人妻フルコース~熟れ頃・食べ頃・味見頃~

「なによ、文句あるわけ?」

「いっ、いえ、あっ、ありましぇ、うぅん、ありません」

「それならよろしい。ふふふっ、拓実くんって、ずいぶん初心な反応するのね」

「そ、そう、ですか?」

拓実の左隣に腰をおろした三十路妻。肌が触れ合いそうな近さに、心臓がドクンッと高鳴った。視線をチラッと横に向ければ妖艶な顔立ちが、少し下におろせば、タンクトップを盛りあげる乳房の膨らみが、そして斜め下に向ければ、予想外にムチッとした太腿が、触ってもいいのよ、とばかりに飛びこんでくる。

(ヤバイ、すっごく落ち着かない気持ちになってきた。どうしよう……)

考えてみれば、いまこの場には晴恵と拓実しかいないのだ。艶っぽい人妻と二人きりという状況が、落ち着かなさに拍車をかける。目のやり場に困るあまり、視線が挙動不審に部屋中を彷徨う。

「ふふふっ、ねえ、千佳子先生の胸の感触、どうだった? 気持ちよかった?」

「ちっ、千佳子せっ、並木先生の胸の感触って、なっ、なんですか、それ」

いきなりの質問に、心臓は早鐘を打ちはじめた。さらに落ち着かない気持ちになり、お尻がモゾモゾとしてくる。同時に、背中には千佳子の柔らかくひしゃげた豊乳の感触が甦り、ゾクッと背筋が震えてしまった。

「あら、料理教室で指を切ったのって、千佳子先生のオッパイの感触にポーッとなってたからでしょう? 凄いものね、先生のオッパイ。Gカップもあるんだもの」

「ジっ、G、カップ!? そんなに大きかったんですか、先生のあのオッパイ」

(G! EやFのさらに上ってどんだけ……。それが、僕の背中にグニュッと……)

再び熟した乳房の柔らかさが背中に甦ってきた。思い出すだけで、夢心地の表情になってしまう。ペニスがビクンッと胴震いを起こし、ジーンズと下着の中で、窮屈そうにいきり立ってしまった。

「ほ~ら、やっぱり。気になってたんじゃない」

「あっ、いえ、そ、それは……。そ、それより、坂下さんは、どうしてそんなことまで知ってるんですか? 昔から、お知り合いなんですか、先生と」

頬を赤らめ、ウットリとした思いに浸っていると、晴恵のからかうような声が左耳をくすぐってきた。一気に現実に引き戻される。バツの悪さを誤魔化すように、再び麦茶で喉を潤した拓実は、逆に質問をぶつけていった。

「昔からの知り合いではないわ。千佳子先生、三年前からあそこで料理教室をはじめたんだけど、私は当時から通っているの。だから、ほかの生徒さんよりは親しいかもしれないわね。旦那さんの転勤で引っ越すことになって、三月で辞めちゃった人がいたんだけど、引っ越しをする前に、その人と千佳子先生、私の三人で温泉に行ったのよ。そのときに見たのよ。あの大きな、拓実くんの背中にたまらない感触を残したであろう、オッパイを、ナマで、ねッ」

「せっ、先生のオッパイを、なっ、ナマで……ゴクッ」

脳裏に、すべての衣服を剥ぎ取った千佳子の裸体が浮かんできた。もちろん、女性の裸など雑誌やネットでしか見たことがないため、想像上の裸体である。しかし、著しい興奮が総身を襲い、震えた強張りの先端からは、先走りが滲み出してしまった。

「そうよ、ナマよ。大きいのに、まだ充分な張りもあって、素敵だったわよ」

「さ、触ったんですか?」

「ええ、ちょっとだけ、触らせてもらっちゃった。羨ましいでしょう」

「は、はい」

脳がポーッと熱くなり、感じたままに素直に頷いてしまう。

「ふふふっ、女性の胸、触ったことある?」

「いえ、ないです」

「そう、じゃあ、拓実くんはまだ、童貞、なんだ」

左耳にハスキーボイスの囁きが聞こえ、左の二の腕にはムニュッとした感触が伝わった。ゾクリと背筋が震えた直後、晴恵の左手がジーンズを盛りあげる膨らみに、そっと被せられた。刹那、脳天に突き抜ける痺れが襲い、一気に現実に引き戻された。

「うわぁっ! さっ、坂下さん、なっ、なにを!?」

「凄いわね、カチンコチンになっちゃってる。思い出しただけで、こんなになっちゃうくらい、千佳子先生のオッパイはよかったってことね」

ソファから飛びあがらんばかりの驚愕に見舞われた。股間に這わされている艶妻の左手を、慌てて右手で掴んでいく。艶然と微笑みながら、晴恵は素直にズボン越しの強張りから手を離してくれた。

「や、ヤメテくださいよ、急に変なことするの」

両手を股間の上で組み、かすれた声をあげた拓実は、震えた瞳で三十路妻を見つめていくのであった。

─ 3 ─

(ヤダ、なに、この初心な態度。可愛い……。こんなこと、するつもりはまったくなかったのに……。でも、あんな初々しい態度を示されたら……)

怯えた小動物のような拓実の態度に、坂下晴恵は胸がキュンッとさせられていた。

夏休みの期間だけ、料理教室に通うことになった拓実。初日にたまたま同じ調理台になったことから、教室に通うことにした理由などを聞いていた。どことなく幼さを残しながらも、真面目な態度に好感を覚え、同じ調理台でレッスンを受けていた。そのため、レッスン終了後に本屋で拓実を見かけたときは、単純に自分の持っている料理本を貸し与えるために、自宅に誘ったのである。

「ねぇ、拓実くん。普段はこれ、千佳子先生のオッパイのことを考えながら、こすったりしているの?」