不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

今しがたまで抱いてくれていた腕の温み、頼もしさを思い返す一方で、彼の股間で、青筋を浮かべ屹立する肉棒を、詩織の潤む眼が凝視する。

触れずとも熱々に滾っているのがわかる剛直。その突端からは先走り汁が駄々漏れて滴り、余裕ぶった態度とは裏腹に彼もまた一刻の我慢もならない興奮状態にある事を窺わせた。

(ユウゴ君が欲しがってくれてる。みんなが見てる前で、私に種付けしたくてしたくて堪らないって顔して……!)

昨日同様、今日も妊娠しやすい周期の只中。すでに当人から口頭で伝えられて知っているユウゴが、眼鏡の奥の眼を血走らせ、子宮の収まる下腹部を凝視し続けている。荒ぶる鼻息、滾り勃つ肉勃起と併せて、彼の興奮の源を読み取るのは容易だった。

今にも暴発しそうな気配漂う主賓二人の生殖器を、ベンチ周りに集う仲間十二名の視線がこぞって炙る。悦にまみれたユウゴと詩織の股間が汁を漏らせば、見つめる仲間達も恍惚にまみれた顔で皆一様に煩悶の身じろぎを披露した。

(ユウゴ君。私、今とっても幸せだよ)

公開受精への期待。仲間達と相互に快楽を高め合える露出性癖の素晴らしさ。二重の嬉しさを伝えようと詩織が、潤む瞳を持ち上げた、直後。

ヒクつき収まらぬ肉棒が、やはり早々の接着を乞うためベンチに浅く腰かける姿勢となって脚を開く詩織の股根へ、蜜溢れる割れ目へと押し当たる。

「ぁひ……っ!」

待ち望んでいた結合が間近にあるのを知ってうねりを強めた膣唇が、触れたての亀頭をはむはむと、甘噛みするが如く歓待した。

もてなされたユウゴが嬉々と腹肉を揺すり、その振動が伝わって詩織の全身も震わされる。特に、投げ出された両脚と、黒チョーカーに彩られた胸元の二つの膨らみが、恍惚に咽び弾んで、衆目を集め、喝采を浴びた。

「初々しいわぁ。でも、そんな詩織さんも、もうじきママになるのよね」

集った女性陣の中で一番年嵩と思しき女性が、やや垂れ気味の乳房をパ─トナーに捏ねられつつ、その彼の肉棒を先刻の詩織同様尻肉で愛で擦り、甘楽と笑う。惜しみのない祝福と、同等の羨望を含む眼差しは、彼女のみならず、ベンチの四方を囲む仲間全員が同様の情感こもる視線を、今まさに結合せんとする男女性器へと注いでいた。

やはり皆、ユウゴにあらかじめ趣旨を知らされている。先刻の予想を裏付ける事態に、詩織はより一層の恥悦と優悦を噛み締め。

(嬉しい──!)

何より純粋な喜びに見舞われ、視姦される下腹部を波打たせると同時に、またユウゴの亀頭を陰唇で食み舐る。わかりあえる仲間に見届けられ、今から愛しい男の子を孕むのだ。悦びに咽んだ膣壺が、ヒクつきを強めた唇から熱く茹だった蜜を溢れさせた。

「ふぉっ!? おぉぉぉっ……し、詩織ぃぃっ!」

「んぁ! はあああぁぁ……っ! はひ、ぃっ、きてっぇぇぇ……っ!」

長らくの焦らしの甲斐あって粘り気の強い蜜汁に張りつかれ、陰唇の蠢動に引きずり込まれるように、ユウゴの肉の棒が割れ目の内へ、呑まれゆく。

(あぁ、入ってきたぁぁっ……ずっと、待ってたんだかぁらぁぁっ)

膣で味わうのは六月の末以来。ひと月以上ぶりの肉勃起の硬さと熱さを心ゆくまで味わおうと、結合直後から膣全体がきつく引き締まる。意識せずとも、互いの感じる部位を知り尽くした男女性器が角度とリズムをぴたり合わせて接着した。

「凄いな。幹本君の太いものを一飲みだ」

気障な態度のまま、感嘆を漏らす男性。先だってはチョーカーの件を指摘した彼もまた、勝気そうな容姿の同年代女性を四つん這いにさせ、背後から肉棒を貫き通していた。不遜に感じる彼の眼差し、言葉、痴態に煽られて、詩織の腰がビグンと弾む。

応じてユウゴの肉棒が、詩織の弱点──膣の前方中腹の壁を擦り上げ。

「はゥッ! ンッ、ひィィッ! そこッ、好きィィッ」

響く快楽に引き攣れた牝腰が強かにユウゴの股間に圧着し、ほぐれきった膣壁で肉の棒を締め舐る。深々呑まれた肉棒に押し出される形で溢れた蜜が、双方の股肉がぶつかった拍子にパチュッと音を立て飛散した。散った蜜の一部が詩織の淡い恥毛を濡らし、照りつける陽光を浴びて煌めかす。

「ぁは……トロトロオマ○コが、絶対離れないぞって言ってるみたい」

最初に声をかけてきてくれた二人の内の一人、童顔が目を惹く小柄女性が、詩織の向かって右側、ベンチ背もたれ越しに覗き込み、うっとり惚けた声音で指摘した。その彼女も、背丈にして三十センチ以上は差があろう大柄男性と背面立位で繋がり、腰を忙しく振り立てている。

「ひっ、あ、あっンン……! だ、って、欲しいのっ……。赤ちゃん……っ、ずっと、ずっとっ……欲しくて……ぇぇっ。んッッ! あぁっああ……!」

「あげるよっ、今日絶対にっ……ボクが孕ませるっ、からねぇぇっ」

長年我慢し続けてきたもう一つの切なる願いを吐露すると、即座にユウゴが上ずり声と上体を被せてきた。

「ン……っ、ふ……ぁむ、ちゅぢゅ……ンンンぅぅっ」

夏の日照りに炙られて汗だくとなっている彼の熱ごと抱き留めて、どちらからともなく口づけし、舌を絡め合う。押し潰された乳房と乳頭が摩擦の悦に酔ったのも束の間。角度を違えて突き擦られた膣肉も嬉々と悶え、蠕動する。