女子高生メイドと穴奴隷女教師

真菜美の怪訝な視線に気づいたのか、気づかないのか、その、少女と呼んだ方がふさわしい、若くて可愛いらしい女性は、曖昧な笑顔を浮かべたまま、真菜美を中に招き入れる。

「どうぞ、中へ」

「はい、それでは失礼いたします」

短めの黒い髪が鮮やかに揺れるのを見つめながら、そう言って、マンションの一室に入った真菜美は応接室に通された。

そう、応接室。それはリビングでも、ダイニングキッチンでもなく、誰かの個室でもなく、独立した応接室だった。中の調度もそれにふさわしく、高価な物が並べられている。しかも、それらが詰め込まれるのではなく、ゆったりとした間隔を持ち、調和するように品よく配置されていた。

「しばらくお待ち下さい」

「はい」

言われるままに座ったソファに真菜美は思わず声を上げそうになる。それほどまでに、座り具合が心地よく、また触り心地も良かったからだ。

「どうぞ」

ほどなく現れた、先ほどの少女が紅茶を運んでくる。

『失礼ですが、アナタは、どちら様? 間名瀬透クンとはどんな関係なのでしょう?』

真菜美はそう尋ねたかったが、その紅茶の香気と、自分の緊張具合、喉の渇きように気づき、後回しにしてしまった。

「はい、それではいただきます」

薄い白磁のティーカップから立ち上る芳香に誘われるままに、真菜美は黄金色した液体を口元に運んだ。豊潤な香りが鼻をくすぐった次の瞬間、柔らかな温もりとともに、ほのかに甘く、清冽で澄んだ味わいが真菜美の舌いっぱいに広がる。

「……美味しい」

前頭葉を揺さぶられるような味覚に、真菜美は自分でも知らないうちに、そうつぶやいていた。

「良かった。それではもう一杯入れてまいりましょう」

少女が微笑む。

『いいえ、それよりも本題に』

と言う間もなく、その可愛らしい少女が真菜美の背後に回った、次の瞬間だった。

バチィッ!!

「……ッ!!」

首筋に何かが触れたかと思うと、真菜美の眼球めンたまぜた。

どさッ。

目の前の風景、視野が完全に真っ白になホワイトアウトする中、真菜美は自分の身体が強張ったまま、ソファの上に横倒しになるのを感じた。

途端に声が上がる。

「御主人様、ヤリましたよ」

(御主人様? 御主人様って誰のこと? 間名瀬透の父親でも、在宅しているのだろうか?)

半ば気絶しながらも、思考を巡らす真菜美の耳に新たな人の声が届く。

「うまくヤッたようだね、くるみ」

若い。幼い、と表現してもさしつかえないほどの、若い、男性の声だ。

「はい」

晴れやかな声とともに、「くるみ」と呼ばれた少女は真菜美に近寄り、真菜美をソファの上にうつぶせに倒したかと思うと、力任せに、真菜美の硬直しきった両手を背中にねじり上げる。

「ぐぅッ!」

がちゃンッ、がしゃがしゃッ。

真菜美は手首に冷たく固い、金属の感触がしたが、どこか遠くに感じていた。

「じゃあ、私は少し失礼します」

「ああ、頼むよ」

「すぐ、眼が見えるようになりますので……」

「ああ、わかっている」

二人の会話が合図であったかのように真菜美の視力は急速に回復してくる。しかし、肉体カラダの方は強張ったまま、ほとんど動いてくれない。

そうこうしているうちに真っ白だっホワイト・アウトしていた真菜美の視野の霞が薄れ、人影が現れてくる。

それは、若い、中学生くらいの少年の姿だった。

──!──

真菜美にはその少年に見覚えがあった。

間名瀬透に間違いなかった。

三日間、学校を休んでいた、真菜美が担当するクラスの中学生はとても病人とは思えず、健康そうだった。そしてその間名瀬透、透はおのが股間のモノを取り出し、シゴいていた。透のモノは臍の上まで反り返り、タギっていた。色こそピンクで若々しかったが、そのオオきさはとても中学生のモノとは思えない。真菜美自身それほど性体験がある訳ではないが、真菜美より3歳年上の婚約者フィアンセのモノと比べてもふた回り近く大きかった。

(きゃああああああッッ!!!!)

真菜美は全身の力を振り絞って悲鳴を上げたつもりだが、かすれた声にしかならなかった。まさしく「蚊の鳴くような声」だった。真菜美の「蚊の鳴くような声」を聞きつけた訳ではないのだろうが、先ほどの少女、くるみが戻ってきた。

──!!──

真菜美は目を見張った。少女の衣装が一変していたからだ。つい先ほどまでは、ごく普通の、ありふれたレモンイエローのワンピースを着ていたのに、今は白と黒の絹で構成された、ゴスロリ調のメイド服を着ていた。頭の上には当然のようにカチューシャが飾られており、どこのメイド喫茶で働いていても不思議ではない、そしてどこのメイド喫茶で働いていても人気No.1になるに違いない、可憐なメイド姿だった。

自分より年少の少年が、股間のイチモツ、男性器を取り出して、シゴいているのを見ても、メイド姿のくるみは顔色一つ変えず、それどころか、あでやかに微笑んで見せる。

「あらあら、お気の早い」

「だって、もう、我慢できないンだよ」

「わたしが、イッポンかせてもらってもよろしいのですが、今日はそういう訳にはまいりませんものね」

くるみは微笑んだまま、小首をかしげた。そしてトゲを含んだ視線を真菜美に送る。

「今日は、御主人様にこれから、コノ、加納先生にたっぷりと精を注いでもらわねば、なりませんものねぇ」