透はそう言うと、差し出した手のひらを上にして招き寄せる。
「わん、わわん」
一生懸命可愛く鳴きながら、くるみはお尻を左右に振り散らかして、四つ足で中学生の元へと向かう。剥き出しになったままの裸の乳房も揺れ、そのいただきはすでに勃起していた。
「…………」
その柔順な少女犬の姿を見ながら、真菜美は声を出すこともできずにいた。
(……いったい、いったい、この二人は何なの?)
(この二人の間にはいったい、何が、何があるというの?)
そんな疑惑に囚われる、美貌巨乳の女教師を、生徒が怒鳴りつける。
「真菜美、何をしているんだ? ぼぉ──っとしていないで、先輩の姿をきちんと撮影しろ」
「は、は……ッ、はい……ッ」
教え子に呼び捨てで叱りつけられて我に返った真菜美はビデオカメラを構え直して、くるみの後を追う。一生懸命可愛げに振る、臀房の赤い手形、平手打ちの跡がなんとも無残で、真菜美の胸は痛んだが、当人はそんなコトは感じておらぬ様子だった。
ちゃらちゃらッ、ちゃらちゃらッ。
首輪から垂れた細い鎖が床と擦れあい、乾いた音を立てる。それが二人の間の関係を如実に表現しているように真菜美には感じられた。すぐにくるみは愛する少年主人の元にたどり着き、その大きくひろげた膝の間に四つん這いの身を入れて、首を伸ばし、口舌奉仕しようとする。その瞳は熱く蕩け、淫靡に輝いていた。
(ああン……ッ、御主人様の、オチンポ……ッ)
ぷんッ。
先ほどの情交の名残りの匂いが、美少女メイドの忠誠心と被虐心を刺激する。
(ああン……ッ、御主人様ぁ……ッ♡)
くるみが奉仕をしようとした刹那、その額を押さえられた。
(ああンッ、なぜぇ……ッ? 御主人様のイジワルぅ……ッ)
未練げに舌を伸ばす少女犬に透は命令する。
「チンチン」
少年の言葉にくるみは身を起こし、その場で膝をついた姿勢から、爪先立ちになって両腿を大きくひろげてしゃがみこんだ格好をとり、両方の手を軽く握って肩口まで持ってきて、舌を大きく差し出して犬のように鳴いた。
「わん」
両方の胸の膨らみがあらわになっている白と黒のゴスロリ調メイド衣装、赤い犬の首輪と細い鎖、フリルがいっぱいついた前掛け、真っ黒な長靴下などが、美少女高校生を極限まで可憐に飾り立てていた。
針責めの跡も生々しい、胸の双つの膨らみ、前掛けと長靴下の間にのぞく白い肌がまばゆく、悩ましい。スカートと長靴下などの履物の間のコトを「絶対領域」と呼んだりするが、この美少女メイドのモノはいっそうなまめかしく、鮮烈だった。
「よぉし、いいぞ、くるみ」
そう言いながら、透は人差し指を差し出し、くるみの頭の上でくるくると回転させた。
その合図の意味を悟ったくるみは、その場にしゃがみこんだまま、よちよちと身体を回転させる。そしてその場で身体を三度回転させると、もう一度、「チンチン」をして、赤い首輪を嵌められた喉頸を伸ばして、可愛く吠える。
「わん」
『三回転』を成功させた少女犬の頭を透は撫で回してやった。
くしゃくしゃッ。
「うふふふッ、本当にくるみは可愛いなあ」
感に堪えかねたようにそう言うと、透はくるみの額を向こうに押した。
「あん♡」
押されるままに、くるみは仰向けに倒れる。
ころんッ。
しかし、四肢はチンチンをした時のまま、両腿は広げ、両方の拳は肩口に置いたままだった。御主人様に邪険に扱われてもまったく抵抗することなく仰向けに倒れたメイド姿の少女犬は、前掛けこそしているものの、腹部をさらして寝そべっていた。
『絶対服従』
弱点をさらし、言葉によらず、懸命の忠誠を誓う女子高生に透は素足を伸ばす。そうして腹部や、胸の膨らみを、一、二度、軽く踏み締めた後、その整ったおもざしを素足で踏み締める。
ぎゅっぐッ。
「あぐ……ッ、あぐあぐ……ッッ!」
何人ものスカウトたちから「プロのモデルに」と乞われている可憐な美貌を踏みにじられても、くるみは嫌な顔一つしない。なすがままだった。それどころか、
ぷちゅッ。
口づけをし、
ちろちろッ。
舌を差し出して、透の足を舐め始め、
ぺちゃくちゃッ。
「んふッ♡ ンふふふふッ♡」
さらには透の足の指を口の中に入れて、しゃぶりあげたり、
ぴちゃぴちゃッ。
「うふッ、うふふふッ♡」
足指の股の間に舌先を這わせ、舐め繰り回し、清めていく。
「まったく、オマエというヤツは」
さしもの悪逆非道の御主人様、透も目尻を下げていた。
ぴちゃぺちゃッ、くちょぺちょッ。
「ふ……ッ、うふふぅぅンン……ッ」
目元に新たな涙の玉を紡ぎながらも、一心不乱に奉仕する美少女メイドの姿に透もたまらなくなった様子だった。
「くるみ、おいで」
足を引くと、両手を差し出した。
「わっ、わんッ」
感極まったように少女犬は鳴き、身を起こした。そして、中学生の腕の中に飛び込んでいく。
『あッ』
真菜美が危うく、小さく声を上げそうになるほどの自然な抱擁と、
ちゅッ。