柔らかな感触が指から伝わってきた。

「ンはっ!」

「えっ! キャッ、す、すっごい……」

拓実の口からうめきが漏れた直後、悠里の口からも驚嘆の声がこぼれ落ちた。

軟竿に指を絡めた次の瞬間、信じられない勢いで亀頭が頭をもたげたのだ。肉竿には一気に血液が集まり、頼りなかったペニスが、急角度でそそり立つ、熱い鋼の強張りへと変化を遂げたのである。

(嘘!? こんなすぐに、ほんのちょっと握ってあげただけで、勢いよく大きくなるなんて……。凄いわ、彼のより、ずっと硬くて、熱い)

フニャリとした頼りなさは微塵もない、血液が充満した漲り具合に、思わず目を剥いてしまった。大きさ自体は二十八歳の旦那に軍配があがるが、その硬さと熱さは夫のモノを軽く凌駕している。

「す、すみません。あの、ぼ、僕……」

「いいのよ。ちょっと触っただけで硬くしちゃったんで、ビックリしただけだから。私の手、気持ちいいの?」

「は、はい。すっごく、気持ち、いいです。僕、料理教室に通うようになってから、ずっと、悠里さんに憧れ、くぅぅ、そんな強く、こすらないでぇ」

「あっ、ごめんね。こう、これくらいがいいのかな」

あまりに素直な拓実の反応に、ペニスを握る右手には自然と力が入ってしまった。それを指摘され、慌てて指の力を抜き、優しくこすりあげてやる。

「はぁ、いい。とっても、気持ちいいです。まさか憧れの悠里さんに、握ってもらえる日が、くる、なんて……」

「憧れなんて。いきなりオチンチンを見せろって言われて、幻滅したんじゃないの」

「しませんよ! だって、悠里さんの触り方、とっても優しいもん。きっと理由があるんですよね。あんな失礼なことした僕を許してくれた、大好きな悠里さんの役に立てるなら僕、なんだって。憂さ晴らしの相手でも、なんでもしますから。だから……」

切なそうに眉を寄せながら、真っ直ぐに若妻を見下ろしてくる真摯な眼差しに、悠里の下腹部がズンッと震えた。子宮が疼き、淫蜜がジュッと股布に滲み出していく。

(ヤダ、すべて見透かされてるみたい。そんなに私の態度、あからさまで怪しかったのかしら。それとも秋山くんが鋭いのか。どちらにしてもダメだわ。こんなに真っ直ぐな言葉をぶつけられたら、私……)

「もう、秋山くんったら、生意気言って。後悔しても、知らないわよ」

心の動揺を押し隠すように、若妻の右手の動きが速くなった。右手の親指、人差し指、中指で輪を作って肉竿をこすりあげていたものが、徐々に亀頭方向に移動し、ついには張り出したカリの段差付近を重点的に、扱きあげていた。

チュッ、クチュッ、漏れ出た先走りが若妻の指を濡らし、粘ついた手淫音が妖しく鼓膜を震わせてくる。

「大丈夫です。悠里さんのためなら僕、ほんとになんだって、あぁ、いい、そこ、くっ、亀頭の裏側、優しくこすられると、くぅぅ、出ちゃい、そうです」

突然、拓実の腰が震え、ペニスがビクンッと跳ねあがった。鈴口からさらに大量の先走りが漏れだし、人妻の鼻腔を若い牡の精臭がくすぐってくる。

「あら、こんなことで出しちゃダメよ。まだよ、もっと我慢して」

(どうしよう、私、どんどん淫らになっちゃう。いつもは求められるままにだけど、いまは積極的に男の人を気持ちよくしようとしている。これも秋山くんが凄く素直な反応をしてくれているからだわ。だから、もっとしてあげようって気になって)

受け身でしかなかった性戯を能動的に行おうとする心境の変化に、少なからず驚きを覚える。そしてそれをもたらす少年への感謝が、さらなる行為へと悠里を駆り立てた。

桜色の可憐な朱唇が恥ずかしげに開き、牡臭の源へと近づいていく。鼻腔の奥を刺激する匂いに性感を揺さぶられながら、張り詰めた亀頭に唇を押し当てた。

「チュッ、ンむぅ、はぅッ、むぅぅン……」