「構わないさ、そのままで。身体は汚れたら、お風呂に入ればいいんだし、服は後で洗濯しておけばいいよ」
「はッ、はい……ッ」
少年主人の許可に、短い距離を小走りに駆けて、くるみは透に近寄り、ソファに上がってくる。
「し……ッ、失礼します……ッ」
「うん」
いかにも御主人様らしくうなずいた透は、あらためて真菜美に気づいたように声をかけてくる。
「真菜美、何をしているんだ。そんな場所じゃ、よく撮れないだろう? もっと近寄って、下からしっかり撮影しろ」
「は……ッ、はい……ッ」
自分が受け持っている生徒に呼び捨てにされた事実を考慮するよりも、主人からの命令に従う女教師をくるみが鼻で(せせら)嗤う。
くすッ。
『所詮貴女は二番目なのよ』
『貴女は、私より劣っているのよ』
『よぉく覚えておきなさい』
──!!──
真菜美は、透の奴隷としては先輩であることに違いないが、自分よりはるかに年下の少女の蔑笑に頰を燃やした。見えない火花を散らす、女性同士の戦いを見て見ぬ振りをしながら透はくるみの脇の下と腰に手をやり、その華奢な肢体を支える。
ぷるんッ、と針が刺さったままの乳房が揺れる。傷ついた、透が傷つけた美少女の胸のふくらみに表情を緩め、笑いかけると透はその針を抜き始めた。
くんッ。ぐぐぐッ。ぐいッ。
「……ッ! ……ッ! ……ッッ!!」
母性の象徴であり、女性の急所でもある、柔らかな肉の塊を弄ばれるように責められても、くるみは声一つ立てようとしなかった。胸の膨らみを襲う激痛、胸の奥、心臓が止まりそうになる痛みに条件反射的に逃れたくなるのを押し止め、小さく歯を食いしばって涙をこらえる。
かちゃりッ、かちゃッ。
透は、くるみの肉体から外した針をソファの上のトレイにまとめると、視線を前に戻した。透の鼻先で、小さな、しかし形の良いふくらみの先端が新たな失血に縮こまるように勃起し、震えていた。野に咲く花の美しさ、可憐さ、いじらしさに誘われるように、透は、その薄紅色の乳首に口づけし、
ちゅッ、ちゅちゅちゅッ。
「ああ……ッ」
血を吸い、
ちゅうちゅうッ。
「ああン……ッ」
傷口を舐め始める。
ちゅぱちゅぱちゅぷぷぷッ。
「う……ッ、うううンム……ッ」
美少女メイドは、新たな責め嬲りに、眉宇をすぼめ、泣き、あえいだ。
しかし、その表情にははっきりとした悦びが、オンナの悦びが浮かんでいた。
「……ったく」
年上の少女のあからさまな喜悦に透は苦笑する。苦笑するしかなかった。そうして、くるみの肉体を抱き寄せながら、囁く。
「可愛いなぁ、くるみは」
年下の御主人様の言葉に、女子高生メイドはパッと顔を輝かせる。
そうして、大粒の涙をこぼす。
『嬉しい』『嬉しい』『嬉しヒ……ッ』
涙が歓喜を語っていた。泣き崩れそうになるくるみを透はさらに抱き寄せ、全身で抱き締めた。そうして、唇を重ねる。
ちゅッ。
(あ……ッ!)
その光景に真菜美は思わず、声を上げたくなってしまう。
しかし、今、声を上げることは、憚られた。メイドの格好をした女子高生と、男子中学生──。その二人の間で交わされる接吻の妨げになるような行為はとんでもなく不敬で、禁忌であるかのように真菜美には感じられた。
『貴男が好きなの』
『愛しているの』
『貴男しかいない』
『貴男しか見えない』
『貴男、だけなの』
まるでそう言っているかのような、いや、そう告げているとしか思えない、真剣無比の少女の恋情だった。
ちゅちゅッ、ちゅちゅちゅちゅっつッ。
唇を重ね、あわあわと吸いあい、舌先で小突きあったり、絡めあったりしながら、互いの存在と互いの想いを確かめあい、伝えあう行為に、単なる中学教師にしかすぎない真菜美など、赤の他人が入り込む余地はまったくない。ただ魅入られたように見つめ、言われたように録画するしかなかった。
ちゅっぷぷぷッ。
長い長い口づけの後、二人はどちらからともなく、唇を離した。透は法悦の涙にけぶる美少女メイドに、これ以上ない優しい口調で、耳元に話しかける。
「さあ、おいで。くるみ」
「は……ッ、はヒ……ッ、御主人様ぁ……ッ」
くるみはもたれかかるようにして、ソファに座った中学生に身を預け、両腿を開きながら腰を落としていく。そうして、おのが濡れそぼつ、熱くぬるむ秘部に、中学生の灼けた男根をうずめていく。
ずずずずンンむッッ。
「はぁぁあンンン……ッ!」
熱く灼けた男根が、自分の膣腔に分け入ってくるたびに、くるみは総身をくねらせ、縄と黒と白のメイド衣装からくびり出された乳房をぷるぷる、ぷるぷる震わせて、ヨガリ哭いた。
「あああ……ッ、イイイイ……ッ! 御主人様のオチンポ、イイひひぃぃ……ッ!」
ぶるぶるッ、わなわなッ。
傷だらけの少女の白い双臀が大きく小さく波打ち、全身が痙攣する。少年の男根の素晴らしさにのたうち哭キ、まるで蟹がアワを吹くみたいに、ぶくぶくよだれを吹きこぼしてヨガリ泣きする、美少女メイドの姿に透は破顔する。