不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

言葉で煽り、熱視線で舐り、抱きついた腕で薄着越しの乳房を捏ね回す。執拗かつ丁寧に逃げ道を潰してゆくユウゴのやり口が、堪らなく好ましい。

「ふぐぅっ、うぅあぁ……はっぁんっ、あぉ、っ、おひぃぃっ、お尻、好きィィッ」

ユウゴ君が好き。愛してる──。そう続けたかった唇は、唾で滑って、絶えず股間へ注ぐ熾烈な摩擦悦のせいもあって、じき、蕩けた嬌声ばかりを噴くようになった。

肛門に肉棒を引き摺り呑む際、ゴム越しであっても存在感を主張する嵩高の雁首と擦れ合う感覚も、肉棒が引き抜ける際の、すがりつく腸粘膜ごと引きずり出される感覚も、巧みに強弱を操るユウゴの腰遣いと併せて、常に詩織の肛門から女芯へと甘美の痺れを注ぐ。

折しも木陰の少年が、少女の手によってズボンを下ろされる瞬間を目撃したせいもあり、比較してしまった。

「あぁらら、緊張しちゃって。女の子の方にリードされてる感じだなぁ。経験もない上にあれじゃあ……単調に押し突くので精一杯だろうねぇぇ」

勢い任せの単調なピストン。言われてすぐに詩織の脳裏に夫の腰遣いが浮かぶ。

(……駄目。あんなんじゃ、絶対に満足できない……。それに、幸太郎さんはお外でセックスしてくれたりしない……!)

冒頭は木陰の少女を哀れに思ってのものだったのに、知らぬ間に己に置き換え、忌まわしき記憶ごと振り払おうと首を振る。改めてユウゴを大切に、優先したいと思っている事実を確かめた詩織の尻に、えくぼが浮く。

不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

うひぃっ、と呻いたユウゴの肉棒がひと際ブグリと膨らんだ──締めつける腸肉で感知してなおさら、えくぼを浮かせた淫尻が忙しく前後に行き来する。じき負けじとユウゴの腰と腹肉も押しついてきて、小気味よいリズムで肉同士のぶつかる音が響きだす。

「ふっ、ふううっ……出すからねぇっ、一番奥でっ」

「だひっ、ひあっああああ」

出して──恋慕丸出しの嬌声を発しようとした矢先に、その恋慕が詰まった乳房を左右共に揉み捏ねられた。喉の引き攣りに連動して震え絞られた腸洞の内で、とろみの増した分泌液が止め処もなく染み溢れる。

カップルの先輩を手本にしようと、未成熟な性器を摺り合わせながら熱視を向けてくる少年少女。その期待に応えるべく忙しく跳ね動いていたユウゴと詩織の腰が、ぴたりと吸いつけ合った状態で停止し──。

「ふぐううううっ!」

「んひっ、いぃああああああ───っ!」

グツグツに茹だった熱汁をコンドームの中にぶちまけながら目一杯に突き刺さった肉棒の主と、それを柔らかにほぐれた肉筒で抱き留め、より奥深くへ誘う蠕動に努めた女。二人の淫猥に蕩けた口唇が同時に、至上の随喜を伝える嬌声を吐き紡ぐ。

「はぁああぁぁっ、ひっ、ひひぃぃ、まだ、出すよぉぉっ!」

「ひぐっうぅぅんんんっ……! ぁは……あっ、あああ、あ─────ッッ!」

二射目の脈動により揺さぶられた腸壁が、火傷したようにビリビリと痺れ疼く。コンドームの遮りによって種汁の直射を浴びられない代わりに、射精中の肉棒の延々と続くピストン、その雄々しい律動と摩擦悦を心行くまで堪能できる。

打ち放たれる牡の鼓動と熱に炙られて高みへと上り詰めた腸洞が、腸液を染み漏らしつつ窄まった状態を維持すれば、絞られた格好の肉棒がまた盛大に震え、ゴムの内に大量の種を噴く。

ブグッとコンドームが膨らむ感触すら抱き留めて、射精に合わせるように詩織も幾度も絶頂に達した。

「はぁッ、はひ……ふ、うううう!」

ちょうど子宮の裏側辺りに見当をつけ迫り出したユウゴの腰の突端から、ひと際強烈な振動。熱を伴う射精の衝撃が、詩織の股の二穴を一挙に陥落させる。

「ぁひッッ! ふっ、ううっ、出ちゃっ、ああっ、んっくううううぅぅぅぅっ!!」

弛緩した尿道が、溜まっていた黄金水をひり漏らし、ツンと鼻にくるアンモニア臭が夜風に乗って漂う。

「あっ……! ああああ!」「沙耶ちゃんっ、うぅ、凄いよっ」

とうとう初結合を果たしながら、なおも目だけこちらに向けてくる少年少女の鼻にも、イヤらしい臭気が届いているのだろうか──。

「ふっ……ぁひぃぃ。またぁっ、イクぅぅっ──」

情欲にまみれて綻んだ、とびっきり淫猥な表情。見せつけるため差し向けたそれに少年少女の羨望の視線を浴び、溢れた優悦感が念押しとなる。

「ボクもっ、ひひっ、まだまだ出るよぉぉっ」

見られながらの野外セックス。その悦びを骨の髄まで知り、しゃぶり尽くさんとする男女の内に宿る熱は、一向に冷める気配を見せなかった。

野外肛姦が開始されてから、二時間ほど経った頃。持参したコンドームの最後の一枚を身に付けたユウゴが、絞り出すように弱々しい射精を終えた。彼のピストンの勢いが徐々に緩み、男女共に長らく続いた法悦の余韻に浸る。

「ふぁ……ぁ、んっ、ふ、ああ……」

萎みゆく肉棒の感触を抱き締めながら、詩織がトロンと惚けた視線を木陰に注ぐも、少年少女は一足早くに去ってしまっていた。余計に宴の終焉を意識付けられ、名残惜しさを募らせた詩織。

その心情を当たり前のように察したユウゴが、萎えかけの肉棒で腸壁を小突きながら、新たな──魅力的な提案を口にする。

「明日、もっと素敵な場所でセックスしよう。……今夜は泊っていきなよ」