不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

「熱い、ね……。ユウゴ君も、いつもよりずっと、興奮してるの。わかるよ……」

照りつける太陽の光よりも峻烈に感じられる熱気が、股肉を摺り上げる肉棒の雄々しい鼓動に乗って止め処なく注がれた。暑さのみならず硬さに関しても、詩織の知る限り過去一番の域に達している。間もなくその剛棒に貫かれる、野外の、衆人環視下で──夢想を連ねるほどに詩織の女陰より染み滴る蜜のとろみも増していく。

「自慢したいのでしょう。やっと理想の伴侶に巡り会えた喜びを知ってほしい。素晴らしい伴侶を隅々まで見てほしい」

また別の全裸男性が言う。私にも覚えがある。そう続けて放たれた彼の言は、きっと真実。八か月の秘密の逢瀬を経てユウゴとの信頼、相互理解を深めてきたし、彼に大切にされている自負もある。優悦漬けの心を表すように詩織の腿が喜悦に震えた。ほどなく汗が染み、より密着を強めた肉棒と交互に熱と震えを伝え合う。

「ひっ、ひひひひっ。みんな、ボクの詩織で興奮してくれてるよぉぉ」

「んっ、あ、ぁんっ、わ、私でみんな……が? あはぁ……っ」

ユウゴのピストン圧に押される形で、よたよたとおぼつかない足取りで前進する。すると気を利かせて通路の左右に全裸男女が別れ、広めに進路を設けてくれた。

ユウゴの言葉につられて同志達を近場から順に眺めると、確かにどの顔もほのかに紅潮し、息を荒らげている。身を捩って隣の伴侶に寄りかかり、互いの性器を撫で合っている者も少なくない。中にはすでに性器より分泌液を垂らし、相手の指で慰められている者もいた。

「あ、あんなに……私達のはしたない姿、悦ばれてるんだね……あッッ、ンンッ」

後ろを振り返り見て尋ねると、ユウゴが首肯し笑顔で腰振りを強めてくる。

押されて詩織がよたよた進めば、同志達は顔を向けたまま、触れられそうで届かない絶妙な距離を保って後方へ下がる。ユウゴ同様焦らしの趣向を踏まえる面々の表情は一様に昂揚と嗜虐で彩られ、淫靡に輝いていた。

「そうだよ、君たちの睦まじい姿を見て、私も妻も触発されてしまった。ふふ、やはり新人が現れると刺激的だよ」

扇の要部分に立つ五十路男性が、左隣の二回りは年の離れた伴侶の乳房を揉みながら語りかけてくる。その彼の勃起──歳に似合わずギンギンに張り詰めていた──も、妻と呼ばれた三十路女性の手に包まれ、慈しまれている最中だ。

(みんなが見てくれてる──)

仲間として歓迎するだけでなく、羨望や同調、性的興奮。同好の士だからこそ芽生える感情の全てをぶつけてきてくれる。

「ぁ、は、あぁ……っ、はぁっ、あぁ……」

全裸の仲間達が見せる痴態を凝視するほど、内なる恍惚と優悦が沸騰し、詩織はより大胆な腰振りを披露してしまう。それを見て仲間達が接吻、ペッティング、フェラチオ等、思い思いの愛情表現に興じる。

眺めるほどに同族意識と優悦を刺激される光景に、堪らずまた胸を張る。そうしてチョーカー備え付けの宝石にたっぷりと陽の光を吸わせ、黒の煌めきを放たせた。

鼻先に香る淫臭には、仲間が放ったもののみならず、詩織とユウゴ、二人の性器が染み漏らす先走りと愛液の匂いも多分に含まれている。

見られ、見つめ、また見られ──終わりなく繰り返される快楽のサイクルに溺れながら、詩織は酩酊したように蕩けた眼を周囲に走らせ続けた。

「ぁは、詩織さんってば、すっごいスケベな目と、腰振りしてるぅ……」

最初に挨拶をかわした童顔女性が、恋人の勃起を口に含み愛でる傍ら、称賛の言葉をぶつけてくる。その彼女の火照りきった表情と、もじつく股根に這いずる彼女自身の手指。そしてそこから響く淫水の撹拌音。

全てが詩織の情動を煽り、より見せつけたい衝動に駆られる。きっと、童顔女性も同じ気持ちを今まさに抱え、恍惚を高めているはず。想像が真実であると示すように見つめ返してくる彼女の股間が、卑猥にくねって蜜を染み漏らす。

日光に煌めくそれがひと際詩織の興奮を誘い、ユウゴの肉棒と擦れ合う蜜壺からもとろみの強い汁が染み漏れた。そうしてより吸着度を増した男女の性器が摩擦に興じ、潤滑油の役目を果たす蜜汁を泡立たせる。仲間の誰より淫猥な水音を響かせたために注目を集め、恥悦にまみれた詩織が赤面を左右に振り、黒髪を舞わせる。

再び大量に染み出た蜜汁を肉棒へとまぶし付け、よりネチョッとした摩擦と猥褻な響きを生みだす。詩織の側から率先して尻をユウゴに押しつけ、腰のくねりも足して、淫猥な粘着音を仲間の耳へとひっきりなしに届けてみせた。

「うひぃっ、欲張りさんだねぇ詩織はっ」

「ゆ、ユウゴ君っ、だってぇぇっ。はあっあぁ……っ。いつもより激しいよぉぉ」

まるでセックスのピストンの予行練習と言わんばかりにユウゴが腰を振り、蜜滴る膣の柔肉を執拗に擦り愛でてくる。相変わらずの彼のねちっこさに充てられて、瞬く間に膨張した恋慕と性欲求の波に呑まれた結果。突かれて押し潰れる詩織の淫尻も、ユウゴ好みの焦らす腰つきを披露し続けた。

詩織がきめ細やかな腿肉で締め上げれば、ユウゴは負けじと肉棒を脈打たせて吸いつく内腿と、濡れそぼつ股肉とを同時に揺すり悦ばす。染み出す蜜を、淫水焼けした亀頭で掠め取っては、舞い戻って再び詩織の内股へと摺り伸ばす。