もし、こんな映像が出回ったりすれば、身の破滅だというコトはイヤでもわかった。
『脅されて』『イヤイヤ行なっている』『演技している』などとは絶対に見えなかったし、誰もそうは思わないだろう。真菜美自身、そう感じられない。たとえ特殊な催淫薬を使っているにせよ、真菜美の狂乱ぶり、痴態は常軌を逸していた。親兄弟や、親戚、知人、友人、恋人にも言い訳ができなかった。特に、恋人が観たら、その瞬間に破局だろう。たとえ、警察や司法関係者だけに限って観られると考えても、身の置き場がなくなる思いだった。
もし、この映像が複製されて販売されたり、インターネットで流布されるようなことになったりすれば、完全に身の破滅、何もかもが終わってしまうコトは理解できた。
『あああ~~~ッ! ああああ~~~ッ!!』
『あごぉぉぉ~~~ッ! うぐぅぅぅぅ~~~ッ!!』
『ひぎッ! ひぎぃぃぃ~~~ッ!!』
最後の方の映像では真菜美は、意味のある言葉を発せなくなっていた。中学一年生の少年に抱かれ、貫かれながら、ただただ、唸ったり、叫んだり、そして吼えたりするだけの存在に成り果てていた。そこには、理性とか、知性、品性などの人間らしさを表すモノはカケラすら見えなかった。しかも、その淫獣と化した自分自身の姿が、いかにも幸福そうで、満足げだったのが真菜美にとって、非常な衝撃だった。
大量の汗をしぶかせ、全身汗まみれになり、涙をとめどなく流し、よだれをこぼし、アワを吹き、そのアワの跡を唇の端にこびりつかせたまま、鼻汁を垂らしつつも、ぬぐおうとせず、長い黒髪を振り乱し、巨乳を揺すってのたうちながら、いななく、真菜美は真実、しあわせそうで、安らいでさえ見えた。ある意味で美しく、誇り高く、高潔で、何より自然だった。その映像は人間の幸せには、金銭とか富、あるいは名誉とか地位、親兄弟・伴侶・子供などの家族も、はたまた知性も教養も不要なのだと、主張しているかのようだった。
教育者としてだけでなく、教育そのものの存在意義すら否定し尽くす自分自身の映像に、真菜美は完全に、完璧に打ちのめされた。
「……!」
一時間目が終わろうとしているのに気づいた真菜美は立ちあがった。
透に命じられた通り、下着を脱ぐためだった。ブラジャーを外した真菜美は、自分の乳首が大きく勃起していることに気づかされた。真菜美の乳房全体が熱っぽく疼き、まるで乳房そのものが呼吸しているかのようだった。
ついでショーツを降ろした時、真菜美はその舟底部がしっとりではなく、べっとりと濡れていることに気づいた。真菜美の股間ははっきりと潤い、夥しいまでの粘液を滴らせながら、ほころびかけていた。花奥が疼き、花芯が飛び出さんまでに充血し、勃起していた。
「…………」
自分の肉体とは到底信じられない、昂奮にフルえる、細くしなやかな指を真菜美はみずからに沈めた。
ぢゅくンンッ。
「…………!!」
(あああンン……ッ!!)
喉までついて出た甘やかな悲鳴を真菜美はあわてて、噛み殺さなければならなかった。
(欲しいッ!)
真菜美の肉体は疼き、絶叫していた。
(欲しいよぉッ! あのチンポ、が欲しヒッ!!)
ぢゅぐぢゅぐッッ。
(ぐひッ! ぐひヒぃぃンンッ!!)
今観た昨夜の映像が、真菜美の全身を甘酸っぱく、潤ませていた。
(チンポ……ッ、あのオチンポ、が欲しヒよぉぉッ!!)
真菜美の肉体は泣き、叫んでいた。
(チンポ……ッ、チンポ……ッ、チンポぉぉぉ~~~ッッ!!)
もはや、真菜美は担当するクラスの一生徒の男性器のコトしか、考えられなくなっていた。
次の休み時間、透はふたたび、真菜美が待つ教務室にやってきた。
コンコンッ。
「失礼します」
またもや礼儀正しい挨拶をして入室してくる生徒に真菜美は乱れた髪を撫でつけ、その間から、潤んだ瞳を向ける。
透は、制服のズボンのファスナーを降ろし、イチモツを取り出していた。
ごくりッ。
美貌・巨乳の女教師の喉が鳴った。その音と、意味するトコロを察したのだろう。生徒は一種凄味のある、満足気な笑みを浮かべた。
「その様子じゃあ、どうやら、昨夜のコトを思い出せたようだね?」
「…………」
真菜美はかじかんだ指先のようなぎこちない動作でうなずいた。早、涙が溢れ出さんばかりになっている。
「じゃあ、尋ねよう。オマエはボクの何だ?」
生徒が教師をオマエ呼ばわりしながら、尋ねる。しかし、女教師はそんな生徒の傲慢不遜な態度を受け入れるしかなかった。
「わ……ッ、わ……ッ、私は……ッ、あ……ッ、アナタの……ッ、ド……ッ、ドレイです……ッッ」
涙に喉をつっかえ、つっかえさせながら、従属の言葉を口にした女教師の美貌に生徒の平手打ちが飛ぶ。
ぱぁんッ。
「違う」
軽い脳震蕩を起こしかけてしまう女教師に生徒が決めつける。剥き出しの暴力に反抗したり、抗議するよりも、真菜美は言葉を探し、そして口にする。
「わたしは、アナタのチンポドレイですッ」
ぱぁんッ。
「違う」
正気であれば、到底口にすることなどできない、いまだかって口に出したことのなかった単語を用いて従属を誓う女教師に透は冷酷に平手打ちを見舞う。真菜美は新たな言葉を探して口にした。