女子校生令嬢たちの淫らな保健実習

息づかいが感じられるほどの近さから薫の顔を覗き込み、野性味のある美貌を急接近させてくる。

「や、山城くん……。顔が、近いから……」

思わず顔を背ける薫。

慌てふためく新任教師の様子を見て、飛鳥は悪戯な微笑を浮かべていた。

「教師なんだから、生徒の顔をしっかりと見てください」

両手で頬を挟まれて、飛鳥の真正面を向かされる。

猫科の牝獣を思わせる美貌には、悪戯で挑発的な笑みがたたえられていた。

唇と唇とが触れ合いそうなほどの近さに、薫は胸を高鳴らせてしまう。

「飛鳥さんっ。何をしていらっしゃいますの」

桜子は、かすかに苛立ちのこもった声で飛鳥をたしなめた。

「薫先生は飛鳥さんのために解説をしてくださっているのですよ。ふざけていないで、少しは真面目にお聞きなさい」

生真面目に説教をしている委員長だが、薫の左腕にさりげなく腕を絡めてくる。

ブレザーの胸元にできた大きなふくらみが、新任教師の上腕に押し当てられた。手のひらで覆いきれないふくらみは、左腕によってむにんとひしゃげる。

(はあうっ……)

薫はびくんと身体を硬直させた。

上腕部に感じているのは、女性の象徴ともいうべきふくらみ。ブレザーとスーツとによって隔てられているとはいえ、男である薫が触れてよいところではない。

制服の向こうに感じるふくらみはどこまでもやわらかく、また蠱惑的な弾力に満ちている。おまけにたっぷりとした量感があり、女としての豊満さを誇示していた。

(こ、このやわらかさは……)

何枚もの布地を通してはいるものの乳房の豊かさを味わわされ、興奮のあまり全身が熱くなる。心臓は激しく鼓動し、熱い血潮が全身を駆けめぐる。

単に身体が熱くなっただけではなく、股間のものまでが反応してしまった。

男性器の海綿体へ熱い血潮が急激に流れ込み、男の象徴を膨張させる。

(うわあぁっ。だめだよっ、こんな時にふくらんじゃっ……)

しかし、気づいた時にはもう遅い。

薫の狼狽ぶりをせせら笑うかのように、ズボンの中の男根は爆発的にふくらんでいた。収拾不可能なまでに強ばりきっており、ズボンを内側から突き上げている。

「あ、あの……六条くん……。僕の腕に……胸が当たっているんですけれど……」

薫の弱々しい訴えは、またしてもあっさりと退けられた。

「先生は少し黙っていてくださいっ」

取りつく島もない口調ではねつけるとともに、薫の左腕をさらにかき抱く。

「今は、学級委員として飛鳥さんを指導しているんです」

スーツに包まれた左腕は令嬢生徒によって強く抱きかかえられ、豊かな胸の谷間にめり込んだ。薫の上腕は、やわらかなふくらみに左右から挟み込まれたのである。

「す、すみません。でも、六条くんの胸が僕の腕に……」

自分でも何を言っているのかわからないままに薫はしゃべっていた。

胸をさわっていることへの罪悪感と、それで勃起していることへの罪悪感とが入り混じって、半ば反射的に謝罪の言葉を発してしまったのだ。

あわあわとうろたえている新任教師の様子に、飛鳥はにやりと笑った。

「教師なんだから、もっと毅然としてくださいよ」

諭すような口調で言いながら、飛鳥は薫の太腿に腰かける。

「そんなことだから、生徒に舐められるんですよ」

椅子に座っている薫の上に遠慮なくお尻を乗せ、背中をもたせかけてきた。

「はうっ」

薫は身を引きつらせる。

ごく薄いスカート生地を通して、お尻の肉の感触が太腿へ伝わってくる。

スラックスの上からではあるが、女生徒のお尻にさわってしまったのだ。

上着にくらべてスカートの生地は薄く、スラックスの生地も薄い。左腕に感じている乳房も生々しいが、それよりもはるかに生々しい感触が太腿に押し寄せてきた。

(あ、飛鳥くんのお尻が……太腿に……)

若い女性の体温がじんわりと伝わってくる。

陸上部に所属している飛鳥の尻肉は、小ぶりで筋肉質だ。瞬発力に優れた豹を思わせる。かといって、がちがちに硬いだけなわけではない。表面にはうっすらと脂肪がのっており、ほどよいやわらかさがある。小さいながらも蠱惑的な丸みを帯びていて、女としての美しさを主張していた。

(ぷりっとしていて……引き締まっていて……温かくて……)

少女の尻肉を太腿に感じ、薫はますます興奮を募らせてしまう。

胸の鼓動はいつになく速まり、全身が火照っていた。股間のものは強ばりきっており、びくびくと力強く脈動している。隆々と勃起した逸物にとって、スラックスの内側は窮屈すぎた。布地を引き裂かんばかりに内側から突き上げている。

(ど、どうしよう……。僕……こんなにっちゃっている……)

教え子の身体を感じて勃起してしまい、薫は罪悪感にさいなまれる。

だが、どんなに自分を責めようとも、股間の逸物はそそり立ったままだ。

「あ、あの……山城くん。膝から下りてください……」

「いいじゃないですか。中腰でいるの、疲れちゃったんです」

ポニーテールの女生徒は、新任教師の太腿から一向に下りようとしない。

「疲れているからといって、男性の脚に座るというのは女性として……」

お尻の感触に気を取られているため、叱責の矛先も鈍ってしまう。

「中腰でいるよりも、こうして座っている方が勉強に集中できるんです。生徒が勉強しやすい環境を整えるのも、教師の役目ですよね」