止めようとする薫を、飛鳥はあっさりと無視する。
「由香里さんがどうしていつも質問に来るのか、わかっているのよ」
眼鏡女生徒のあらがいなどものともせず、彼女の耳元へささやきかけた。
「薫先生のことが好きなんでしょ?」
「ち、違いますっ。そんなんじゃ……」
むきになって否定する由香里だが、清楚可憐な顔は真っ赤に染まっていた。
「女子校だもんね。やさしい薫先生のことを由香里さんが好きになる気持ちはわかるよ。でも、薫先生には由香里さんが知らない一面があるの」
「私の知らない一面……ですか?」
眼鏡の奥にある瞳は、戸惑いの眼差しで薫を見つめている。
「それを知っても、まだ薫先生のことを好きでいられる?」
飛鳥は、桜子に目配せをした。
良家のお嬢さまは、由香里をちらりと見てから薫の右腕に抱きつく。
「私、薫先生に色々なことを教えていただきましたの」
豊かな胸のふくらみを薫の上腕部に押しつけ、むっちりとした太腿の間に男の手を挟み込んだ。眼鏡女生徒の視線を意識しながら、大きく張り出した胸元で上腕部をこすり上げる。尻肉を揺すりながら、太腿と太腿の付け根で手を揉みこねる。
「さ、桜子くん……。そういう悪戯はやめてください……」
弱々しいあらがいしかできない薫に、令嬢は乳房と股間とをすりつけた。肉感的な肢体を駆使して教師を挑発しつつも、冷ややかな視線で眼鏡娘を射抜いている。
「どのように殿方を喜ばせるのかを、薫先生のもので実習させていただきましたわ」
たわわに実った胸を上腕部へ押しつけたまま、薫の股間へと右手を這い下ろした。乳房を感じて強ばりつつある男性器を、スラックスの上からさらに刺激する。
「んくうっ……んっ、ううぅ……」
きつく唇を結んでいる薫だが、歓喜の呻きがもれるのをこらえきれない。
「由香里さんもご覧になります? 薫先生のものを……」
令嬢は、薫の右手を太腿の付け根で挟みつけておきつつ、スラックスのファスナーを引き下ろした。優美な白指を侵入させて、硬直した男根を引っ張り出そうとする。
「や、やめてください、桜子くん。由香里くんの前で、そんな……」
桜子の太腿や股間の温もりを右手に感じながら、薫は力なく身をよじった。
由香里を巻き込みたくないという思いに偽りはないが、知的で勉強熱心な眼鏡娘に男の象徴を見せつけたいという想いも心の奥底で蠢いている。
「私に見せてくださったように、由香里さんにも見せてあげてください」
令嬢の指に引っ張り出されて、力のみなぎった肉柱がぶるんと飛び出す。
「ひゃふっ!」
いつもは物静かな由香里が、可愛らしい悲鳴を上げて顔を背けた。
だが、ほんのわずかだけ顔を戻して、ぎゅっとつぶっていた目をほんの少しだけ開ける。細く開けたまぶたから覗ける視界の端に、まがまがしいそれをとらえた。
「もっとよく見ていいのよ」
耳元へささやきかけられる飛鳥の声に、由香里はあらがいきれない。背けていた顔をさらにもう少しだけ戻し、ためらいがちにまぶたを上げる。
「どう? あれが薫先生のものよ」
ぬっぺりとした亀頭は、さながら由香里を睨みつけているかのようだ。肉胴は片手で握りきれないであろうほどに太く、びくんびくんと力強く鼓動している。
「すごい……。怖いくらいです……」
清楚可憐な顔はいつの間にか真正面を向いており、薄い眼鏡の奥では目を大きく見開いていた。それどころかやや身を乗り出し、しどけなく唇をゆるめている。
「男の人のものを見たのは初めて?」
からかうような飛鳥の問いかけに、由香里の頬は紅色に染まる。
(ゆ、由香里くんにまで……僕のものを見られているなんて……)
教師としては罪悪感にさいなまれているが、ひとりの男性としては熱いたぎりを覚えていた。眼鏡の向こうから発せられる視線に刺激されて勃起男根が跳ねのたうつ。
「薫先生、由香里さんに見られてこんなに高ぶっていますのね。不潔ですわっ」
言葉にこそ冷ややかな棘があるが、令嬢の瞳は牝欲のぬめりを帯びていた。
「見かけによらないけだものぶりを、由香里さんの前で披露していただきますわ。殿方の浅ましさを知ることも、保健体育の一環ですの」
たおやかな白指が肉柱に絡みついてきて、優美かつ妖艶な手つきでしごき始める。
「あうっ、ううっ、んくぅ……。桜子くん……」
絶妙の力加減で肉胴の根本を握り、男の反応をうかがいながらしごき上げていた。皮をすべらせるようにして手を上げ下げしたり、亀頭の縫い目に息を吹きかけたり。気高く冷涼な美貌とは裏腹に、男性器に奉仕する手つきは牝そのものだ。
「いかがですか、薫先生? 私の手しごき、淑女として認めてくださりますか?」
「そ、それは……あっ、あうぅぅっ……」
由香里の前で不様な声を上げまいとするのだが、巧みな手しごきで呻きを搾り取られてしまう。男根もあからさまに脈打ち、肥大した亀頭から粘液を滲ませていた。
「手しごきだけでは不満だとでもおっしゃるつもりですの?」
ちらりと由香里の方を見やってから、令嬢は薫の足元にひざまずく。高貴な美貌に艶やかな笑みを浮かべつつ、粘液にぬめった亀頭へ唇を軽く触れさせた。
「唇と乳房を捧げてのお仕えで、薫先生を満足させて差し上げますわ」