「うぅぅンン……ッ、キツイ……ッ、このオ浣腸、キツイぃぃ……ッ!」
白と黒のメイドの衣装をまとっただけの半裸の肢体をもがかして、くるみは哭いた。
うふふふッ。
透が満足げに嗤う。
「そりゃあ、そうさ。いつも使うお酢を三倍に濃縮して使っているんだからね。キクよ、コイツは」
「あぐぅぅ……ッ、そ……ッ、そんなぁ……ッ」
天井から吊られた身体を前に折り伏すようにしながら、くるみはくなくなと身を揺すり、哭いた。しかし、咥えこんだ医療器具を離そうとも、両脚を閉じようとも、そして突き出したお尻を引こうともしなかった。ただ、ただ、大粒の涙をとめどなくあふれさせ、全身を汗まみれにさせてのたうつばかりだった。
『し……ッ、し……ッ、信じられない……ッ!』
真菜美は自分の目を疑う思いだった。
いくら『好き』だとしても、『愛している』にせよ、そしてどんなに『お互いの性癖の相性が一致しているとしても、ここまで過酷な責め嬲りを加えるコトが出来、また、受容出来るというコトが、常識人である真菜美にとっては、到底受け入れることが出来なかった。
──!!──
そんなことを考える真菜美の背筋に氷柱が建った。
『私も、こうされちゃうの!?』
その思いに真菜美は、冷たい雷に撃たれたように全身を硬直させた。
『彼女のようにならなければ、SEXしてもらえないの!?』
その認識は恐ろしく不吉で、忌まわしかった。
はぁぁぁッッ。
真菜美は自分が吐き出した息が、氷のように冷たいのではないかと思った。
──!!──
──!!!!──
不吉な予感と感慨に、背筋を震わせる女教師の目前で、さらに背筋を凍らせるような光景が展開していく。透はただ、吸子を押していくのではなく、両手に持った浣腸器の先端で円を描くように、くるみの肛門をえぐりながら押していき、そうして一回転を終えると浣腸器全体をくるみの体内にネジり込むかのように吸子を押した。
どくッ! どくどくどぐぅぅッ!
「がはァッ!!」
美少女メイドが大量の唾液を吐き出しながら、苦悶する。背中でまとめられ、二本の腕が一本の棒のようになってしまった先端で、小さく白い手が、舞ヒ踊る。全身にしぶく汗を吸った、ゴスロリ調の白と黒のメイドの衣装は、可憐な美少女の肌にぴったりと張り付き、あどけないおもざしは涙と汗、それに唾液と鼻汁にまみれ、無残な有様だった。
「あああ……ッ、あハあああ……ッ!」
くるみは気絶寸前、失神一歩前の状態で悶え泣いていたが、その姿は美しく、気高くさえあった。
『信じられない……ッ!』
ごきゅッ。
真菜美は目の前で繰り広げられている光景に息を呑み、固くなった唾を飲み下した。拷問のような、いいや拷問そのものの過酷な浣腸責めを受けて、美少女メイドは光り輝いているかのような、鮮烈な魅力を周囲に放っていた。素肌にまとわりついた白と黒のメイド服と縄目は美少女の伸びやかな肢体をさらに艶やかに浮き立たせ、大量の汗と涙、唾液や鼻汁にだんだらに彩られた、美少女のおもざしを、この世の物ではないほど、幻想的に魅き立てていた。
「アアア……ッ! あああ……ッ!」
ぶるッ、ぶるぶるるッ。
くるみは自分の肢体を大きく、小さくわななかせる。そのたびに、背中で腕を束ねられて、のたうつ白く小さな二つの手のひらの苦悶はさらなる責め嬲りを望む誘い、おねだりであり、家畜用の医療器具をムゴたらしク用いられて丸まっちい双臀を揺さぶる様は淫猥きわまりない尻振りダンスだった。お尻全体につけられた真っ赤な手形さえ、唇に塗られた口紅のように妖しく映る。
うふッ、うふふふふッ。
自分の責め嬲りに酔うというよりも、被虐の美少女メイドの現実離れした、蠱惑的な魅力にのめりこむように透はさらにムゴたらしく、エゲツなく浣腸器を操る。
ぎゅむぎゅむッ、ぐぽぐぽッ。
「はぁッ! はぁぁぁぁ~~~……ッ!?」
透は浣腸器の先端で描く円弧をさらに大きくし、くるみの全身を揺さぶるだけ揺さぶった後、最後に残った薬液の全量を浣腸器ごと叩き込むように吸子を押しきった。
どぐどぐどぐンムッ! どどどどどッッ!!
「がはッ! がははははッッ」
くるみがこめかみに血管を浮かび上がらせるようにしてのたうち、哭キ、全身を硬直させた。その次の瞬間だった。
ぷッ、しゃぁぁぁぁぁ~~~~~ッッ。
「はぁぁぁぁぁ……ッッ♡」
くるみは、両腿を開き、浣腸器を咥えこんだお尻を突き出したまま、放尿し始めたのだ。
ぶるッ! ぶるぶるぶるるッ!
わなッ! わなわなわななななぁッ!!
癲癇の発作でも起こしたかのように総身を波打たせ、痙攣させて、失禁し、気絶する様は『昇天』以外の何物でもなかった。
浣腸を終えた透は、その責め具を部屋の端にある机の上に片づけると、惨め極まりない、派手な絶頂を遂げた美少女メイドを天井から吊った縄をゆるめた。途端に、支えを失ったくるみの肉体はリノリウムの床に重力に導かれるままに落下する。
そしてソコにあるのは──。
ぱしゃァッ。
「あぐぅ……ッ!」
自分自身が粗相した跡、小便溜まりとも呼ぶべき水溜まりに水しぶきを上げながらたたき落とされ、呻き声を上げた。そうして、失神から覚めたくるみは不自由な肢体をもがかせながら、目の前にある水溜まりに舌を伸ばし、舐め、すすり始める。