不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

「ふぁ、あ、ん、あぁ……っ、ユウゴっ、くふぅっ、うぅんん」

よたよたとした足取りでの前進は、二十歩ほどを数えた所で、ユウゴが詩織の腰を捕まえる形で停止と相成った。

「ね……詩織。みんなに、今日来てくれたお礼。しなきゃいけないね?」

亀頭部が内股を擦る瞬間に内股で締めつけ、彼の興奮の証である先走りのつゆを掠め取っては悦に入る。そんな肉悦の只中に浸かり込んでいた詩織の目が、伴侶に促されて、前方の仲間達に再度向く。

「はぅ……ん、ぅっ……? ふやっ、あぁっあっんんぅぅっ」

嬉しげに囁いたユウゴが腰を押し出し、肉棒で尻の谷を摺り愛でながら、無言を通す。答えは自分で見つけて、という趣旨だろう、と詩織は理解した。

お礼──同好の者が悦ぶ事。何をどうすればよいのか。結論を得るまでに、さしたる時間は要さなかった。

共通の性癖を有する自分が悦ぶだろう事をすればいいのだ。答えが出たのを察したユウゴが肩越しに覗き込み、最愛の熱視線を浴びせてくる。昨夜のように手を繋いではいないけれど、腰に押しつけられる肉勃起の熱量が勇気をくれた。

意を決して自らの両手を股の付け根に這わせると、それだけで察した同志達が膣口へと視線の集中砲火を浴びせてくる。

恋人と仲間の熱視を浴びて淫靡にくねった腰と内腿が、挟まる肉棒を愛で扱く。淡い陰毛が、照りつける太陽に炙られて、恥丘にひと際の熱を染み込ませる。

「こ、これから……ユウゴ君のチンポを頬張るオマ○コ穴。汁まみれで、はしたない穴の奥までっ……どうぞ、ご覧になって、ください……」

意識せずとも淫蕩の色を帯びた宣言が、より一層の喜悦を集った皆々の胸と股間に刻む。

(あぁ、熱い……みんなの視線も、ユウゴ君のおちんちんも、私のオマ○コだって)

そのどれもが、自身の痴態がもたらしたもの。

(もっと、欲しい──もっと、もっと、熱く、なりたい)

尽きぬ欲求を支えにする限り、露出の悦びを味わい続ける限り、逡巡が生ずる事はない。

摺りつく亀頭がこぼした先走りを内腿に受け止めて、お返しとばかりに肉幹を締めつける傍ら、ゆっくりと、己が手指で蜜壺の口を開ききる。ニチャァ、と糸引く蜜汁が溢れ滴るのを知覚しつつ、喜悦を孕んだ股間を、より見えやすいよう迫り出させた。

「ほぉ。確かにトロトロだ。濡れやすいんだね」

「見ているだけで蜜が溢れてくるものなぁ。露出するための身体を持って生まれてきた、って感じ。羨ましい限りだ」

「大人びた雰囲気なのに、ビラは小ぶりで可愛らしいのねぇ。アソコの毛が薄いのもあって、なんだかすごくギャップを感じちゃうわ」

「幹本君もそこに惚れたのかな? ふふ、指摘されて二人とも駄々漏れじゃないか」

自身らも嬌態に溺れつつの指摘と批評。次々に放たれるそれらが、主賓二人の性癖をこの上なく煽り立て、知らず知らずの内に互いの腰振りを忙しくさせた。

「ふ、ふひっ、ほらっ詩織。もっと見やすいようにしなきゃ……ねっ!」

「ン……ッ、ぁあ……はひぃっいぃぃんっ!」

ズリッ、ズリリッ、と二往復。濡れそぼった股肉を強かに擦り愛でられて、すでに茹で上がっていた詩織の脳裏に電撃めいた快楽が轟いた。ユウゴはさらに、ちょうど摘まみやすい大きさに膨れた乳首を挟むや、いつも通りの丹念さで捏ね回す。

今一番刺激を欲している、膣口の上端──剥けっ放しのクリトリスにあえて目もくれない。焦らしに焦らした後、とどめとして必ず触れてくれるとわかっているからこそ一層の愛しさが募りゆく。

「はひっ、ぁ、あぁっ……み、見て、くださっぁひっ! んひっぃぃいんっ」

脚を大股に広げると、滴り絡む蜜が太陽に照らされて眩く煌めく。風に晒されて冷まされた、その心地が背に伝って震えと化し、茹だっていた脳裏にも幾ばくかの冷静さが取り戻される。そうして改めて、我が身が成す卑猥な姿勢を強く認識した。

がに股気味に脚を開いて腰を落とし、正面に再び集った同志達が覗きやすいよう、手指で開いた割れ目を突き出して披露する。

「中の粘膜まで丸見えよ。エッチなおつゆがネバネバ、糸引いてる。もう堪らないって顔、しているわよ」

(そう、よ。そうなのっ。私っ、もうユウゴ君が欲しくて、繋がりたくて、愛されたくて……我慢、できなくてぇっ。発情……しちゃってる……!)

奥の奥まで覗かんとする数多の熱視線に炙られて、抑制のならなくなった淫尻が盛大にうねった。ついに姿勢の保持が成らなくなり、背後のユウゴに抱き留められる。

「ごめんね。すぐ、入れてあげるから……それも全部、見てもらおうねぇ」

ねっとりと響くユウゴの求めに。

「は、ぁぁ……ひっぅ、ぁん……はひっぃぃ」

喘ぎ混じりのせいで明瞭ではなかったが「はい」と、潤む瞳も振り向けて詩織が意思を伝えた。俗に言う「お姫様だっこ」で抱き上げられた瞬間も、運ばれるさなかも、ユウゴと詩織は見つめ合ったまま。束の間、二人だけの世界に耽溺した。

「んぁ……っ!」

広大な庭園の中心付近に設えられた、白い上物のベンチへと下ろされた直後。詩織は剥き出しの尻に感じる冷たさと、たわむ肉の振動がもたらす小さな煩悶に喘がされ、正面に立つユウゴを仰ぎ見た。

「もうすぐだからねぇぇ」