(あぁ、幸せだっ……!)
同窓会の夜に偶然、運命的な再会を果たしてから、ずっと気持ちを通じ合わせる時を夢見てきた。それが、もうじき叶おうとしている。
この上なく張り詰めた肉の砲身を乳の谷に滑り馴染ませる傍らで、ユウゴは万感の思いを噛み締めた。
父が成り上がり、後継者として強制的に学ばされた日々も。そのストレス発散のため酒を覚え、有り余る金で買った女相手に技巧を磨く事となったのも。それらを経て人付き合いの仕方を学び、身に付けたのも。全て今日のための必要過程。下拵えだったと思えば、苦労の記憶すら喜びに成り代わる。
「大丈夫だよ。匂いに釣られて誰か来ても、絶対僕が詩織を手放さない。護るから」
「……っ、んっ、うんっ、約束、だよ。絶対……私を護って……っ」
二人で作り上げた夢想の世界に浸る中。共に、胸に抱え続けた空白にラストピースがしっくりと馴染む喜びを甘受した。
その上でさらに貪るべく、男は腰を振り、先走りのつゆを摺り込み、女は汗の浮いた乳肉を押しつけて、肉棒の硬さ、弾力、熱さを堪能した。
「このまま、出すよっ」
休みなく乳谷を擦り続けたユウゴの背に、喜悦の痺れが迸る。
すでに肉棒の様子から汲み取っていた詩織は、期待と恍惚に満ちた満面笑顔で、歓待してくれた。
「また、昨日みたいにっ、胸も顔もドロドロにっ……してぇぇっ」
共同で夢想世界を構築する喜びが、摩擦を介して乳と男根に火照りを与え、火照りがより一層の積極行動を促す。共にリズムを合わせて動きだした肉棒と乳肉が、汗と先走りのつゆを交えてニチニチと淫らに吸いつけ合う。
「真面目を装ってる顔も、スケベなおっぱいもっ。眼鏡も制服もっ、ボクの匂いと味で染め抜いてあげるっ……!」
「ふぅ、うぅんんっ、う、んっ、んッ、きて、ぇぇぇっ」
支配宣告した牡と、受け容れた牝。互いの熱視が注ぐ接地面で、男根が嬉々と跳ね、揺さぶられた双球も汗散らし弾む。
肉幹の状況から間近の限界を読み取った詩織の手が、ギュッと目一杯に左右の乳肉を押し狭め、密着度と、勢いも増して肉棒を擦り磨く。
「ふぁっ、は、あぁ……っ、部室セックス、最高だね詩織っ」
腰元から迫り来る予兆を察知しつつ、ユウゴがあえて「セックス」という単語を用い、詩織の渇望を炙った。
「ん……! んっんんっ、うんっ、セックス……! ユウゴ君とするの、凄くっ、気持ち……イイのぉ……っ!」
喘ぐように叫んだ口唇が唾を吐き出し、ちょうど乳の谷から突き出てきた亀頭へと舐りつかせる。下目遣いに固定された詩織の視線が、限界を迎えて目一杯に開いた尿道口へと舐りついた、直後。
「くぅ……ッッ!」
びゅるっ、と勢いよく、喜悦の塊がユウゴの腰の芯から飛び出てゆく。噴き上がった白濁の第一陣は、突き出され待っていた詩織の舌先を直撃した。
「んへぁっ! あぁ……!」
苦みに蕩けた恋人の、トレードマークである眼鏡へと第二陣の飛沫がべっとりと噴きついて、間もなくドロリと滴り落ちてゆく。
高校当時の詩織を汚した。そんな背徳的興奮が際限のないエネルギーとなって、男根内に満ち満ちて──三陣、四陣と続く白濁の噴水の勢いは一向に衰えず、寄せ着いた乳房、制服の胸元や襟、袖口にまで精液が飛散、生臭さごと沈着する。
「あぁ、詩織、やっぱりボクは君とじゃなきゃっ……くぅっうぅ!」
詩織こそが理想の相手。至福の只中で再認識した男の肉棒がなお乳谷を往来し、内に溜まった想いの丈を絞り出す。
「ふぁ! あっ、ん……んふ……顔中、うぅん、頭の中までユウゴ君の匂いで、いっぱいぃ……」
鼻から吸った性臭にもあてられて、胸から上を白濁にまみれさせた詩織が哭く。
期待と飢餓にせっつかれてくねる女体の艶めかしさと、射精中の肉棒をなお扱いて止まらない乳房の、たわみ跳ねるイヤらしい様。
吐き出したばかりの種汁すら潤滑油に、卑猥な粘着音を響かせる摩擦快楽。
その相手が他ならぬ、十年越しの恋慕を向ける詩織である事。
幾重もの悦びに憑かれた肉棒の射精は、なかなか収まる気配を見せなかった。
4
詩織が顔と胸に続いて、外した眼鏡に付着した精液も舐め取り、最後の一滴まで胃袋に収める。その一部始終を満悦顔で見つめ、ユウゴは決意も新たにベッドを降りた。
「……精子まみれの顔も、綺麗だよ」
本音を告げて、また一枚、二枚と正面から撮影。すでに彼女でいっぱいのスマホのメモリーに、新たな痴態が蓄えられてゆく。
「ん……ゃ、ぁ……んっ」
カメラを通して舐りつかれ、身震いした詩織。その彼女が今度は、視線による無言の催促をよこす。察してすかさずユウゴの手指が詩織の黒髪に滑り絡む。
ユウゴが目配せして指を差し出せば、自然と詩織の舌が伸び、舐りつく。
眼差しを絡めて意思疎通を図り、相手の望みを叶え合う。仲睦まじい恋人同士でもそうそう成せぬだろうスキンシップを経て、熱と疼きを溜め込んだ男女の生殖器が同時に甘い呻きを発した。
「くすぐったい、わ……」
甘えた声を紡いでは、隣に腰を下ろした間男へと身を摺り寄せる、詩織。
(この女はボクのものだ……!)
強い占有欲が溢れ出し、柄にもなく照れに見舞われたユウゴが続けて思う。
(同窓会に詩織をよこした旦那も、似た気持ちだったのかもしれないな)