不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

「お待ちかねのチンポだよぉ……!」

余りある蜜で潤みぬかるむ膣口を、硬く滾った剛直が滑るように一気に突き破る。

「んひぃッああぁぁぁぁ!」

詩織にとって半年ぶりとなる性器結合は、かつてない強烈な衝撃を伴い訪れた。

「くふぅっ! おほ、おぉぉ……ちんぽ吸い込まれるぅぅ」

根元まで突き入った状態で嬉々と震える牡の脈動が、割り裂かれたばかりの膣肉に波及し、膣全体の収縮を促した。夫との交合では得た事のない深い結合感に、惑い、慄き、怖じたはずの女芯から、切々と情欲の渦が湧き上がる。

「んっひィィィッ!?」

「うはぁっ……締まる、締まるぅぅ……挿入しただけで軽くイっちゃうなんて、やっぱりボク達、相性抜群だねぇ」

上体を起こし、正常位の体位で詩織と繋がったユウゴが、眼鏡の奥の細目をより細めて恍惚に浸る。その背と声に奔る小刻みな震えが、彼の内にも性的快楽が雪崩れ込んでいる事を示していた。

「イっ、てなんか、っは、ぁぁ……っ! んっ、ふっ、あひィィィッ!」

口でいくら否定しようとも、結合した股を伝い、全て筒抜け。二度の絶頂で準備が整いきっていた膣穴が、太い幹を易々呑んで食みついている。覆しようのない現実が、詩織の胸に慟哭を、ユウゴの股間にさらなる滾りを足す。

不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

「ひッ! うぅあっ、ぁは、あぁんんんっ……」

深々と潜った肉勃起が、膣奥付近の上壁をやんわり押し上げながら脈打った。その圧倒的な質量と熱量、脈の猛々しさ。全てが混然一体となって詩織の情動を誘った。

「じゃあ、動くね。たっぷり気持ちよくするから」

告げるなりユウゴが腰を引く。ズルズルと抜け出る肉凶器の摩擦に犯されて、まだ収縮真っ最中の膣襞が盛大にうねり悶えて、また、掻き出された蜜が漏れるのと同時に喘いだ詩織の胸元で、双乳が弾む。

「ふっ、ぅぐ、うぅうっ、せ、せめてゴムをっ……お願いぃぃっ」

再来した摩擦快楽が、嘆く若妻の腰から背に巡り、海老反った上体が淫熱を汗ごと噴いた後にまたシーツへと沈んだ。

レイプされた実感を肉悦の只中で噛み締めるにつれ、新たな危機感が胸を衝く。

「詩織との初セックスは生……って十二年前からずっと決めてたんだよ。だから、そもそも用意してないよ。ごめんね」

「そんっ、な……じゃあ、抜いて! うぅ……ふぐっ、うぅ、抜いてぇぇっ」

全く気持ちのこもっていない謝罪を受けて、妊娠の恐怖を強めた膣肉が緊縮する。それを見越していたかのようにスリスリと、肉の幹が膣の上壁に摺りついた。

(ちが、うっ。これっ……幸太郎さんのと擦れる場所が全然っ……!)

夫のペニスの切っ先が到達し得なかった、膣洞の、全長の三分の二近辺。

ユウゴのペニスは苦もなく届いて、肉壁に丹念な摩擦と圧を施してゆく。

彼が腰を押し引きするたび扱き上げられる膣の上壁に、夫との交合では一度も得られなかった火照りと、愉悦を伴う痺れが溜まり込む。

熱と痺れをたっぷりと吸った膣全体が、異物である肉棒をぎゅっと抱き締め、揉み捏ねる。そうしてますます猛った肉棒の鼓動と共に吐き出された先走りのつゆが、より小刻みで速いピストン運動を実現させた。

「ぁぐ、っ、んんぅっ、はひ……んっ! んはぁ……うぅ、んっ! んんんぅぅぅっ」

「そこが、イイんだね? いいよぉ。たくさん、たっくさん、擦ってあげる。好きなだけイカせるって約束したもんねぇっ」

約束などしていない。一方的にユウゴが宣誓しただけだ。そう言い募りたくとも、彼の腰遣いが許してくれなかった。

ユウゴが腰を八の字に回しだすと、男女の分泌液が亀頭にシェイクされて泡立ち、膣内のあちこちで粘々と糸を引いた。あまりにイヤらしいその感覚が、腰の芯のみならず脳裏にもしつこくこびりついて、延々詩織の被虐を炙り立てる。

(幸太郎さんとするのと全然違う。こんなセックス、知らない……!)

小刻みに押し引きして、腰の回転も交え、膣の四方の肉を丹念に捏ねほぐしてゆく。直線的に突き押すばかりの夫・幸太郎のピストンとはまるっきり別物だ。

「力押しでされるよりも、ネチネチされるほうが好きでしょ?」

「んく、うぅ、そんな事っ、やぁ、あひっ! ン! ンンぅ……っ」

事実、ユウゴのねちっこい律動によって膣肉は嬉々と躍動し、焦らし合いすら楽しむように肉の幹に舐りついていた。

電雷めいた痺れは、若妻の四肢末端を震わすのみならず、快感を認めず抗う頭の中でも繰り返し轟いては弾け、理性と抵抗心を削ごうとする。

「ボクのチンポの長さだと一番擦りやすい場所に弱点持ってるなんて、本当に運命的だ。嬉しい。嬉しいよ詩織ぃぃっ」

呼び捨てられた事を厭う余裕もなく、性器の作りと性癖、二重のフィットぶりに恐怖した。こんなにも相性の良いセックスを知ってしまったら、夫との行為では満足できなくなってしまう。否、そもそも満足できていなかった肉体の疼きが、より耐え難いものに変質して日々の生活に影を落とすのでは、と。

(そんなの嫌っ! 耐えて、逃げて、私は幸太郎さんの所へ帰るんだから……!)

せめて心だけでも強く、抗いの意思を瞳に乗せて──そんな儚い抵抗までも、ユウゴのテクニックが瞬時に手折ってしまう。

「ひひ。じゃあ次は……こういうの、どうっ?」