不貞妻 詩織 視線を感じて、私……

あえなくほだされた双臀に、喜悦のうねりが飛び火して、支えられている、護られているとの想いが、不貞妻のさらなる情動を誘った。

(護るって言った。あの言葉が本当なら……)

腰砕けとなった身を支えて欲しい。乞い願った詩織の視線を受け容れて、ユウゴが啜る唇と、抱きつく腕に熱を込めた。

堪らず前にのめった詩織が、腰の真正面に位置どるユウゴの後頭部に手を乗せて、そのまま抱き寄せる。汁に濡れた割れ目へと接吻したユウゴがより強烈な吸引でもって応じ、眼鏡の奥の瞳が細く笑む。

それを見て安堵と恍惚を滾らせた詩織が、率先して腰をくねらせ、摩擦の悦を貪った。

(誰かが路地に入ってきても、これなら性器を直視されずに済む)

すでに安堵しきっている胸はもう、新たな言い訳を必要としない。

(誰が見ても性器を舐められてるってバレバレ。その上、女の方から腰を押しつけてるんだもの。軽蔑と、色欲まみれの目で舐り回されるわ。晒し者になるのよ……!)

実情を認めた途端。どっと溢れた蜜汁がまた、即刻ユウゴの舌に舐り取られ、啜り飲まれる。同時に彼の鼻に捏ねられた勃起豆が、小気味のよい痺れを放ち引き攣れた。

「はひ、ぃ……っ、やぁ……幹本君の感触っ、お、覚えちゃうぅ……ぅっ」

それは無意識のうちに放たれた言葉。男に媚びる意図でなく、己の妄想をより卑猥なものへと昇華するため、自然と漏れ出た言葉だった。

「しっ、詩織ぃぃ。やっとボクの名前、また呼んでくれたねぇ。いいよ、ボクのベロの形、感触、覚えてっ……ボクならいつでも、好きなだけクンニしたげるよ!」

夢想に蕩けた瞳を振り向けたのは、彼も同じ。

屈みっ放しなのを苦にもせず押しつけた口唇で、パクつく陰唇を捲っては、舌を膣洞に突き刺して、溜まりに溜まった蜜汁を撹拌する。

蠢動する襞肉を擦っては、ネトつく蜜をこそげ取ってゆく。

「んひぃぅぅ! はぁっ、んっああァ……! 凄っ、ひっ……いィィィッッ」

舐られたそばから悦びうねった膣肉が、より奥へユウゴの舌を誘った。

応じた彼が目一杯、口元が汚れるのも構わず啜り上げ、届く限りの部位を余す事なくベロベロ穿り回す。

鼻息にくすぐられても、たっぷり汁気を含んでいるために、肌に張りつき剥がれない陰毛。そこにもユウゴの熱視が注ぐ。

──全部、通りを行き交う人々に見てもらおうね。

ヒクつく恥丘に突き刺さる彼の眼光が、そう訴えかけてきているような気がして。

「う、んっ……う、んんん……っ!」

被虐と優越。共に噛み締め喘ぐ女の頭が、同意を示す頷きを重ねる。

恥悦に呻いた若妻の下肢が情けなく震えても、尻ごと抱き留めたユウゴが居るから、安心して嬌態を見せつける事ができた。

ユウゴの舌が、掬った大量の蜜を抱えたままズルッと膣から引き抜けるや、パクつく割れ目を上向きに滑り舐ってゆく。

彼の舌の終着点を確信し、恍惚と悶え泣いては腰をくねらせた詩織の全身に、懐かしくも狂おしい感覚が再来した。

「んひゃぁっあああ……っ! 来ちゃ、あぅぅぅぅっ」

──ひと月前、自宅リビングで散々舐り回されたあの夜に、幾度も味わわされ、癖付けられてしまった感覚。その予兆となる悦の痺れを、先んじて嬉々と引き攣った女陰が吐き散らす。

喘ぐように開閉する股の淫唇に、這い上りながら男の口唇がキスをして──また飽きもせず、啜り、舐って蕩かせる。

(外でお漏らししてっ、はしたなくイッちゃう……でも、この人が一緒なら……!)

気を許した男の舌先が、予想した通りに割れ目の上端、ぷくりと剥き勃つ肉突起へとたどり着く。期待の視線と、跳ねる肉突起の歓待を受け、間髪容れずにユウゴの口唇がむしゃぶりついてきた。

瞬く間に牝腰の芯へと逆流した電撃めいた愉悦の痺れと、膣の痙攣とが連動し、若妻の脳裏に、火花の如き快感の塊が幾つも、幾つも激突しては弾け飛ぶ。

詩織の潤み蕩けた眼は、なおも通りの方を凝視し続け──また、実際には居もしない見物客の姿を想起して、より一層の喜悦を波打つ下腹の奥底に注ぎ足した。

「ひッ、ぐうぅぅっひぐっうううううう!」

膣から全身へと波及した痙攣に揺さぶられ、最大限の嬌声を振り絞る。迫り出した引き攣れっ放しの膣唇と、クリトリスをついばみ離さぬユウゴの顎とがぶつかった。その振動と摩擦でさらに一段高みへと上り詰め。

「ふっああああっ、ひぐっ、うっ、んっ……ンンンンンンッ……~~~……ッッ!」

壊れたように縦に跳ね続ける牝腰。その中央で待ちわびる淫唇に、再度、割れ目全体を覆おうとしているかのように大きく開いた、ユウゴの口唇が被りつく。

ぎゅっと握り掴まれた尻肉にも熱と力がこもり、笑いっ放しの膝がユウゴの上腕へと寄りかかる。前のめりに倒れるのに際し、とっさに伸ばした詩織の両手がユウゴの両肩を掴んで突っ張った。直後に穿り舐られた蜜壺の口が、限界を迎えて開き、張りつく彼の口内へと続け様にネトつく熱を吐きつける。

──イッたね。ボクの舌で、人目のある中でまた。

悦びに潤むユウゴの視線による炙りが念押しとなり、昂りきった状態から降りてこられなくなった牝腰が自ずと彼の口唇に摺りついた。

貪欲に肉悦を食らう陰唇にぴったり吸いつく口唇の内で舌が躍り、割れ目を繰り返し上下に舐り愛でた。膣内に溢れた蜜を掻き出しては啜り、またその振動で蜜が溢れ出す。止め処もなく思われた絶頂の悦波は、二分近く。長々と続き──。