こらえていたはずなのに、またもや薫は歓喜の呻きをもらしてしまう。
尻肉でこすりまわされた時も感じてしまったが、五本の指を駆使しての愛撫はさらに心地よい。スラックスの布地を隔てているとはいえ、淫らに蠢く指五本で勃起中枢を否応なく刺激された。強ばりきった男根は力強く脈打ち、喜びに悶えている。
「誰かが来る頃には、白いおしっこをもらしちゃっているんじゃないですか?」
亀頭の縫い目があるあたりへ指腹を押し当てられ、ぐりぐりとこすりまわされた。
「んうぅ……はぁうっ」
スラックスの布地を通して伝わってくる指腹の感触に、亀頭はひくひくとわなないている。亀頭の頂に刻まれた鈴割れからは、悦楽の粘液がもれ出ていた。
(確かに、こんな状態じゃ……。でも、女生徒にあれを見せるなんて……)
教師としての規範意識が薫を悩ませている。
だが、左腕に感じている乳房のやわらかさや、勃起男根から湧き上がってくる快楽が、薫の精神を侵食し始めていた。
真面目な新任教師の心に生じたごくわずかな隙を、飛鳥は見逃さない。
「これは授業の一環なんですよ。保健体育の実技っていうか」
ここぞとばかりに手を蠢かせて、スラックス越しに男性器を愛撫する。
淫らな手弄に反応して肉柱はのたうち跳ね、喜びの粘液を吐き出していた。
「うっ……はぁぁくぅ……。山城さん……それ以上されたら……んうぅぅ……」
「女子校ではよくあることなんですよ。保健体育の授業で、男性教師があれを見せるのって。生きた教材として、女生徒たちの前で男性器をさらすんです」
飛鳥の語る異常な状況が脳裏に映し出される。
「そ、そんな馬鹿な……」
意識の表層はもちろんのこと嫌悪感を抱いているのだが、深層では得体の知れない欲望が蠢いていた。女生徒を前にして男性器を露出するという状況に、倒錯的な喜びを見出してしまう。少なくとも、心のどこかにそれを望んでいる自分がいる。
(何でだろう……? 想像しただけで、何だかますます股間のものが……)
強ばりきった男性器はひとりでに悶え跳ねて、無色透明の汁を湧出していた。飛鳥の巧みな手淫でよがらされているとともに、異様な妄想で興奮してしまったのだ。
「女子生徒に男性のことを教えるのも、教師の大切な役目だと思いますけれど」
飛鳥は、淫らな微笑を浮かべながら男性器をもてあそぶ。
「はうっ……ああぁ……」
このままでは本当に射精させられてしまいそうだ。
スラックスの股間に精液の濡れ染みができてしまったら、もはやどんな申し開きもできないだろう。教え子に欲望を抱き、あまつさえその欲望を噴き出したことが、動かぬ証拠となって残っているからだ。
(そんなことになったら……確実に懲戒解雇だよね……)
いや、心の奥底では、このまま飛鳥の手淫で射精してしまいたいという欲望さえが蠢いていた。大学を出たばかりの若い肉体は、股間に溜まっている牡欲を噴き出したがっている。女子校生の巧みな指づかいでしごき上げられるたびに勃起男根は力強く脈打ち、射精の先触れとなる無色透明の粘液をぴゅるぴゅると吐き出していた。
「男を知らない桜子のために、薫先生のもの、見せてください」
飛鳥は、新任教師の返事を聞かないままファスナーを開け、そこに指を差し込んだ。
がちがちに強ばりきっている男性器をつかみ、容赦なく引きずり出そうとする。
「や、山城くんっ……。ちょっと待って……」
そうは言ったものの、薫の右手は全く動かない。このままスラックスの中でぶちまけてしまうことへの恥ずかしさや、飛鳥の手で気持ちよくしてもらいたいというひそかな欲望がない交ぜとなり、新任教師の右手を硬直させていた。
「往生際が悪いですよ」
猫科の獣を思わせる美少女は、積極的にあらがおうとしない薫の態度を見て、余裕の笑みを浮かべている。そして、桜子の方に目をやった。
「これが男の人のものよ」
トランクスの上部に引っかかっている勃起男根を、手荒に引っ張り出す。
ぶるんっ。
男の象徴が勢いよく飛び出す。
スラックスの中で窮屈な想いをしてきた肉柱は、狭苦しいところから解放されたことを喜ぶかのように伸び伸びとそそり立っていた。
「ひっ……」
小さな悲鳴を上げたのは桜子。
彼女は、雪のように白い頬肌を紅潮させて、目を見開いていた。気品が香る端正な美貌には、驚きとも嫌悪感ともつかない表情をしている。
「どう? 初めて男のものを見た感想は?」
飛鳥からの問いかけられても、桜子はすぐには反応できない様子だ。驚愕あるいは恐怖の表情で顔を凍りつかせたまま、男の象徴をじっと見つめている。
「おぞましくて……恐ろしげで……」
小学校からの女子校育ちだというこの令嬢が目の当たりにしたのは、ただの男性器ではない。牡の熱い欲望を取り込んで、極限まで巨大化したものである。
その肉胴は、片手でつかみきれないほどに太く、天を衝くかのようにそびえ立っていた。ごつごつと血管が浮き出ている様は雄々しくて魁偉。
ぬっぺりと肥大した亀頭は大きく笠を広げており、不気味な姿で少女たちを威嚇していた。無色透明の粘液によって、亀頭全体がぬらぬらと照り輝いている。
しとやかに育てられてきた桜子にとって、それはあまりにも異様でおぞましい姿であった。まばたきもせずに勃起男根へ見入っている様は、魂を奪われたかのようだ。