女子校生令嬢たちの淫らな保健実習

授業に慣れたというだけではない。おかしな話ではあるが、自らの積極的な腰づかいで桜子や飛鳥を性的絶頂に導いたことが、ひそかな自信となっているのだ。

二人に振りまわされているのは相変わらずだが。

(相変わらずといえば、由香里くんもずっと質問に来てくれているなあ……)

古文の授業があると、必ずと言っていいほど放課後に由香里が教官室を訪れる。

(古典文学が好きなのかな? それとも単に勉強熱心なのかな?)

清楚可憐な眼鏡女生徒と古典についてやり取りするひとときは、教師としての純粋な喜びをもたらしてくれた。

そして、由香里が帰るのを見計らっていたかのように二人の女生徒が教官室に押しかけてきて、男としての喜びを味わわせてくれるのだ。

「おじゃましまーす」

悪戯な笑みとともに扉を開け放ったのは飛鳥。

「ご機嫌はいかがですか、薫先生」

品のよい立ち居振る舞いで入ってきたのは桜子。

ポニーテールの猫科美少女と黒髪の令嬢とは、教官室に入るや、すぐさま鍵をかけた。それから、薫の都合など全く意に介さずに左右から抱きついてくる。

「由香里さんって、いつも薫先生のところへ質問に来るのですね」

いぶかしげにつぶやきながら、桜子は新任教師の左腕にすがりついてきた。豊かな乳房を誇示するかのように、ブレザーの大きく張り出した胸元をこすりつける。

「よほど古典がお好きなのですね」

教師の左腕に抱きついたまま上体をくねらせ、たわわな実りを執拗にすりつけた。

「桜子、それ本気で言っているの?」

呆れたとでもいうように飛鳥は苦笑している。

陸上部に所属する美少女は、令嬢の反対側から薫に抱きついてきた。胸のふくらみをすりつけるとともに、新任教師の股間をスラックスの上から撫でまわしている。

「あ、飛鳥くん……。そういうことは……やめてくれないかな……」

薫の弱々しい抗議になど耳を貸さず、飛鳥は男の急所を撫でまわし続けた。スラックスの中で逸物が強ばりつつあるのを手のひらに感じながら、同級生にお説教する。

「由香里が古典を好き? そんなわけないでしょ。桜子って、本当にそういうことにうといんだから」

「では、どうして由香里さんはこう頻繁に来ますの?」

良家の令嬢は真顔で尋ねる。

「決まっているでしょ。薫先生が好きだからよ」

薫も桜子も、一瞬、言葉を失ってしまった。

「何ですって……」

冷ややかで硬いつぶやきをもらし、桜子はことさらに強く薫の腕を抱き締める。

「ま、まさか由香里くんがそんなこと……」

思ってもみなかったことを告げられて、薫はうろたえるばかりだ。

「薫先生も重症ですね。生徒のことをよく見ていない証拠です」

憂いの顔つきで溜め息をついた飛鳥だが、すぐに悪戯な笑みを浮かべる。

「確かめてみますか? 由香里が薫先生のことをどう思っているのか」

がちがちになっている男根を布地越しにしごきつつ、薫の顔を間近から覗き込む。

「え……? 確かめるって、どうやって……?」

飛鳥は、ますます小悪魔めいた微笑をした。

「まかせておいてください」

野性味のある美貌に浮かんでいる表情を見れば、何やら淫らなことを企んでいるのは明らかだ。しかし薫は、股間を撫でまわされる快楽に我を忘れてしまい、問い質すことができなかった。

その翌日の放課後。

国語教官室には三人の女生徒が集まっていた。

飛鳥と桜子が由香里を捕まえて、教官室まで連れてきたのである。

「あ、あの……。六条さんや山城さんも、先生に質問ですか?」

眼鏡をかけた美少女は少し不安そうな顔つきをしていた。

気高く真面目な学級委員・桜子は、由香里を見る眼差しがいつになく冷たい。真面目とは言いがたい飛鳥は、妖しげな笑みを浮かべている。

教官室の主であるはずの薫は、由香里以上にうろたえていた。

(ど、どうしよう……。僕たちの関係を由香里くんに知られてしまったら……)

下手な口出しをすれば飛鳥が洗いざらいを暴露しそうなので、ただ成り行きを見守ることしかできない。

由香里が、恐る恐るという感じで口を開いた。

「も……もしよければ、先に質問をしてください。私は後でけっこうですから……」

「お気づかいは無用ですわ」

令嬢の返事は素っ気ない。

その代わりに、飛鳥がねっとりとした声音で由香里に語りかける。

「私と桜子も、由香里さんが帰った後、薫先生から色々なことを教えてもらっているの。古文のことじゃなくて、保健体育について……」

艶めかしく妖しい眼差しで、眼鏡の女生徒を舐めまわした。

「保健体育……?」

由香里の頬がほんのりと赤らむ。

どうやら彼女は、その言葉がほのめかす淫らなことを正しく理解したようだ。

「どういう……ことですか……」

眼鏡の奥にある瞳は、驚きと悲しみが入り混じった光をたたえている。

「もちろんそういうこと。由香里さんの思っている通りのことよ」

飛鳥はさりげなく由香里の背後へまわり込み、彼女の腕ごと腰へ抱きついた。

「ひゃうっ……」

両腕を拘束されてしまった由香里は、懸命に身をもがかせる。

「は、放してくださいっ……」

しかし飛鳥の腕を振り解くことはできない。

読書が趣味で帰宅部の由香里では、身体能力の高い飛鳥には到底かなわなかった。

「ちょ、ちょっと飛鳥くん、乱暴は……」